黄金と生命 ― 時間と練金の人類史

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (494ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062139724

作品紹介・あらすじ

ヒトは永遠の光を探求する旅に出た
人類史を読み解く壮大なオデッセイ

農耕、神話、宗教、哲学、科学、国家、貨幣……
限りある命を乗り越えるための技と知=錬金術の軌跡を追い、1万年以上、魂を突き動かした光源=「万物の王」の正体に迫る。

私たちの心のなかでは、「近代」はもちろん、「中世」も「古代」も「先史時代」も、さらには、象徴的思考の生まれた「後期旧石器時代」すら生きつづけ、今でも力を発揮しているのだ。あたかも、ゲーテの「万物の範型(シェーマ=イデア)を生み出す世界」、時空を超越して存在する「戦慄すべき世界」のように。――<「エピローグ」より抜粋>

感想・レビュー・書評

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  • 意欲作。黄金は古代人の心象の中でどのような働きをしていたか、そして時代が下るにつれ、そのイメージはどのように姿を変え、現代の社会をも動かしているか。
    著者の言うとおり、歴史的事実というよりは人間の想像力の働きを探る試みであるようなので、資料の少ない古代の章のほうが、かえって丹念に納得しやすく説明されているように思った。後の方になると、資料が多くなる分、やや消化不良… (作者の考察がというより、こちらの理解力が、かも)。
    ところで、この方の文章ってこんなだったかな。読点の打ち方や「…だったのだ!」とかいうような語尾がひっかかった。

  • 「錬金術」とは、中世の魔術や科学の形を変えたものという概念だけではなく、実は、有史以前の古代人たちの好奇心や驚き、悲しみを源として、脈々と息づいてきたのだという。
    近世では、ゲーテの「ファウスト」に錬金術の発展形を見ることになる、と著者は言う。というか、ビンスヴァンガーの論考をほぼそのままなぞっていて、しかも、近世はほぼゲーテ一色だ。これでいいのだろうか。

    「ファウスト」が錬金術の物語だということに異論はないけれども、さらに突っ込んでは、要するにこれは貨幣経済の話だと解釈することに、どの程度妥当性があるのか、「ほんまかいな?」と正直かなり戸惑いました。
    とはいえ、神話から歴史、そして化学、経済学までも網羅し、黄金や生命を創り出す錬金術の壮大な歴史を体験できたことに感謝です。

  • 2018/11/2購入

  • 資料番号:010980126
    請求記号:209ツ

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著者プロフィール

多摩美術大学教授・同芸術人類学研究所所長。専門はケルト芸術文化とユーロ=アジア装飾デザイン史研究。早稲田大学大学院修了。アイルランド・ダブリン大学留学。処女作『ケルト/装飾的思考』でケルト文化・芸術理解の火付け役に。著書に『装飾する魂』『ジョイスとケルト世界』『図説 ケルトの歴史』『京都異国遺産』『阿修羅のジュエリー』『すぐわかるヨーロッパの装飾文様』など多数。映画『地球交響曲第一番』でアイルランドの歌姫エンヤと共演。火曜日生まれ。

「2019年 『鶴岡真弓対談集 ケルトの魂』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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