サリンとおはぎ 扉は開くまで叩き続けろ

  • 講談社
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感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062160315

感想・レビュー・書評

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  • 偶然図書館で手にした本で、この著者は全く知らなかった。
    四浪して京大に合格し、カリフォルニア大学バークレーでMBAを取得するという方だか、その間二度の交通事故だけでなく、地下鉄サリン事件にも巻き込まれても生き残り、結婚相手には元オウム真理教者という数奇な運命を辿る。
    そういう人物の人生を記した本書ではあるが、決して悲壮感が漂うものではなく、だからといって人生の素晴らしさだけを謳うものでなく、書き記す文体に自身が生きた誠実さが現れているように思える。
    自殺した友人との約束を原動力として夢へと邁進する姿を見て、日々の生活に追われ、夢が何かすら見失いつつある自身の小ささが身に染みる。
    混迷が続く昨今において、また海外に出て生きて行く方にとっても大いにタメになる本と思われる。

  • ドキュメンタリー映画「AGANAI 地下鉄サリン事件と私」の監督であり主演のさかはらあつしさんの自叙伝です。映画のことを知ってからなんとはなしに手に取った一冊でしたが、かなり心打たれるものがありました。本の帯や説明文ではさかはらさんの人生の華やかな部分が強調されており(京大、電通、MBA、アカデミー賞など)、そこだけ見るとちょっと自己啓発?成り上がり?本のような感じなのですが、そういった一元的な内容ではないです。これを読んでますます映画を見るのが楽しみになりました。おすすめです。

  • 201312/
    日記をつけることは心のカタルシスになります。また日々同じことをして前進がないように感じたとしても、それは足踏みしているのではなくて、日々理解が深化しているのです。そして、日記を書かなかった天才はいないのです。日記をつけることに何度も挫折した人に良い方法を教えましょう。「私は日記をつけなければならない」と毎日書き続けるのです。毎日書いているうちに、日記を書くことが日常になっていくのです。/
    ある対象にぶつかったとき、身体の奥から抑えがたい衝動、マグマのような熱い思いが湧き上がってくる。その力に従うことが、明日に繋がるような気がしてならなかった。いや、明日に繋がると言うより、そこに向かう激流のなかでは、すべての不安はなくなり熱い充実感に満たされた。/
    上田へのアドバイスは、僕自身の迷いへの答えにもなった。「後悔したら、後悔した場所に戻り、そこからやり直す」/

  • おもしろくて最後まで一気に読んだ。

  • カッコわるくて、格好いい生き方。市井のひとりの人間の生き方のサンプルとして、参考になるし、励まされるし、赦された気になる。地下鉄サリン事件が、ひとりの人間の人生に与えた影響。オイラも映画つくりたいなあ。

著者プロフィール

映画監督、路上の哲学者。1966年、京都府に生まれる。京都大学経済学部でゲーム理論と組織の経済分析を専攻。卒業後、電通に入社するが、地下鉄サリン事件の被害者となり退職。その後、渡米してMBAを取得し、シリコンバレーでベンチャー企業に参加する。2001年には、アメリカで製作に参加したアメリカ映画「Bean Cake(おはぎ)」がカンヌ国際映画祭短編部門でパルムドール(最高賞)を受ける。
著書に『サリンとおはぎ』(講談社)、『プロアクティブ学習革命』(イースト・プレス)がある。
アレフの荒木浩広報部長に密着し、オウム真理教の真実に迫るドキュメンタリー「一枚の写真」を製作中。

「2015年 『地下鉄サリン事件20年 被害者の僕が話を聞きます』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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