モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか

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  • Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062144490

作品紹介・あらすじ

時代遅れの成果主義型ver.2.0は創造性を破壊する。21世紀版『人を動かす』モチベーション3.0はワクワクする自発的な動機づけ。

感想・レビュー・書評

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  • 何のために勉強してるの?と聞かれて、いい学校に入るため、と答える人多いと思います。
    何のために仕事してるの?と聞かれて、お金のため、生活のためと答える人多いと思います。
    モチベーションが上がらないと感じることありませんか?そんな人に、この本おすすめします。
    ###
    自分のやりたいようにできて、やっていることに成長の実感が感じられて、それが自分の価値観に合ってれば、そりゃあアゲアゲです(^^)

  • やる気を起こさせる最良の方法は金銭をはじめとする報酬であると、思うかもしれません。しかし、作者のダニエルピンク氏によると、それは大きな間違いであり、圧倒的で満足感の高い仕事をする秘訣は、例えば新しいことを学んだり、創造的な作業をしたり、自分自身や世界にとってより良いことを行ったり、といった活動にあると主張します。

    さて、本書が提言するモチベーション3.0を一言でいうと、「内発的動機付け」です。内発的動機付けに関しは、マズローの欲求誤断解説や、ハーズバーグの2要因理論をご存知の方も多いと思うので詳細は割愛します。動機づけの例として例えば、一般的に行われている、お金を払って何かをさせたりする場合、この内発的なモチベーションを失ってしまう可能性があるということです。例えば、子供にお金を払って宿題や家事をさせる、あるいは、やらないからといって罰を与えると言ったことです。本書は、このような40年にわたるモチベーションの科学的研究を元に、真のモチベーションの源泉である3つの要素、すなわち、自律性、マスタリー、目的を検証し、これらを行動に移すためのテクニックを提供するという内容となっています。

    では、モチベーション3.0は実際にどのように顕現するのでしょう?本書では具体的に、「オンライン百科事典の開発」を例に挙げています。1995年、マイクロソフトはエンカルタというデジタルの百科事典を開発するため辞書の専門家や言語学者に大金を支払って協力を仰ぎ、CD-ROMのソフトウェア製品として有料販売を行いました。しかしその約10年後、とある競合が現れます。マイクロソフトはこの競合に対して敗北を認めざる負えない事態に直面することになりました。いったいどんな凄い競合なのでしょう?その競合とは、私たちの多くが一度は利用したこともあるウィキペディアWikipediaです。ご存知の通り、wikipediaの利用には対価は必要ありません。それだけでなく、Wikipediaの開発は、世界中の非常に多くの人の無償の協力によって支えられているのです。つまり、マイクロソフトはこの無料で提供されている百科事典に打ち負かされたということです。ウィキペディアように、金銭に拠らずとも人々の生活や生産性の向上に素晴らしい貢献をなしたという事例は枚挙にいとまがありません。

    また、モチベーション3.0の考え方は、企業のマネジメントとも無縁ではないのだそうです。前時代の企業活動において、マネージャーは部下・メンバーが自発的に仕事に取り組むことはありえないという前提で人のマネジメントを行っていました。しかしモチベーション3.0にある自律性、マスタリー、目的は、金銭などの報酬に拠らずとも、働く人の高いアウトプットを可能にするという点で理にかなっています。何を同期として働くべきなのか?という選択肢を人が与えられれば、働く人は皆、創造的で柔軟性なやり方を模索し、長期的な目標を見据えて、仲間とも今まで以上に協力して動くことができるのだと作者は主張します。

    その根拠として、筆者は私たちの幼少期の体験を例に挙げていて、私自身もこの部分を読んで、確かにワクワクしながら新しいことを学んだりすることに心をときめかせていたことを思い出してその通りだと納得するものがありました。本書はさらに、モチベーション3.0を浸透させるためのアプローチについても言及しています。例えば学校の授業であれば、教えていることが世界とどのように結びつき、生徒の将来にどのように活用できるのか?といったように、生徒に選択肢を与え、活用するためのツールを提供し、教師はメンターとしての役割を果たしていくことが重要である、といったことが提唱されていました。

    この本は主にビジネスに携わる人を対象としています。そのほかに、たとえば私は仕事で企業の社員教育に携わっているのですが、教育のコミュニティに関係する人にも大いに参考になる内容でした。

  • 報酬では人は動かない。部下や子どもの教育など関わる方にはおすすめです。

  • 旧来の管理、飴と鞭では知的労働者達は充分に能力も発揮できないし、充足感を得られる事ができない。
    だからこそこれからは時代に即した別の報酬、制度、仕組みが必要なのだと体型的にまとめられた書籍。

    事例の中には現代の日本ベンチャーでも既に導入されている仕組みや考えが多いけど、こういうロジックがあったのかと勉強になった!!

  • 人間のモチベーションの本質の一側面に触れられる本だと感じた。「外的な報酬として金銭が用いられる場合、人間はその活動自体に本心からの興味を失う」という記述が衝撃だった。内発的動機付けと、外発的動機付けの根本的な違いがわかる本。

    印象に残ったところメモ。
    - 結果を求めるのでなく、そのプロセスを正しく踏むことが大切。
    - 外的な報酬として金銭が用いられる場合、人間はその活動自体に本心からの興味を失う。
    - 人間には新しいことややりがいを求める傾向、自分の能力を広げ、発揮し、探究し、学ぶという傾向が本来備わっている。
    - 交換条件付きの報酬は自律性を失わせる。
    - 報酬は思考の幅を狭める。
    - 目前の課題が型通りの手順でできるならば、外発的動機付けの手法は有効。
    - 人は生来、有能感、自律性、関係性という3つの心理的欲求が備わっている。自律性を発揮し、自己決定し、お互いに繋がりたい。
    自らの意思で行動を決める。意義あることの熟達を目指して打ち込む。さらなる高みへの追求を、大きな目的へと結びつける。
    - タイプIの特徴は後天的に身に付けられる。長期的にはタイプXをしのぐ成果を上げる。
    - 高い目標を成し遂げるには、才能と同じくらい根気と根性が必要になる。
    - マスタリーは漸近線、どうしても得られないからこそ達人にとっては魅力的。
    - フローのない生活を送っていると体調が悪くなる。フローは魂にとっての酸素。
    - 豊かさを求めて外発的目標を高く掲げる人はその豊かさを手に入れる可能性が高い。それでも彼らはやはり幸せでない。
    - 人生で最も豊かな体験は、他人からの承認を声高に求めている時ではない。自分の内なる声に耳を傾けて、意義あることに取り組んでいるとき、それに没頭しているとき、大きな目的のためにその活動に従事しているとき。
    これは嫌われる勇気と同じ結論。本質は承認欲求にあるのではなく、内発的に生まれてくる。目的を達成するために行動し、貢献感を感じられるかが大切。

  • wikipediaがたまたまなんじゃないん…と思いながら読んでたけど、自分に当て嵌めても世間に当て嵌めても、「お金とか顕示欲じゃない所で膨大に時間を使う」ってあるよね。自分に辿れる訳でも無いのに「才能の無駄遣い」をガンガン世に出してる人とか。
    自分で考えても、学位取るための勉強なんて配布されてるpdf見るだけとかおざなりなのに、頼まれてる訳でもない読書はバリバリメモしたりまとめたりとか。

    2.0寄りの考え方の「自分が働いてる時間を時給計算して」とか言われてたりするけど、理解が間違ってない前提で3.0の方は凄く納得した

  • ・報酬は行動に対して奇妙な作用を及ぼす。報酬により内発的動機付けが下がると、成果や創造性や高潔な振る舞いでさえも、まるでドミノ倒しのようになる恐れがある
    ・報酬には本来、焦点を狭める性質が備わっている。解決への道筋がはっきりしている場合には、この性質は役立つ。だが、発想が問われる課題には、まったく向いていない。
    ・目標の存在により、従業員は短期の利益ばかりに短絡的に集中するようになる。その結果組織に与えるかもしれない長期的影響を見過ごしかねない
    ・「条件付き」の報酬が逆効果を招く場合には、「思いがけない」報酬を与えればよい
    ・人には生来、(能力を発揮したいという)有能感、(自分でやりたいという)自律性、(人々と関連を持ちたいという)関係性という三つの心理的要求が備わっている。この要求が満たされているとき、私たちは動機づけられ、生産的になり、幸福を感じる。
    ・複雑な問題の解決には、探求心と、新たな解決策を試そうとする積極的な意思が必要だ。<モチベーション2.0>が従順な態度を求めていたのに対し、<モチベーション3.0>は積極的関与を求める
    ・目標には2種類ある。達成目標と学習目標だ。
    ・努力とは、人生に意味を与えるもろもろの事柄の一つである。努力をするということは、その対象になるものに意味があるとあなたがみなすことである。それが重要だからこそ、人はいとわずに努力するのだ
    ・プロフェッショナルとは、自分が心から愛することをするということだ。たとえどんなに気乗りしない日であっても。
    ・高い成果を上げる秘訣は、人の生理的欲求や、信賞必罰による動機づけではなくて、第三の動機づけ―自らの人生を管理したい、自分の能力を広げて伸ばしたい、目的をもって人生を送りたい、という人間に深く根差した欲求―にあると、科学で証明されている。人生で最も豊かな体験は、自分の内なる声に耳を傾けて、意義のあることに取り組んでいるとき、それに没頭しているとき、大きな目的のためその活動に従事しているときだ
    ・自分の目的について考える時は、まず大きな質問から始めよう、自分を一言で表す文章とは?と。
    ・意図的な訓練とは、遂行能力を上げて、新たな目標を定め、毎回少しでも向上するように全力を注ぐこと
    ・頭がよいとほめるのではなく、努力や取り組み方をほめる。「頭がいい」と褒められる子供は、どんなことに対しても自分が本当に頭がよいのか試す試練と受け止める傾向がある。新たな課題への挑戦を拒み、一番楽な道を選ぶ、対照的に、熱心な努力がマスタリーや成長へつながると理解している子供は、新たな難問に進んで取り組む

  • 1 どんな本?
    内発的動機付けをバージョン3.0として順を追っ
    て説明する本。要素は自律性、熟達、目的。組織で
    上に立つ人が読む本だと思う。

    2 なんで読んだの?
    (1) 自分のやる気を上げたいから。
    (2) やる気を出す、上げる方法を知りたい。
    (3) やる気を出す方法を取り入れた状態

    3 構 成
    3部構成380頁
    モチベーション1.0の説明から始まり、タイプIのお
    役立ち資料で終わる。最後に各章のまとめやお役立
    ち資料があって非常にわかりやすい。

    4 著者の問題提起
    もう社会は外発的動機付けでは対応出来ない。

    5 命題に至った理由
    明らかに割に合わない作業、仕事を進んで高いレ
    ベルでこなす人がたくさんいる謎。

    6 著者の解
    内発的動機付けモチベーション3.0がこれからの
    社会と個人の幸福に必要だ。

    7 重要な語句・文
    (1) 最低限の報酬ありき
    (2) 効果的報酬は逆効果
    (3) やるなら意外な報酬
    (4) 自律性、熟達、目的
    (5) 賞賛は一対一で。(儀式では無い)

    8 TODO
    (1) 自分を1行で表す。

    9 感 想
    あまり欲しい学びではなかった。自分を高める方
    法では無く、部下を持つ人が参考にする様な内容だ
    った。
    刺さったのは褒める時は1対1。人前は良く無い 
    らしい。
    深く知りたい事は自分のやる気の上げ方。どう
    やんの?
    人に勧めるなら報酬は逆効果。自律性が阻害さ
    れる。
    タイトルの「やる気!〜」は他人の事なのでそう
    書いて欲しい。

    10 問 い
    人生とは?

    11 答 え
    金じゃねぇ。

  • 2010年刊行2022年12月読了。自律性のほうが最終的には良い結果をもたらすという指摘に首肯。オススメの識者。ダグラス マクレガー、ピーター・ドラッカー、ジェームス・コリンズ、カーリー・レスラーとジョディ・トンプソン、ゲイリー・ハメルとのこと。ドラッカーの365の金言、経営の未来はこれから読みたい。ホントは原書で読む力を身につけておくべきであった、反省。

  • 1.目的
    2.自立性
    3.熟達
    モチベーション2.0は外から管理される
    モチベーション3.0は内発的

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著者プロフィール

Daniel H. Pink
1964年生まれ。米国ノースウエスタン大学卒業後、イェール大学ロースクールで法学博士号取得。米上院議員の経済政策担当補佐官を務めた後、クリントン政権下でゴア副大統領の首席スピーチライターなどを務める。フリーエージェント宣言後、経済変革やビジネス戦略についての講義を行うかたわら、「ワシントン・ポスト」「ニューヨーク・タイムズ」などに寄稿。著書に、『ハイ・コンセプト』(三笠書房)、『モチベーション3.0』『人を動かす、新たな3原則』(ともに講談社)など。

「2018年 『When 完璧なタイミングを科学する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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