ヘヴン

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 4019
感想 : 785
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062157728

感想・レビュー・書評

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  • 図書館のおすすめゾーンの一冊。
    イジメのものは苦手なのでだいぶ飛ばし読み。
    仲間なはずのコジマでもなく、意外な継母や医師に救われていた。
    百瀬は一歩引いてて、何か行動起こしてみろと言う。助け舟なのかと思いきやイジメる事に罪悪感もない。二ノ宮と同じクズ野郎かよと思ったけど今この感想を書いていて、もしや僕を焚き付けるつもりでああ言ったの??そもそも百瀬はなんで病院にいたの??どなたか教えてくださいT^T

  • クラスで虐めを受けている僕の元に一通の手紙が筆箱に忍んで届けられた。
    私たちは仲間、そう書かれた手紙をきっかけに始まったやり取りはやがてその送り主・コジマとの交流を深めていく。

    読みながら、あ、コジマ無理と思ってしまった。他人の何かを蔑んで石を投げるのも、変に貴んで持ち上げるのも、わたしには同じに見えるんだよなあ。
    仲間という言葉の呪いで主人公を縛って虐められる自分を正当化するのも、徒党を組まないと人を虐めることすらできない虐めっ子たちと同じに感じちゃった。

  • いじめの描写が本当に酷くて、とってもリアルで正直読むのがしんどかったです。
    同じ境遇にあって、分かり合っていて、これからも2人でひっそり楽しいことをしたり、それで幸せを感じたりしていくはずだったのに…
    1つのことがきっかけになって、根本的には2人は違うんだと2人が気付かされていく。悲しくて切なかった。
    いじめられているのは斜視のせいだと思って耐えて耐えて耐えるだけの僕と、いじめられているのは自ら選んでるんだと強気なコジマ。
    2人とも間違ってはいないし、実際何が原因かはわからない。それに、いじめてる側は最悪だけど言い分も間違えではないし、理解できる部分もある。
    感情がごちゃ混ぜになりました。
    最後の公園のシーンは本当に辛くて泣けてきました。
    僕にとってコジマは、本当にたった1人の友達だったのだと思います。
    根本で分かり合えなくても友達でいたかったのだと思う。
    実際にこのような目に遭っている子どもの周りに、病院の先生やお母さんのような、子どもを信じて解決策を提示してくれるような大人がいますように。
    そして、私も子供にとってそんな母親でいたいと思いました。

  • すごく胸が苦しくなるシーンが多かった
    いろんな考え方があるけど、私は逃げていいと思う
    理由も意味もいらない
    無理だと思ったらやめたらいい、逃げたらいい
    百瀬の言うことは正しいとは思う
    人を思う気持ちには欠けているし、絶対に人に対して優しくないけれど、理論的にはあってる
    逃げる、立ち向かう、なんでもいいけど受け入れちゃいけないと思った
    筆者の書きたかったことを受け止めきれている自信は全くないけれど。。。

  • 2023.7.20

  • いじめられている中学生の男の子と、同じくいじめられている同じクラスの女の子が密かに手紙でやりとりし、友達になり、互いを思いやり、自分のヘヴンをさがしていく。
    中学生らしい、不器用さと、偽物の正論の間で悩み、イジメを解決する事もできず、イジメはエスカレートする。
    心が痛くなる描写が多く、最後に始まりの一歩を踏み出した美しい描写を引き立てる…まではいかなかったかな。読んでて辛すぎたから、星2。

  • 岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
    http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00403973

    「苛められ暴力を受け、なぜ僕はそれに従うことしかできないのか」頬を濡らすあてのない涙。14歳の苛めを正面から描き、生の意味を問う、哀しくも美しい物語。(出版社HPより)

  • いじめの描写は読んでいて辛くなってしまうほど無慈悲なものだった。しかしいじめを受ける主人公達の内省的な心理描写により、いじめの悲惨な描写から読者が目を背けることを許さない。

    現実社会でも、小中学校でこれまでも絶え間なく課題となってきたいじめの問題。しかし問題はそのまま現代でも様々な場所でに蔓延る「虐げる者と虐げられる者」「強者と弱者」といった、現代社会が乗り越えるべき課題に通底していると思う。

    本作での主人公達の行動が、何かそう言った課題の解決に直接資するかどうかは分からないが、少なくとも課題の認識を読者に迫っているのではないか。

  • 「まとまらない言葉を生きる」で言及されていて読んでみた。
    苦しい内容。後半が特にキツい。

  • 海外で翻訳されるとのことで朝日新聞に紹介されていた。ヘヴンという言葉が最後ではなくはじめの方に出てきてしまう。いじめについての描写であり、それが翻訳の価値があると思われたのであろう。スウェーデンでもいじめの小説があり、実際の寮の私立学校によく似ていることで政府が調べたら、小説そのままであり、教育改善が行われたことがあった。日本でも同様なことがあるであろうか?

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著者プロフィール

大阪府生まれ。2007年、デビュー小説『わたくし率イン 歯ー、または世界』で第1回早稲田大学坪内逍遥大賞奨励賞受賞。2008年、『乳と卵』で第138回芥川賞を受賞。2009年、詩集『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』で第14回中原中也賞受賞。2010年、『ヘヴン』で平成21年度芸術選奨文部科学大臣新人賞、第20回紫式部文学賞受賞。2013年、詩集『水瓶』で第43回高見順賞受賞。短編集『愛の夢とか』で第49回谷崎潤一郎賞受賞。2016年、『あこがれ』で渡辺淳一文学賞受賞。「マリーの愛の証明」にてGranta Best of Young Japanese Novelists 2016に選出。2019年、長編『夏物語』で第73回毎日出版文化賞受賞。他に『すべて真夜中の恋人たち』や村上春樹との共著『みみずくは黄昏に飛びたつ』など著書多数。その作品は世界40カ国以上で刊行されている。

「2021年 『水瓶』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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