- Amazon.co.jp ・本 (98ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062155854
感想・レビュー・書評
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旭山動物園名誉園長による「いのちの授業」です。
小菅園長の少年時代・青年時代、そして旭山動物園に就職してからのこと。
動物に対する熱心な姿勢や向上心に、こちらの背筋もぴしっと伸びました。
動物園に来た人たちに野生動物のすごさを伝えたい。
その想いが出発点になった旭山動物園の「行動展示」は、動物たちの一番すごいところをお客さんに見せる手段なのです。
だから小菅園長にとって、お客さんが動物を見て「かわいい!」と言うのを聞くのはつらいことだそうです。
野生動物のことが正しく伝わっていたら「かわいい!」という言葉は出てこないから。
野生動物とペットはちがうのです。
また、改めて生態系についても考えさせられました。
バランスが保たれている生態系に、人間が勝手に「よい」とか「悪い」とかの基準を持ち込んだために起こった過ち。
エゾオオカミとエゾシカの例だけでなく、世界中で同様のケースがたくさん起こっています。
決して人間は動物よりエライわけではない。
人間も生態系の一部、だから、バランスのよい生態系は人間にとっても望ましいこと。
そのことを伝えるために何ができるか、ということも旭山動物園の哲学の1つなのです。
園長をはじめとした飼育員の方の志が大きな柱となって、旭山動物園を支えているんですね!
ますます行ってみたくなりました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
子供にも読みやすい本。
特に感じたのは、著者の猛勉強が結果に繋がったのだということ。一つは北大に入る時。もう一つは旭山動物園就職後。
就職直後は分からないことだらけだったそう。それを先輩たちはバカにしてくる。著者は皆寝る間も惜しんで英語で書かれた論文を読んだ。
著者は言う。勉強はどの教科もすべてが必要なのだと。動物園で働くにしても、生物はもちろんのこと、論文を読むための英語、お客さんに見せる分かりやすいPOPを書くための国語と美術、壊されない檻を作るための数学などなど。
実体験に基づく言葉は心に響いた。旭山動物園が経済的苦難を乗り越え、有名な行動展示を行うまでの道のりも興味深く読んだ。 -
2019/1/29読了
「子ども科学電話相談」にて存じておりました。
動物を通じて、勉強のこと、環境のこと、生きること、共存すること、あらゆる「学び」に通づることを本書にてレクチャーされています。
動物園のある意味を多角面で考える。思えば、そういう考えはしたことがなかったな・・・。動物だからこそ学べることは多くある、と著者。
生き物だからこそ、人間という別の生き物の立ち位置を理解する鏡であるのだと思う。
個人的にはカバの話が好きでした。
人に運命を握られていても、やはり生命のパワーは
愛情はどんな動物であっても強いエネルギーを生みだすのだなあと -
動物には、それぞれ意味、特徴があるのねー
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★★★★★
旭山動物園を育て上げた小菅さんの授業・6時間。
動物のお医者さんとして旭山動物園に勤めるキッカケのエピソードとか面白かった^^
「かわいい」動物たちではなく、「恐ろしく」「人など及びもつかない能力を持つ」動物たちに向かいあった日々を。
(まっきー) -
作者のこれまでの半生と動物たちから学んだことが分かりやすく描かれています。「いのち」について再度考えさせられる作品。
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著者である本園長の小菅さんの半生や
本来の動物の生態を
少しだけ学ぶことができました
文章が読みやすいので、ちょっと物足りない感じがしてしまいました