ふじこさん

著者 :
  • 講談社
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感想 : 47
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  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062139496

感想・レビュー・書評

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  • どれもよくできているし、三つ目の作品と比べると最初の作品の方がキャリアをつんだ分よくかけていることもわかるが、三作とも同じテーマが違う設定で描かれているだけの気がする。家族と女というか少女というか。の間というか。果てしなくつづくわかりやすい不幸ではない生活の中で感じる閉塞感。から脱してちょっと感じる光。悪くはないが、なんだかなと思う。

  • 「ふじこさん」
    「夕暮れカメラ」
    「春の手品師」
    の3編。

    初めて呼んだ大島作品。
    こういう語り口調の作品は、私にしては珍しいというか、あまり読んだことが泣く、けれど引き込まれるようにして読んだ。
    「ふじこさん」が一番面白かったかな。
    どの話も少女の移りゆく心模様が途切れることなく綴られていて、最後まで読んでも何が解決したわけでもないのだけれど、読み終えてホッとするような懐かしいような感覚があった。

  • この筆者は2作目。同世代のせいか、うなずきながら読める。3作からなるが、1作目の「ふじこさん」が一番よかった。子ども時代って、いかに、家族以外のオトナと交ぜあえるか、が大事。そういう他人に心を開くことができる、っていいよなあ。離婚騒動中の父親の相手、という設定は無理があるけど、でも、すんなり読める。また、この人の本、読んでみようっと。

  • 3作が入った本。
    表題にもなっている「ふじこさん」がとってもいい話だった。
    ふじこさんみたいなキャラ素敵だなーって思った。

    ☆気になったぶぶん。


    「夕暮れのカメラ」
    おばあちゃんがきっかけで家が火事になりそうだった時の藤岡くんの話。
    (→メモ)

    表面はおだやかにしていて、中に潜む本音みたいなものを隠すよりさらけ出した方が生き生きしてる。
    ただそれだけのことが、なんだか少しいい感じにひっかかった。

    「春の手品師」

    闘わず逃げ出しもせず生きていくのは難しいことだからね。

  • ふじこさんにしても、『夕暮れカメラ』のおばあさんにしても、主人公たちにしても。
    完全に共感するわけではないけれど、すうっと気持ちが寄り添ってしまうところがあります。
    何冊か読みましたが、この作者が作る空気、好きです。

  • 先週、先々週と忙しかった~~
    沖縄本島、北から中部、南部、那覇新都心と行ったりきたり。
    合い間に畑仕事はこなさんといかんし、ヘロヘロだったよ。
    よく頑張った、ほんと。
    で。息抜きに寄った古本屋さん、在庫処分てことで全本50円ナリ!
    帯もついている新品に近い状態のよい単行本を「積読用」に購入

    「ふじこさん」は、なんと、著者のサイン入りでした!

  • この作家さん、知らなかったのだけどなんとなく2冊読破。
    ふじこさん・・・こういう人いないよね苦笑。
    これまたどこかで読んだことあるようなお話。

  • 離婚寸前の父と母にはさまれなにも楽しいことのない毎日を送るリサの前に現れたふじこさんは、乱暴できれいで、あっけらかんとしていて、これまでに見たことのない、へんな大人だった。幻のデビュー作「春の手品師」を含む、著者会心の短編集。

    どれも主人公は、人生に疲れた中学生の女の子。その中でも「ふじこさん」がいちばんおもしろかったかな。

  • 色褪せて見えてたものが、
    突然きらきら輝いて見えちゃうような、
    そういう、ほんとは毎日にあふれてるはずの
    ニュータイプな出会いの一瞬を切り取ってある、3篇。

    退屈で絶望的な日常も、
    視点が変わっちゃえば案外簡単にハッピーに見えてくる。
    この人の見てる世界、あたし好きだなー。

  • 表題作の「ふじこさん」は、面白かった。
    他2作との総合で★3つ。

    離婚に向けて別居中の両親の間で揺れる少女の話し。
    揺れると云っても、本当のところもっとたんたんとしていて、あまり揺れてない。
    「案外、最近の子供ってこんなもんなのかな・・・。」って印象。

    お父さんの家に出入りする若くてはつらつとしたふじこさん。
    お父さんの「娘にはバレてない。」と信じて疑わない滑稽さ。
    お父さんの悪口を孫に吹き込むおばあちゃんの浅はかさ。

    一見、深刻そな状況をさらりと描いている点で好感がもてる。
    大人のエゴの中において、飄々と成長して行く娘が一番大人だったのかも。
    現実世界も案外それに近いのかな。

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著者プロフィール

1962年名古屋市生まれ。92年「春の手品師」で文学界新人賞を受賞し同年『宙の家』で単行本デビュー。『三人姉妹』は2009年上半期本の雑誌ベスト2、2011年10月より『ビターシュガー』がNHKにて連続ドラマ化、2012年『ピエタ』で本屋大賞第3位。主な著作に『水の繭』『チョコリエッタ』『やがて目覚めない朝が来る』『戦友の恋』『空に牡丹』『ツタよ、ツタ』など。2019年『妹背山婦女庭 魂結び』で直木賞を受賞。

「2021年 『モモコとうさぎ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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