図書館の魔女(下)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (810ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062182034

作品紹介・あらすじ

鍛治の里に暮らす少年キリヒトは、師の命により、大陸最古の図書館を統べるマツリカに仕えることになる。古今の書物を繙き、数多の言語を操って策を巡らせるがゆえ、「魔女」と恐れられる彼女は、自分の声をもたないうら若き少女だった。本を愛し、言葉の力を信じるすべての人に!

感想・レビュー・書評

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  • 偽書講座のとこで、あれ?ひょっとしてローファンタジーなの?という疑惑が。
    というか実はあんまりファンタジーじゃなかったかもしれない。
    まあなんでもいいか面白いし。
    「しっかり掴めよ!神の御加護を!」はぐっと来ました。
    あとヴァーシャ…!
    で、これ続きますよね!?伏線残ってるしな…。
    くそう、この進み方だとこんなたっかい重量級のがまだぞくぞくと…ちくしょう楽しみじゃないか!

  • 最初はとっつきにくいところもあったが、言語とはなにか、を興味深く読ませる。
    キリヒトの正体もわかった下巻はアクションも楽しめた。
    思っていたよりずっと壮大な話。

  • 言葉は何かを伝えるためにあるんじゃないよ。言葉そのものが何かなんだ。言葉は意思伝達の手段なんかじゃない。言葉こそ意思、言葉こそ「私」

    言葉を自在に操るマツリカが純粋にかっこよかった。読書は好きだけれど、私が思っていた以上に書物の価値は高い。しかしその量は膨大にして人の一生を費やしても到底読了し得ない。然らば取捨選択は必須の作業。何が必要で何が取るに足らない情報なのか、自分で見極める力も磨き続けていきたい。また、そこにないものからも何か事を見出だすという発想には驚かされた。
     マツリカによれば、言葉こそ意思であり、私そのもの。然らばその言葉を精錬することは私自身に磨きをかけるということ。今後も知的好奇心の火種を絶やさず学び続けていきたい。

  • 前編から後編になるにつれ,どんどん面白くなる.そして大団円と言いたいところだが,まだまだ続くという困難さと希望の中で物語は一応の終わりとなる.登場人物の魅力的なことは言うまでもなく,世界観もしっかりしていて地理や歴史的にも深みがあり,何より言葉に対する深い愛と信頼が溢れ出てくるようだ.長い物語だけれど読んでいる間は至福の時間だった.

  • 図書館より。

    長かったけど、下巻は一気読み。
    後半血ミドロで多少読みにくくはあったものの、勢いで読了。
    それで終わりかと思ったら後日談が。もうそっちに心が持っていかれたよ。

    キリヒト、必ず帰ってきてね!!

    続編は...読んでるんだよね。よく考えたら見知ったヒトが。そうか。
    でも、キリヒトまだ帰ってこなかったよな~(。´Д⊂)

    続編希望!!シリーズ化してくれ!

  • それなりに本を読んで、言葉も知っているつもりだったけれど、「まだまだ」と言われてしまった。
    少しは知識のある文献学や中国の避諱を扱った謎解きの部分が、かなり面白くて、なるほどとうならされたので(ニザマ帝の名前の話が特に)、言語学や物理学(工学?)の難解な部分も知識のある人はニヤリと読んでいるのだろうとうらやましくなった。

    とにかくもう一度読み返さなければならない作品。
    十二国記と七王国の玉座が好きなら読んで間違いない。

  • なんと、美しい言葉たち…
    語られなかった言葉にすら思いを寄せる、その眼差しがいとおしくてなりません。
    図書館に、マツリカに、言葉に、取り込まれていく人々。柔らかくて温かい。
    世界を変えていく人々。それは誰かと誰かを争わせるやり方じゃない。
    とても、とても良い本を読みました。読後の後味も、別れのはずなのに希望に満ちて柔らかい。
    続編が出ているようなので是非とも読みたいです。
    本当に良かった。図書館で借りたのですが買おう。絶対に。

    感想を読んで。確かに政治のあれこれはめんどいし私も半分読み飛ばしてました( ´艸`;)でも、そこを乗り越えても受け止めるべき言葉があったことは、本当に幸福なことだと思いました。読む幸せ、たっぷり味わいました。
    タイトルが合ってないという意見も目にしたけど、やはりこの作品にはこのタイトルしかなかったような気がする…

  • 言葉をとても大切に扱っている。
    会話なんかも、普通の小説なら、生身の人間が交わすであろう会話の主要な部分を抜き出して書くものだ。しかしこの本では、登場人物の会話を録音して起こしているように、「そこまで?!」と思うほど漏らさず描写している。
    おかげでこのページ数だ。読み終わりたくない内容に、本当に答えてくれる。
    読む、という行為を楽しめた本だった。
    そして、読み進むうちに、「そうだったの?」とつながってくるところが次々出てくる。
    半端な予想は覆されていく。
    ラストもそう。こちらの思いは裏切られながらも、読み終わると、彼、彼女らなら当然そうするだろうとしか思えない。
    何日もかけて読み終わり、その日のうちに最初からまた読み始めた。

    続きも出るらしい。楽しみで仕方ない

  • 上巻に続き読了!長かったけど面白かった!

    戦回避のため、マツリカたちは図書館を飛び出す!言葉で世界と渡り合うマツリカとそばによりそうキリヒト。またこの二人の物語が読みたいです!

    続編もありそうな予感。ラスボスといえるミツクビの登場は上巻のほうが多かったので、その対決の行方も気になるところです。

  • おもしろかったです!!こんなに面白い本があったとは!!!分厚くて、お値段もそれなりですが、この本は買う価値があるかと!!(●’ᴗ’●)ノ読めてよかった!読んでいる間中、至福の時でした♪読み終わった今も、この本に出会えたことで、しあわせです♪

  • 架空の世界の架空の国同士の政治的な争いごと、駆け引きに空想でしか成り立たないキャラクターの図書館の魔女とその周りの彩り豊かなメンバー。
    ファンタジーでもあり、SFでもあるのに文献学、政治学、物理学など多岐にわたっての有意義な講義が続く・・・
    難しい~と思いきや、やっぱりクスッとさせられたりじわっと目頭が熱くなったり。まだ中盤。

    ページをめくるごとに終わりに近づいてゆくんだなぁと感慨深く大切に読み終えました。
    あちらこちらに散りばめられた伏線、それをたどるためにもまた読み返さなければ。
    膨大なページ数、確かに費やした日数、でもそれに勝るこの達成感とため息と。
    また凄い本に出会ってしまいました。

  • 800ページというすごいボリューム。キャラも立っているし分厚い割に冗長さはなくとても読みやすいのだが、それでもさすがにこの分量には少々疲れた。
    国際的な発言力をもつ図書館の魔女を黙らせようと策謀を巡らす敵勢力、しかしマツリカは戦乱を未然に防ぐべくことばを武器に立ち向かってゆく。
    どちらかというと静的な上巻に比べて、下巻に入るとマツリカたちは国外へ出て敵に襲われたり、ダンジョンのような怪しい館に踏み入ったりするスリリングな王道ファンタジー展開。しかしそのアクションの合間にも、言葉とは何か、という問いかけがなされているところがまた面白い。
    異世界ファンタジー、冒険活劇、政治謀略、謎解きミステリ、そしてほのかな青春恋愛小説と様々な要素で楽しめる物語。
    まだ続きそうな終わり方なので、続編が出たらぜひ読みたい。

  • 上巻後半の勢いのまま、失速せず下巻も一気。下巻に入り冒険要素が強くなりますますひき込まれました。諦めず読み進めて本当に良かった。
    一応ファンタジーなんだろうけど、タイトルに魔女なんて入っているけれど、けっこう理詰めで物事を考え解決していくのでふわふわしていなくて良い。地に足ついてる。怪物は出てきてもヘンテコな魔法は出てこないし。何より魔女と呼ばれるマツリカが魔法を否定している。しっかり伏線を回収しつつ、いい具合に伏線を残しつつ、余韻をしっかり味わったうえで物語が終わるという、まとめ方がとても良かった。
    また、キャラクターもそれぞれに魅力があって良い。マツリカとキリヒトのやりとり、キリンやハルカゼとの議論、衛兵たちの日常。読み終えてからだいぶ時間が経ったけど、未だに彼らがちゃんと自分の中に残っている。

    これ、絶対続編出るよね。だいぶ先にはなるだろうけど、今から楽しみで仕方ない。今度は先代も活躍してくれないかなー。どんなに分厚くても必ず手にとります。

  • 上巻を読み始めたばかりの時点では緻密なだけで凡庸な物語だと思った。
    どれだけ描写が細かく、緻密であっても、物語は物語であるからにはその大筋の流れの中で読者を魅了しなければならない。
    300ページくらい読み進めなければその流れに乗れないこの本は、気の短い人には向かないと思う。だけど流れに気づき、乗ってしまえば。あとはもう、ページを繰る手が止まらないほど、のめり込んでいく。流れには抗えない。
    面白かった。素直に面白かった!
    描写が緻密であるが故に、映像化してみて欲しい作品でもある。ハリウッドで映画化したら某指輪の物語や某魔法使いの物語を超える大作になるんじゃないかな。
    望むらくは、私はもう少し若い、せめて高校生くらいにこれを読みたかったなぁ。ファンタジーではしゃぐには年を取りすぎた。笑

  • 前巻と打って変わって、説明口調の冗長な文章から、政治の駆け引きあり、冒険、アクションありの大活劇に転身。
    歴史長編を読む面白さがあった。

  • 読み終わって全体を思い返せば、なにも起きていないのである。この本の分量で起きていてもいいようなことはなにひとつ起きていない。
    にもかかわらず、読ませる。人物は想像可能な可能性を全て論じ、飽きてきたところで意外な要素が転がり込み、次の展開へ繋がる。
    構成に、底にある知識に、編み上げる力に、この本が世に出たことに圧倒される。

  • 久しぶりに読み終えるのが惜しまれる作品に出会えた。下巻では三国間交渉、双子座の館などたくさんの読みどころはあるが、全てを終えての帰路の船旅が一番心に残る。ヴァーシャの正体、そして別れを前にしたキリヒトとマツリカの船室での短くも濃密な時間・・・。また終盤はとにかく切ない。特にヴァーシャとキリヒトの名前についてのくだりは涙モノ。マツリカら図書館の人々と、キリヒトがその後どうなったか。再会は叶ったのか、続きを求めるのは無粋だと思うがとても気になるところ。上質な大人のファンタジー。

  • 一気読みできる長編。
    マツリカはキリヒト達を連れたってニザマの本拠地へ。
    開戦阻止はできるのか。
    動かなくなったマツリカの左手はどうなるのか。
    などなど気になってたおかげでぐいぐい読めた。

    ハイファンタジーかと思ってたけどやっぱり言語的にローになっちゃうのは仕方ないかなと。
    言語学的にも図書館学的にも楽しめる素敵な話。

    個人的にアレクサンドリア図書館のイメージがすごい。
    きっと残ってたらこんな感じだったんだろうなと。
    あと高い塔は人々に道を知らせる灯台でもあるんではないかなと。

    7年後の川遊びだっけ? が読めるまで楽しみに待ってる。

  • とんだ才能もあったもんだ。ファンタジーとしては120点満点の緻密な伏線、豊富な語彙から紡がれる豊潤な文章、そこここに見受けられる、書物への、言葉への愛。上巻は少々長ったらしいようにも感じたけれど、気づけば魅力的な登場人物たち、特にマツリカとキリヒトの虜になっている。二度、三度と読んでも美味しいこと請け合いの、素敵な物語にまた出会えた。

  • 私の今年のベストになると思う。
    回収されていない伏線もあるので、気になるので、続編も読むつもり。
    マツリカが別れを告げる場面に涙。
    久しぶりに圧倒的な物語の力を感じ、その中に身を置いた気がする。それだけでなく、ここ最近はたくさん読むことが目的になっていた気がするので、一冊ずつ味わって読むようにしたい。

  • 数多読んだ本の中で、内容・文体・文書量・世界観などすべてが完璧に自分の欲する物だったという本は5本の指をかろうじてでるくらい。この本はまさに私にとって完璧な本だった。こういう本を読みたかった 本当に!  ファンタジーが好きでミステリーが好きで言語学、政争の駆け引きに興味があり 凛とした生き方 せつなさ 厳しさそういうものを本の中に求める人に 心から お勧めします。

  • 長かったー!

    世界観が重厚で物語はとても面白かった。
    キャラクターも素敵だった。

    ただ、文章が面白くない。
    そこまで詳細に描写しなくても読者の想像力で補完できるよーと思うところが多くて、読み進めるのがつらかった。
    それがなければこんなに分厚くならなかっただろうし。
    そこがちょっと残念。

  • 上下巻合わせて1500ページの大作。読みきれるか不安でしたが、地下水道の冒険あたりから次の展開が気になって夢中で読んだ。言葉だけで全てを動かしていく様は京極堂シリーズの憑き物落としを彷彿とさせた。冒険、政略、バトルと面白い要素をふんだんに詰め込んだ作品でした。

  • 「剣でも、魔法でもない、彼女は“言葉”で世界を拓く」と帯に書かれていたけどまさにそれ。言語学的トリックの巧妙さやマツリカはじめ登場人物の聡さにいちいち唸ってしまう。
    久しぶりに終わってほしくないと思いながら読んだけど、下巻だけで800ページ以上あるからそもそもそんな簡単には終わらないのであった。笑

  • 学術的な専門的な部分が難しく上滑りして読んでしまった。けれど物語として、登場人物と展開を追うだけでも面白かった。特に山場が、映画でも見ているように熱い展開で伏線も気持ち良く決まる。悪役の最後も納得がいく。それでいて割と正当なボーイミーツガール。その辺り、ラノベが好きな方でも楽しめる。

  • これだけ分厚い本が上下巻に渉ってるというのに足りない。もっと続きが読みたくなるだなんて。
    丁寧な描写で、裏返せば回りくどいなと思った所もあるけれど、気持ちの動きやキャラクターの表情が映画を見ているように分かって感情移入してしまった。
    気持ちの良い裏切られ方もしたし、楽しかった。
    是非続きを。

  • 二ザマの策略で一の谷とアルデッシュの開戦が濃厚となってきた。
    マツリカは秘策をもって緊張を孕むアルデッシュとの関係改善を提案するが、その矢先、呪をかけられてしまう。
    戦を回避し、呪を解くためにマツリカはキリヒトと二ザマに乗り込む。

    上巻の前半が嘘のように一気に緊張が加速して、厚さが気にならないほど。
    今度はやられるもんか!と読んだので、先は読めたけれど、もうそんなことは関係ないくらい爽やかな読後。
    ヒヤヒヤドキドキももちろんあり、でも、最後は彼と彼女の可愛さに悶えた。可愛いようー!

    「図書館の魔女にとっては、そこに無い文字、そこに無い言葉すらが、何よりも雄弁に一つの物語を紡ぎ出すことになる。存在した言葉ばかりには限らない、存在しなかった言葉すらも、図書館の魔女にとっては読む対象と成りうるのだ。」

    「一の谷俗語しか話さぬキリヒトと、東部山岳方言しか話さぬイシュトバーンの間には、すでに彼らだけに取り交わされる耳に聞こえない言葉があるようだった。ならば"言葉"とはいったい何なのだろうか。」

    言葉と読むことをさりげなく深く考えさせられる。異国語と自国語、手話、どんなに拙くても伝わる時には伝わることにジンとくる。
    机上で語られていたことが、現実となって、更に二ザマ帝により人情味までプラスされる。圧巻。
    「指輪物語」の読後に似てるかも。戦友って熱い。
    まだまだみんなと別れたくないよーって気持ちになるとこが。

    「運命だろうと、生まれだろうと、マツリカにはそれらは従うものではありえなかった。意志によって、決断によって、人は運命や宿命を超えていくのだ。」

    「お前は言葉を手段か何か、道具のようなものと考えてたんだろう。だから"道具"を奪えばこと足りると考えたんだろう。黙らせられると考えたんだろう。それが最大の踏み外しだった。言葉は何かを伝えるためにあるんじゃないよ。言葉そのものがその何かなんだ。言葉は意志伝達の手段なんかじゃない。言葉こそ"意志"、言葉こそ"私"」

  • 15/05/16読了

    面白かった…!!
    久しぶりに読書に没頭させてくれた。ファンタジー好きの心をくすぐる細部に渡った細かい設定と、長さを感じさせず喜びにすらしてくれるミステリ要素を含んだストーリー。

    マツリカの聡さが、情深くはなくとも毅然としてある思いを、意味のある行動にしていて素敵だなと思う。たとえば、ヴァーシャールヘイに、返信の宛名としての名付けを約束するところとか。

    マツリカとキリヒトがこれからについて固く約束を交わすシーンは、少し行儀良すぎるだろうとは感じたけども。

    キリヒトはマツリカの瞳の中に、運命を否定するものを、運命を超えていくものを見ていた。運命だろうと、宿生だろうと、生まれだろうと、マツリカにはそれらは従うものではありえなかった。意志によって、決断によって、人は運命や宿業を超えていくのだ。

    一つの文に句点を打たねば次の文が始まらぬように、二行ごと韻を押さなければ詩行が続いていかぬように、一冊を閉じねば次の巻には進めないように、新しく門を開いていくために閉じなければならない扉がある。

  • 言葉って文字だろうか?言葉って言語だろうか?言葉ってコミュニケーションツールなんだろうか?言葉は武器?言葉は癒し?言葉は無力?言葉は全て…

    この小説を単純にくくるなら異世界ファンタジーなんだろう。けど、この世界には魔法やオカルトは出てこない。物理学や化学や土木工学が社会を救おうとし、麻薬や退廃や人間のしがらみが社会を堕落させる。そういう一種堅実な世界で主人公たちは丁々発止の大活躍をする。そのアクションシーン、論争シーン、プラトニックなラブシーン…全てにおいて「言葉」がとても重要なファクターになる。

    言葉は何を伝えるのか、言葉は何を成し遂げるのか?
    ペンが剣より強いなら、暴力ではなく対話で世界を変えることはできるのか…

    言葉をテーマにする小説を、作者は膨大な言葉の質と量で描き上げる。総ページ数1400、難解な単語の嵐、張りまくる伏線と陰謀、濃いキャラクターが山ほど登場する政治小説かつアクション小説かつうぶな恋愛小説かつ人間小説

    ムッサ読み応えありました。前半で何度か挫折しかけたけどラストまで読んで良かった。もちろん続編希望。しかしこの物量、この密度でシリーズ化されたら、読み手
    のこっちも相当な体力気力をもって挑む覚悟が必要だなぁ。この出来を維持してくれるなら望むとこやけどねぇ。

  • キリヒトの使命が明らかになり、ニザマの帝は病に臥し、西方では今にもアルデシュとの戦役が始まろうとしていた。マツリカは農学者や地理学者、職工たちを図書館に招いてある装置の開発を急いでいた。そんな中、視察のついでに通りがかった街の祭りで、一団はとある人形芝居を目にする。その人形芝居は、マツリカの左腕を奪った。言葉を奪われたマツリカは、それでも開発した装置を伴ってニザマを訪れる。ニザマ、アルデシュ、一の谷の和議に向かって世界が変わろうとしていた。

    長い長い上巻の前振りを経て、下巻はあっという間に読んでしまった。終わってしまうのが切ないほどの言葉たち、しかしのんびり読むのがもどかしいほどの展開。それぞれの別れの章は泣いてしまった。マツリカもキリヒトも、ハルカゼもキリンも、衛兵たちも皆愛おしい。まだシリーズとして続くようなので今後が本当に楽しみ。また長いこと付き合えるシリーズができて嬉しい。

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著者プロフィール

2013年『図書館の魔女』(第一巻~第四巻)でデビュー。デビュー作が和製ファンタジーの傑作として話題となり、「図書館の魔女シリーズ」は累計32万部を記録。著書に『図書館の魔女 鳥の伝言』(上下)がある。『まほり』は著者初の民俗学ミステリ。

「2022年 『まほり 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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