ロウアーミドルの衝撃

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062129930

感想・レビュー・書評

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  • 一億総中流社会などという言葉に騙されてはだめ。確実に低い方へおとされている。既得権に守られた奴らかの搾取を許してはならない

  • 年収300万円超600万円以下のロウアーミドルの
    構成比が年々高まる日本において、
    今後日本をどうしていくべきか?を大前氏が論じている。

    大前氏の本の分かり易さは本書でも健在で、実に理解しやすい。


    現在日本の不振の理由を様々な切り口から述べているが、
    繙いていくと、全て政府による政策とのアンマッチに行き着く。

    本書の骨子は、提供者の論理を捨て、生活者の立場で考える政治改革。
    ・税制改革では資産課税と付加価値税の二本立て。
    ・道州制導入による権限委譲と小さな政府の実現。
    ・教育、土地、農業等あらゆる分野での規制緩和

    資産価値をどう、いつ計算するかという実務面の課題が残るが、
    諸外国の成功事例も引き合いに、どれも納得感の高い政策提言が多い。

    みんなの党の政策とかなり似通っているのは、
    大前氏がアドバイザリーでいるのか?
    たまたまであるのか?は気になるところ。

    いずれにしても、日本がこのままではいけないという危機感を
    持つには十分の内容であり、本書でも触れられているが、
    国民一人一人の意識改革も同時並行していくべき。

  • グラフなど資料が豊富。
    文脈も分かりやすく主張が一貫しているので、非常に理解しやすい。
    2006年発行の書籍ですが、当時以上に危機感は高まっているのではないでしょうか?
    リーマンショックに始まる金融危機から財政危機に移行した現在の世界。
    当時から大きく動いた世界ですが、日本の未来に少しでも役立てる人間になりたいと思います。
    嵐に備えて己を磨こうと思います。

  • 日本人の約8割はロウワーミドル(年収400万円以下)。日本の平均世帯年収は450万円。そんな日本人達が支える日本の社会をどう活性化していくのか。とても為になる本です。

  • 新しいものが生まれてきたら、古い物は自然淘汰されるなどして物事は楽に進む。古いものを壊していただけでは、新しいものは生まれない。

  • 何年も前から何冊も本を書いているらしいですが、この本はおすすめです。

    なんといっても、「わかりやすい」

    それであっても、この方の分析力、思考力は群を抜いた水準で確立していますね。自分なりのスタンスをもたなくては。。

  • 大前研一による日本国家改造論。
    マネー供給を増やしても契機は回復しない。過去の経済理論では今後は通用しない。理由としては、
    ①物資を必要としない老人層の増加
    ②在庫を必要としてないジャスト・イン・タイム生産方式への転換
    ③将来を不安視する真理
    デフレをボーダレス化による物価の適正化だ。インフレターゲットなどしても無理だ。
    アメリカに遅れて30年。今後、年功序列賃金が崩れ、M字社会への構造変換がある。今のアメリカは元気を取り戻している。しかし日本は高齢化があるから、問題だ。
    今は低価格で高級センスのある営業が行われている。
    今後の中間流通コストを下げ、低価格、高品質商品が増えてくる。これはデフレではない。インフレターゲットは古い。
    お金翔必要在るのか考えよ。たとえば、家、車、教育など。
    教育はお金をかけるようりも、親が子に社会の大変さや人生哲学をしっかり伝えることが重要。
    単位農地あたりの農民人口、投資額は日本が世界の中でトップ。
    規制がコストを上げている。公務員は多すぎる。1/10になる。
    政治の任務は食費等、各分野で割高になっているコストを削減すること。そのコストは規制や補助金などだ。
    郵政公社は政府系金融機関と一緒にせよ。貸し手と借り手を会わせた方が良い。
    IT化によるスリム化を徹底し、外注も徹底せよ。
    インターネットを利用した遠隔教育により教師を削減できる。
    これからの税制は資産への課税+付加価値税だ。
    地方政府を樹立し、基本的な行政はすべてをゆだねよ。
    移民を受け入れるしか、今後の日本を救う手立てはない。
    北欧型人材育成を。論理重視、語学重視。

  • 読み終わった日:2009.04.30

    きっかけ:大前研一の本を読んでみたいと思っていた所、
       本屋で目にする→図書館で借りた。

    おもしろかった。
    色々な改善案が書いてあり、私はとっても納得できるところも。
    ただし極論というか、合理的に考えすぎるところもあり、日本人では受け入れられない人も多そう。
    でも改めて、日本の政治が、一般市民の身に立って考えられているというよりも、
    施政者優先で考えられていると実感。政治不信がつのる。

  • (2009年04月08日〜2009年04月18日読了)
    ・現象ではなく原因を直すべき時に来ている。
    ・参考文献「新・国富論」「平成維新」「新・大前研一レポート」
    ・お金が流通していない(P29)
     ?物をあまり必要としていない高齢者の増加
     ?在庫を必要としないジャストインタイムの生産方式への転換
     ?将来の不安から物より金を握っておこうとする消費者心理
    ・不景気だから金利を下げるのは古い経済学(P33)
    ・「なんちゃって自由が丘」・・・価格は安いがセンスは自由が丘→ローワーミドルをターゲットにしている。
     「ニューラグジュアリ」・・・価格もセンスもアッパーミドル→少し無理してもこれだけは欲しい。
    ・悩みに不安を抱えている比率が高くなってきている。
     ?老後の生活設計、?自分の健康、?家族の健康、?今後の収入や資産
    ・ゆとりが無い人が増えている。
     ?住宅、?生命保険、?食費、?教育、?光熱費、?車
      →家、車、教育の見直しで生涯で5000万円以上のコストダウンが可能。
    ・霜降り肉はオーストラリアでは健康に問題があるとして販売ができない。
    ・偏見をなくせば生活の質は遥かに向上する。
    ・アメリカの消費者は価格と品質で物を選ぶ。偏見がない。
    ・日本は老後に備える為に、年金、貯蓄、保険という三重の投資をしてライフスタイルが貧しくなっている。(P120)
     スウェーデンでは老後は国が面倒をみるのでほとんど貯蓄をしない。
    ・日本は中央集権型の政策を取っているが、これを改善する事によりコストを1/10にする事も可能。
    ・日本を世界のトップレベルに維持していく為に必要な人材は世界のどこに出しても活躍できる北欧型人材(P269)
    ・次世代首相にやってもらいたい事
     ?統治機構の抜本的変更(道州制の導入)
     ?簡素化した税制の採用(道州付加価値税、コミュニティ資産税)
     ?世界のどこに出しても活躍できる人材の育成
     ?生活者の立場で考える行政府の設置(詳細は「平成維新」)

    日本の年収グラフで、ローワーミドル(300〜700万)の比率が高くなっている。アッパーミドル(800〜1000万)以上は10%足らずしかいない。
    その割には日本人の無駄なお金の掛け方が非常に目立つと考えさせられました。特に家、車、教育の掛ける費用を見直す事により、生涯にかかる費用を
    大幅に削減できる事を確認し、自分の生活、お金に対する考え方が間違っていなかった事を再確認する事が出来ました。
    他人と同じような事をしようとせず、自分にとって本当に必要な物に重点をおいて生活、お金を掛ける事によって、今以上にゆとりを持ち、
    充実した生活が送れるようになると感じました。
    また、それにより必要以上に老後の生活資金を貯め過ぎる事なく、今の生活にもっとお金を掛けられる可能性が出てきます。
    自分が死ぬまでに資産を使い切るという考え方に則ると、それほど多くの蓄えは必要ないのではと思わされました。
    老後の蓄えに、年金、貯蓄、保険の三重の投資をしていると言う事でしたが、実際には今後年金はあてにならないので、極端な言い方になるかの知れませんが
    貯蓄・保険だけで考える事も必要になってくるのではないでしょうか。

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著者プロフィール

1943年、福岡県生まれ。早稲田大学理工学部卒業後、東京工業大学大学院原子核工学科で修士号を、マサチューセッツ工科大学大学院原子力工学科で博士号を取得。(株)日立製作所原子力開発部技師を経て、1972年、マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク入社。 以来ディレクター、日本支社長、アジア太平洋地区会長を務める。現在はビジネス・ブレークスルー大学学長を務めるとともに、世界の大企業やアジア・太平洋における国家レベルのアドバイザーとして活躍のかたわら、グローバルな視点と大胆な発想で、活発な提言を行っている。

「2018年 『勝ち組企業の「ビジネスモデル」大全 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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