追憶の夜想曲

著者 :
  • 講談社
4.01
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  • Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062186360

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ第二作は、御子柴の過去と現在を繋ぐ物語。
    (今作から文庫本でなく単行本にしました)
    第一作では、彼の過去がしっかりと描かれていましたが
    それを踏まえての今作の結末には、何とも言えない複雑な気持ちです。

    夫殺しの容疑で逮捕された普通の主婦を弁護する御子柴。
    彼が得意とする多額の報酬を要求できる案件ではありません。
    なのに、前任の弁護士を脅してまでも 引き継いだ理由とは?
    今回の事件にも、驚愕の結末が控えていました。
    御子柴が是が非でもこの事件を弁護したかった訳も明らかになります。
                                              
    そして、今作の見どころ(読みどころ?)
    それは何といっても、あの岬洋介の父、岬恭平 検事との対決です。
    優秀な弁護士と検事、二人の 丁々発止のやりとりに
    途中で本を閉じることができなくなりました。

    今回のテーマ曲は、ショパンのノクターン第二番。
    切なく美しいメロディーですが
    この曲に被告人の強い悔恨の記憶が重なります。
    「護るべき者を護れなかった」と。
    被告人のこの想いが、事件で重要な役割を果たします。
                                                                                
    結末は、今作も すっきりとしています。
    ですが、読後感は 爽やか とは言えません。
    人間の奥深くにある罪深さを目の前にさらされたようで。
    でも、ここが御子柴シリーズの魅力なのですね。
    御子柴の一途な姿勢に光が見えて
    彼の「過去」は許せないまでも、「今」を認めたくなります。

  • 御子柴礼司、第二弾。おもしろかった。要潤さんのドラマでも観ていたので思い出しながら読みました。
    是非、第三弾も読みたいです!

  • 法廷対決にワクワクし、ページを繰るのももどかしく、そして、最後のどんでん返しに、読後は唖然。
    中山ミステリーの醍醐味を、存分に味わった。
    さらに、シリアスな流れの中で、健気な倫子のキャラクターにホッとし、岬洋介の話題がちょっと出てくる場面ではニヤリと。
    それにしても、弁護士御子柴の続編はあるのだろうか。

    • 杜のうさこさん
      hongoh-遊民さん、こんばんは~♪

      そうなんです。忘れられない主人公になりました!
      どんでん返し、大好きです♪
      ありがとうござ...
      hongoh-遊民さん、こんばんは~♪

      そうなんです。忘れられない主人公になりました!
      どんでん返し、大好きです♪
      ありがとうございました!
      次は、この御子柴さんを読みたいです。

      実は新作の『ハーメルンの誘拐魔』読み始めたら、
      これもシリーズものなんですね。
      積読にして、前の作品から読もうか悩んでます。
      でも読みたいんですよね~(笑)
      2016/04/16
  • 御子柴シリーズ第2弾。どうやって逆転するの?何をヒントに答えにたどり着くの?おもしろくてページをめくる手を止められませんでした。
    夫殺害の罪で起訴された女性の弁護を、御子柴は無理やり前任者から引き継ぎます。罪は認めるけど刑を軽くして下さい、という女性。最初の公判では検察側有利に終わります。被告人が隠していることは何なのか。なぜ御子柴はお金にもならない彼女の弁護をするのか。その答えが最後の公判で明らかになるところは、まるでカチッ、カチッとパズルのピースがハマっていくように見事でした。女性の下の娘、6歳の倫子がまるでブラックジャックのピノコみたいでかわいかったです。

  • 御子柴礼司シリーズ、2作目。
    1作目よりもギアを何段階も入れられて、読むことを止めることが出来なかった。
    読んでいる端々で突き刺さってくる展開に、圧倒された。

  • このシリーズ本当に暗いのね…ある程度予想はついたが、最後のどんでん返しにはすごく驚き納得。シリーズ通して償いがテーマなのかな

  • 前作「贖罪のソナタ」を上回るおもしろさだった。
    法廷シーンも読みごたえたっぷり。何と検事は「ドビュッシー」「ラフマニノフ」に登場する岬洋介の父!!
    御子柴礼司は、自分の犯した罪を贖うことで生きている。決して赦されないことはわかっているが、それが鬼畜から人間に戻れる唯一の道だと信じて。
    りんこちゃんの存在は救いだった。いつか御子柴と再会する日が来るような気がする。

  • 今回もほぼ一気読み。夜に読みだしたら止まらない。寝不足。御子柴シリーズ面白かった。岬洋介シリーズの最新刊も読みたい。

  • 被告人の裏がなにかを探すストーリーだが
    私が考えた推理(よくある動機)だったら暴れてやる〜と思いながら読んだ。
    で、推理通りだったんだが、
    裏に奥があって
    暴れていいのかよくわからなかった。

    なんで控訴したんだろう。
    一応理由は書いてあったが説得力がない。

  • 「面白かった」としか言えない自分の語彙力を呪いたくなるくらい、色々な気持ちがめくるめく本でした。
    これで300ページちょっとですよ?その破壊力たるや!

    特にラスト40ページは一気読み必至。
    本当に鼻息荒く読みましたし、その前にも色々と「あー!」とか「なるほど!」とか「やっぱり!?」とかなる場面多数。検事さんとかもね。うんうん。

    途中でポツポツと「ん?」「もしかして…」と思っていたピースがはまり、いろんなことに合点がいったと思ったら、さらにその上に予想外の絵が浮かび上がるという至極の読書。読了後はしばし唸りました。

著者プロフィール

1961年岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー。2011年刊行の『贖罪の奏鳴曲(ルビ:ソナタ)』が各誌紙で話題になる。本作は『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』『追憶の夜想曲(ノクターン)』『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』『悪徳の輪舞曲(ロンド)』から続く「御子柴弁護士」シリーズの第5作目。本シリーズは「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲~(ソナタ)」としてドラマ化。他著に『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』『能面検事の奮迅』『鑑定人 氏家京太郎』『人面島』『棘の家』『ヒポクラテスの悔恨』『嗤う淑女二人』『作家刑事毒島の嘲笑』『護られなかった者たちへ』など多数ある。


「2023年 『復讐の協奏曲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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