一号線を北上せよ

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062109239

作品紹介・あらすじ

一号線はどこにある?

「北上」すべき「一号線」はどこにもある。
私にもあれば、そう、あなたにもある。

思わず旅に出たくなる、著者初の紀行短篇集。
青春の記憶に浸る旅、作家の存在に導かれる旅、プロスポーツ観戦の旅、観光客のバスツアー『深夜特急』の旅から20年、旅の達人が見たスピリチュアルな風景とは

感想・レビュー・書評

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  • 沢木さんのような仕事をしてみたいです。


  • もう一度旅行鞄を手にしよう!

  •  再読。約20年前のベトナム。ホーチミンとそこから一号線を北上しながら訪れる幾つかのベトナムの街。
     この本のベトナムはまるでモノクロ映画の中にあるように描かれているように感じるのは、20年前の本だと知っているからか? それとも、深夜特急の旅と同じように行動する沢木をそこに見て、やはり古さを感じてしまうからか? でも、変わらないそのスタイルがいい。

     一方で、古都フエで関西のおばちゃんたちのツアーと出会う。その直前に、欧米の年配のバックパッカーたちとバスに乗り合わせた。彼らは、「格安のバスに乗り、安いホテルに泊まり、眉間に皺を寄せるような旅をしていた」「まるで経済的な旅をするだけが目的のような苦しい旅をしている」。沢木はおばちゃんたちのツアーを「いいなあ」と思い始める。そして、《若いうちは若者らしく、年をとったら年寄りらしくせよ》という古いペルシャの書「カーブース・ナーメ」を引く。
     そうかもしれない。

  • 感想というか、引用をひとつ。

    『旅をしていると大事なことがわかってくる。寒いときには温かいお茶が一杯飲めればいい。おなかがすいているときはおむすびひとつ、フォーの一杯が食べられればいい。生きることに必要なものはほんのわずかなのだということがわかってくる。旅から帰ると誰もがすぐにそのことを忘れてしまう。だが、それはそれでいいのだ。旅先で覚えたその痛切な思いは、決して消え去ることはない。私たちの体のどこかに眠っていて、必要な時に呼び覚まされることになるはずなのだ。』

    いい言葉だ。

  • 彼のベトナム紀を読んで、フォーを食べたくなり、ベトナム旅行を決めた私はいわゆる「オッチョコチョイ」なのだろう。

  • 嫁さんが図書館で借りてきてくれた「沢木耕太郎」の紀行短篇集『一号線を北上せよ』を読みました。

    『あなたがいる場所』に続き「沢木耕太郎」作品です。

    -----story-------------
    一号線はどこにある?

    「北上」すべき「一号線」はどこにもある。
    私にもあれば、そう、あなたにもある。

    思わず旅に出たくなる、著者初の紀行短篇集。
    青春の記憶に浸る旅、作家の存在に導かれる旅、プロスポーツ観戦の旅、観光客のバスツアー『深夜特急』の旅から20年、旅の達人が見たスピリチュアルな風景とは。
    -----------------------

    「沢木耕太郎」の真骨頂の旅行記… 以下の八篇が収録されています。

     ■一号線はどこにある?
     ■メコンの光
     ■キャパのパリ、あるいは長い一日
     ■象が飛んだ?アトランティック・シティからの手紙
     ■鬼火
     ■ヴェトナム縦断
     ■落花と逸脱?アルプスだより
     ■記憶の樽

    読んでいると「沢木耕太郎」って、本当にアジアが好きなんだなぁ… って思います。


    『深夜特急』でも感じたのですが、アジアを旅しているときの記録は、活き活きとした筆致で、とても魅力的に描かれているんですよね。


    本作品もヴェトナムを訪問した際の『一号線はどこにある?』、『メコンの光』、『ヴェトナム縦断』がとても印象的でした。

    メコン・デルタツアーやヴェトナムを南北に縦断するバスの旅… 行ってみたくなりましたね。

    そして「沢木耕太郎」がヴェトナム旅行中に読んでいた「林芙美子」の『浮雲』… 映画は観たことあるんですが、原作も読んでみたくなりました。



    あと、大好きな写真家「ロバート・キャパ」の足跡を追う旅の『キャパのパリ、あるいは長い一日』や、今度、読みたいと思っている『檀』に描かれている「檀一雄」の足跡を追う旅の『鬼火』は興味深く読めました。


    旅って、いいなぁ… 出かけたくなりましたね。

  • AMP 2021/1/5
    p.2003/4/12

  • 沢木耕太郎を取り憑かれたように読んでいる。この本、発売直後に買っていたので17年ぶりの再読となる。カッサンドールが表紙なのも深夜特急譲り。やはり沢木耕太郎の紀行文は格別だ。改めて強く旅に出たくなった。

  • 2016/5/17
    色々書けるのか、ムラがあるのか。

  • 旅の高揚感~停滞~夜明け
    を見事に読ませる深夜特急も好きだけど、テーマのある旅を生き生きと綴ったこっちの本も好き。
    大人になるにつれ、こういう旅がしたくなる。

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著者プロフィール

1947年東京生まれ。横浜国立大学卒業。73年『若き実力者たち』で、ルポライターとしてデビュー。79年『テロルの決算』で「大宅壮一ノンフィクション賞」、82年『一瞬の夏』で「新田次郎文学賞」、85年『バーボン・ストリート』で「講談社エッセイ賞」を受賞する。86年から刊行する『深夜特急』3部作では、93年に「JTB紀行文学賞」を受賞する。2000年、初の書き下ろし長編小説『血の味』を刊行し、06年『凍』で「講談社ノンフィクション賞」、14年『キャパの十字架』で「司馬遼太郎賞」、23年『天路の旅人』で「読売文学賞」を受賞する。

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