- Amazon.co.jp ・本 (422ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062137010
感想・レビュー・書評
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9/28
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獣と人間の違いは一体なんなのか?自己の利の為に他者を利用するかしないのか?そういう思考をする生き物であるのかどうか?
それとももっと単純な何か、なのか。
ただ、相手のことを知りたいと純粋に思ったことが、開けてはならない扉を開けてしまったと思うエリン。だけれども、それを罪と言い、人を縛るのは音なし笛で獣の自由を奪い飼いならすことと同じことだと、母の民との決別を言うエリン。
正しいこととは何か?
でも、正しいこと。と思うのは人間の勝手てあって、人間の正は獣の正ではない。
この先、何を選び、世界はどう動くのか?
ここまでで、ひと段落の終わり。
奏者の技の秘密(?)は後の巻に譲り。
とにかく、最後の1ページでたまらなくなった。生き物が愛おしい。 -
王獣リランを制御し、闘蛇軍を残滅したエリン。王獣を武器として利用したくはなかった。
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獣と人間にはどうしても越えられない壁がある。
身を持ってエリンはそれを知ることになるが、ラストの心が通うような瞬間にはうるっときた。
1巻で分からなかった王家と王獣、闘蛇との繋がりや謎も解明される。
久々に、夢中になれるシリーズに出会えた。 -
やっぱり上橋さんの描くファンタジーは上質だと思う。
本作も非常に面白かったです。
過去の過ち、現在の過ち、そして未来にも過ちを犯すのか・・・
それを必死で食い止めようとするエリンが素敵でした。
あっという間に読みきれるんだけど、内容は濃いです。 -
傷ついた王獣の子供・リランを助けたい想いで、エリンはとうとう竪琴を奏でることで意思を通じる術を見つけ出してしまう。
そして「野に生きる王獣と同じように生きて欲しい」という願いから、特滋水も音無し笛も使わずに育てることを選び、教導師長のエサルもそれを特例として了承する。
だがしかし、それは王祖が記したとされる「王獣規範」に背くことであり、その内に秘められた過去に近づくことでもあった。
エリンとリランはいつしか、リョザ国の未来と、それを巡る人々の思惑に巻き込まれていく。
前半の親友・ユーヤンとのじゃれ合いや、トムラ先輩の報われなさに心和みつつ、教導師長・エサルの心細やかさや優しい厳しさに心打たれつつ…後半に進むにつれて重く運命に飲み込まれるエリンに心痛くなって読み進みました。
闘蛇編ではあまり書かれなかった国の内情が、王獣編ではどんどん出てきて、堅き盾のイアルの出番もたくさんあって…かっこいいなイアル…!あんなに深刻な状況なのに心穏やかに親密になっていくイアルとエリンが清涼剤でした。文章は淡々として物語りは進むのに、なんだかとても甘酸っぱい…v
予王ハルミヤの心情も、つらく重いものですが…この辺りは読者が自身で読み解いていけ、ということでしょうか?セイミヤについても。彼女のダミヤへの想いというのは、結局どちらに傾いていたのでしょうね…
一応、闘蛇編と王獣編で、王国の秘密・霧の民の戒律については語られた…はずなんですが。なぜかその辺がもやもやっとします…何故だろう。
ⅢとⅣを読んだらその辺りもすっきりしていくのでしょうか。…気になります…。 -
その壁は消えることはない。
でも、時にそれは高く低く、薄くも厚くもなる。
だから、また一歩踏み出そうと思うんだ。 -
深い溝を挟んで、お互いの心を探っていたエリンと王獣のリランが
一番最後に溝を飛び越えて1本の弦となり、曲となった
ラストシーンが印象的。
本来はここで完結のはずが、この後に2冊と番外編が1冊ある。
ここでの完結は確かに、その後の物語はどうなるのだろうか?と
未消化の部分が残ってしまう。でも読者にも想像する余地を
残した、この巻での終わり方も、素敵なのではないかと思った。 -
泣きました…
第二巻でエリンの17歳から21歳くらいが書かれています。
王獣と意思疎通ができるようになるエリンは国家的企みに巻き込まれていきます。におわせていた通りの展開ですが、読ませる読ませる!冒頭を読みはじめてすぐに世界にひきこまれました。
大人もグイグイ読めるファンタジー…
壮絶なる闘蛇VS王獣シーンあり
エリンの恋の芽吹きあり
国祖の真実の姿が語られたり、何故厳しく王獣規範が決められているかなど、第一巻で謎を残していたことが明らかになっています。
はーエリンのように賢く真っすぐに生きたいなあ。