豆腐小僧双六道中ふりだし

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1324
感想 : 160
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  • Amazon.co.jp ・本 (676ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062122146

作品紹介・あらすじ

私は誰、此処は何処。小僧は彷徨う。小僧は進む。これぞ妖怪。

感想・レビュー・書評

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  • これぞ妖怪。私は誰、此処は何処。小僧は彷徨(さまよ)う。小僧は進む。
    妖怪豆腐小僧がアイデンティティーを捜す!? 「なぜ、手前は豆腐を持っているんでしょうか?」自己の存在理由、存在意義にうすーく不安を抱く小さな妖怪が数々の異種妖怪に出会い、「世間」を知る立志篇!
    (2003年)

  • 「お化け妖怪をあのように否定し続けて行っても、その先に待っているのは云いようのない、表しようのない不安だけだと云うことが解っておらん。先程も申した通り、不安や恐怖と云う感情はどうやったって消せないのだからな。それを仮託する対象だけを消去して行けば、行き処がなくなるのは当然のことだ。怖がるモノが何もなくても、それでも怖いそれでも畏ろしいとなれば、正常な人格も健全な社会も、保つのが難しくなろう。隙間を埋めるようにして妙な宗教やら危険な思想やらが衍り出したら、手のつけられぬことになる」

    映画を見てからこちらを読んだらほぼ別物だったのだけど、映画で良いなと思った根底は共通していて納得。
    妖怪とは何なのか、哲学・民俗学・社会学などを背に置いて、一冊ずっと京極先生の独演会で、それが楽しいの何の。
    舞台は江戸時代なのだけど、現代社会まで語られていて面白かった。
    その流れでこう来るかというクライマックスがいいんだー!
    続編も読みたい。

  • 装画/石黒亜矢子
    装幀/坂野公一(welle design)

  • 妖怪って概念なのね。
    けど生物的なものであってほしい気持ちも半分。。

  • 装丁がいい!
    ほぼ真四角で分厚く、カバーを外せばまさに豆腐。豆腐小僧ごっこもできるw
    開くと昔の書物のよう、口絵も絵巻草紙のようですてき。
    長いメタ視点の狂言回しがちょっとだるくなる時もあったけど、さすがに終盤は圧巻の展開。
    妖怪とは、人間が不安や恐怖に名前を付け、切り離したもの。
    妖怪の存在をなくしてしまった現代は、不安の行き場がなくなってゆがんでしまっているのかも。

  • 図書館で読んだんだけど、よく覚えていない。
    意外とおもしろかった気はしてる。

  • 妖怪発生のメカニズムを、豆腐小僧と一緒に楽しく学んでいけます。たくさんいる、かくれている、いたずらをする。そんな妖怪たちがいるから、この世は奥行きがあり豊かで、人間の持つ精神や知性に対して、ゆとりを与えてくれている。フルフルと揺れ動くもみじ豆腐をおとさないように必死で盆をもち続ける豆腐小僧、かわいくて和みました。

  • いるけどいない、由緒正しい?がとにかくお馬鹿な豆腐小僧が旅に出るまで(というか旅の途中)。さまざまな来歴を持つ妖怪たちが出てきて、京極さんの妖怪への愛とスタンスがよくわかる。様々な現象を「妖怪」やらなんやらで説明することは現代ではほとんどないけど、こんなやつらがその辺をチョロチョロしており、たまに袖を引いたりしていると思うと、少し愉快な気分になる。

  • 豆腐っぽい外見の本。落語のように豆腐小僧が妖怪とからんでいく。
    妖怪絵巻解説のような。
    C0093

  • 京極作品の中でも読みやすくて面白い本。
    愛嬌たっぷりの豆腐小僧が可愛い一冊。

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著者プロフィール

1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家。94年、『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞、11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞、22年『遠巷説百物語』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『死ねばいいのに』『数えずの井戸』『オジいサン』『ヒトごろし』『書楼弔堂 破暁』『遠野物語Remix』『虚実妖怪百物語 序/破/急』 ほか多数。

「2023年 『遠巷説百物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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