僕は君たちに武器を配りたい

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062170666

作品紹介・あらすじ

これから社会に旅立つ、あるいは旅立ったばかりの若者が、非情で残酷な日本社会を生き抜くための、「ゲリラ戦」のすすめである。20代が生き残るための思考法。

感想・レビュー・書評

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  • これは素晴らしい。
    十年前に出会いたかった。

    20代〜30代前半にかけて感じた世の中や会社に対する疑問や不満への答えが全てここに書かれているではないか。

    更に、不満や疑問にどう向き合いどう対処していけばいいか書いていることに加えて、世の中の不条理な仕組みや知らないと騙されてしまいそうなそこらじゅうにある嘘や詐欺まがいの情報、ビジネスについてもその真理を種明かししている点で、自己防衛のためにも知っておくべきなのではないだろうか。
    ※もちろんなんとなく分かることではあるが。

    どうかできるだけ多くの日本の若者に読んでほしいとおもった。

    30代後半にさしかかる私にとっても役立つことは多く、投資に関する考え方や行動の部分と、会社に不満があるときにどうすればいいかという部分が実践的で、早速取り入れたいと思った。

  • 瀧本哲史本三冊目。(出版自体はこれが一番早い。)

    これから世に出る若者向けの本だが、自分も後20年近くは働くと思うので、投資家的思考法を深める為に改めて読んだ。

    新進気鋭の人(瀧本さんは既に故人となってしまったが)の著作は一作目にその人の真髄が出るものだと思うので、後の著作の復習として読みやすかった。

    コモディティになるな、使われる側になるな、日経記事を信じるな、がキーメッセージ。

  • 「むき出しの資本主義」「本物の資本主義」が到来した日本社会では、労働力すらもコモディティ(日用品)化している。自分の労働力を安く買い叩かれないためには、「マーケター」、「イノベーター」、「リーダー」、「インベスター=投資家」の4つのタイプを目指せという、これから社会に旅立つ若者に向けた指南書である。
    特に「投資家」としての視点は重要で、およそ資本主義社会に生活している以上、投資からは逃れることはできない。何しろ銀行にただ預金されているお金でも、銀行によって投資に向けられている。よく週刊誌に出る就職人気ランキングの上位企業も20年、30年後に倒産する会社が少なくない。一生サラリーマンの道を選ぶのは、ハイリスク・ローリターンの道を自ら選んでいる。リスクを他人に丸投げするくらいなら、自分で考えて投資をせよ、と呼びかける。
    内容がわかりやすく、現在の時代状況を的確に捉えて、明確な方向性を示している。これらから社会に出る人のみならず、社会人でもここらで人生を見直したい人にもおすすめな良書であると思う。
    特に興味深かったのは、”大学では「奴隷の勉強」に時間をかけず、自由人になるための「リベラル・アーツ」を学べ”という呼びかけである。「奴隷の勉強」とは「英語・IT・会計知識」で、これらは「人に使われるための知識」である。「リベラル・アーツ」とは”人類が歩んできた歴史や、過去の叡智の結晶である哲学、芸術や文学、自然科学全般”を指す。横断的な学問領域を学ぶことこそが、「物事を様々な角度から批判的に考える能力」「問題を発見し解決する能力」「多様な人々とコミュケーションする能力」「深い人格と優れた身体能力」を身につけるのだと力説する。
    今大学では、企業と共同研究できる理系分野と違い、お金にならない教養課程や文系分野は風当たりが強く、予算削減の対象になっている。経済界でもビジネス書でも「リベラル・アーツ」の重要性を唱えるものは少ないのではないだろうか。その意味で瀧本氏の主張は貴重であると思う。
    99%納得の書であるが、一つだけ気になることがある。これからの若い人たちの長い人生を考えた場合、果たして資本主義がずっと続いていくのだろうか。次なる社会がどのようになっているのか、そのことを見据えることも必要ではないか。そのためにも「リベラル・アーツ」こそが重要なのだと思う。
    (ちなみに氏は「英語のスキル単体では売り物にならない」と言っているのであって、英語の勉強に意味がないとは言っていない。誤解がないように申し添えておきます。)

  • てめえの代わりはいくらでもいる。ただ働くだけじゃ買い叩かれるぜ。という警鐘を促す本。

    財産を築き続けているトレーダーが推薦していたので読んだ。
    面白いとかどうこういう話ではなくて、知っているか知らないかで働く人の今後が大きく分かれる事実が書かれている。
    資本主義を生きる上で投資家的な視点を持つことの重要性を説いているが、先に読んだ『マンガ財務諸表入門』は補足になるし、成毛眞『このムダな努力をやめなさい』のジャスダック上々前のユーグレナをどう見込んだかの話はためになる。

  • 10年以上前に出版されたもので、今は当たり前とされている考え方が沢山書かれている。著者の先見の明がよく分かる一方で、賛同できない考え方もある。それでも、確実なものがない社会の中で、自分の力で生き抜くための力強いアドバイスだと感じた。

  • 結構日本の深刻な現実が書かれていて、ダークな気分になったが、自然とそういうことから目を背けていた自分がいたのだと感じ、どうしていくことが大事か学べてためになった。

  • もう一度しっかり読みたい!

    でも一番心に残ったのは
    "自分がもし小売店の一店員だったとしても、時給で働くのではなく、売り上げに応じて報酬を得られる形にすることで、投資家的に働くことができる。
    投資家として働くことで、その店に足りないものは何か、どうすればもっとお客さんが来るか、客単価を上げるにはどうすればいいか、さまざまな発想が湧き上がってくる。「自分の頭で考えることが投資家的に生きる第一歩!」

  • うーん。ちょっと決めつけが過ぎるような印象を受けた。危機感を煽るために敢えてそう書いている部分もあると思うが…
    他の著作とも内容が被っているが、内容的には、武器としての決断思考の方が具体的だと感じた。

  • 「学び」
    近年言われている事が多かったが、投資とリターンという切り口から整理することで頭にスッと入ってきた。

    ITが今後さらに加速し、本当の意味での資本主義社会が進むなかで、投資家と投資家のルールの元で搾取される者に分かれる。ここがこの本の本質。

    今言われているようなIT英語ファイナンスのような知識はそれができる人ならとってかわられるコモディティな能力。じゃあどうすればいいかというと“スペシャリティ”になる、つまり独占市場を自ら作ってしまうことが大切。

    「言葉」
    “武器”コモディティ化しない、自分だけの強み
    “投資家”リスクを自ら背負い、ヒトモノカネを投資できる人間

  • イノベーションのチャンスは「今しょぼい業界」にある
    トレンドとサイクルを見極めろ
    公開されている情報に「一手間」を加える

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著者プロフィール

京都大学客員准教授、エンジェル投資家、教育者。1972年生まれ。麻布高等学校、東京大学法学部を卒業後、大学院をスキップして直ちに助手に採用。専攻は民法。任期終了後は学界に残らず、マッキンゼーへ入社。3年で独立し、多額の債務を抱えていた日本交通の経営再建などを手がけながら、エンジェル投資家として極めて初期段階の企業を15年以上にわたって支援し続ける。京都大学では教育、研究、産官学連携活動に従事。「意思決定論」「起業論」「交渉論」の授業を担当し、人気NO.1若手教官として「4共30」講義室を立ち見に。各界において意思決定を先導するリーダーを育てることを目標に、選抜制の「瀧本ゼミ」を主宰。著作物やディベートの普及活動を通して、次世代への教育に力を入れていた。2019年8月10日永眠。

「2022年 『瀧本哲史クーリエ・ジャポン連載集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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