青い鳥

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本棚登録 : 68
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062186032

作品紹介・あらすじ

妖精の病気の娘を救うため青い鳥を探す旅に出るティルティルとミティル。幸福の意味を問う寓話を現代の名文家・江國香織が甦らせる。

感想・レビュー・書評

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  • メーテルリンク×江國香織×宇野亜喜良とは、なんとも贅沢なトリオです!

    青い鳥のお話は有名すぎて、エッセンスを知っているからと読んだ気になっていたのですが、大きな間違いでした。
    ティルティルとミティルの旅の仲間たちや、彼らが訪れる国々、ハラハラさせられる冒険の魅力は、しっかり読んでみて初めて味わえるものなのだと反省。

    彼らの訪れた「未来の王国」の印象が強かったです。
    ここはこれから地球に生まれてくる世界中の子供たちが暮らす国。
    生まれる順番が訪れると、子供たちは波止場から船に乗って地球へと向かうのです。
    地球に向かう子供たちは必ず何かを持っていかなくてはなりません。
    それは、みんなを幸せにする発明であったり、地球を救う力であったり、大きな犯罪であったり、無知な人々を騙すためのアイディアだったり…。
    口ぐちに自分の持っていくものを口にする子供たちの無邪気さに、かわいらしさを感じつつもすぅっと背筋がひんやりとする怖さも感じたのでした。

    宇野さんの挿画がカラーで楽しめるのは本当にうれしいです。
    美しさと不気味さが同居する絵に目を吸い寄せられました。

  • いまは読書の楽しさを知り貪るように本を読んでいますが子どもの頃はちっとも本を読まない子だったので、青い鳥のなんとなくのあらすじとかティルティルとミティルの存在は知っていたけれど多分ちゃんと読んだのはこれがはじめて。
    きっかけは江國香織×宇野亜喜良のタッグだったこと、ただそれだけ。
    子ども向けのものに翻訳したものと比べて読み直したいな。
    大人向けのこちらはほんと溜息がこぼれる、江國香織ワールド全開の翻訳でした。そこに狂気的な美しさの宇野亜喜良さんの絵があわさるもんだから、ファンにとっては嬉しい仕上がり。

    身近な幸せを、ただそこにあるだけの幸せを大切にしていきたいですね。

  • こんな飛躍の多い話だったっけ

  • 題名は知ってるけど初めて読む本。
    青い鳥ってこういうほんだったんだ。
    個人的には未来の国が印象深かった。
    人は何かを持って生まれてくる。
    自分は何を持って生まれてきたんだろう。
    しあわせってほんとにすぐそばにあるもの。
    それに気づけるかどうかなんだなぁ。

  • このお話は、電車のなかで読んでいるだけで、そのこと自体が何かの暗喩か伏線みたいでわくわくする。初めてダイヤモンドを回すシーンもとても魅力的だけど、いちばん気に入っているのは幸福の館の話。たくさん幸福や喜びたちに出会うところ。子供の幸福たちは天使の姿をしていて胸が痛くなるほど綺麗。ティルティルに僕の家にも幸福があるのかと尋ねられた、健康でいるという幸福の台詞「隅から隅まで幸福でぎゅうづめじゃないか」は忘れられないし、忘れたくない。喜びたちもひとりひとり名前があるけれど、ただ存在するという大きな喜びがいちばん可愛らしいと思う。そして、母の愛の比類なき喜びが、いちばん美しくて強いということも忘れてはいけないことだ。自分が母親になって子育てに疲れたようなとき、そのことを思い出そう。幸福や喜びたちが紹介されるとき、彼らが目に浮かぶような気がして楽しかった。筆者によって名前を与えられると、命を吹き込まれたかのように生き生きと動き出す。まるで魔法のようで、どきどきした。他にも、未来の王国のように、想像力をかきたてられるような仕掛けがいっぱい。謎もいっぱい残されたまま。でも、猫がこの世には謎が必要と言ったように、この物語にも謎が必要なのだと思う。

  • 貧しい家の兄妹が、犬、猫、光、火、水、砂糖、パン、ミルクと共に青い鳥を探しに記憶、夜、森、幸福、墓地、未来の世界へいく。この世には、人間が考えているよりも多くの"喜び"や"幸福"が存在する。兄妹が青い鳥を探しながら、本当のしあわせを見つける物語。

  • ちゃんと読んだことあったかな、と考えたら不安になったので、改めて読む気になった。

    なんでこんなに怖い絵なんだろうと思ったら、怖い話だった。冒頭から繰り返される死、貧しさ、病気、老い、裏切りのイメージ。幸せの象徴である青い鳥ですら、それから自由とはいえない。もちろん、そういったものと無縁である青い鳥がいたとすれば、偽物にすぎないのだけれど。
    妙に明るいラストはわかるような気もするが、釈然としない気もする。これ、子供のときに読んだらどう思ったんだろう? 

  • んーー青い鳥文庫は、高野文子の挿絵で、此方(大人向け)は宇野亞喜良!
    訳文は、多少変えてるのかな?

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    「妖精の病気の娘を救うため青い鳥を探す旅に出るティルティルとミティル。幸福の意味を問う寓話を現代の名文家・江國香織が甦らせる。」

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