フォークロアの鍵

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著者 : 川瀬七緒
  • 講談社 (2017年5月17日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062205771

フォークロアの鍵の感想・レビュー・書評

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  • 認知症になっても〈消えない記憶〉。それを研究するため、主人公が向かった認知症グループホームは、曲者ぞろいで……。
    マイナスな面から始まるので、前半はやや気が重い。おどおどした主人公が吹っ切れ、展開がスピーディになってからが面白い。
    後半は明るいようで、意外と重たい問題を含んでおり、ぞくっとする。

  • 民俗学を専攻する大学院生羽野千夏は、「口頭伝承」を研究するため認知症グループホームに通うことに。そこには様々な老人がいたが、千夏が特に関心を寄せたのは最高齢のルリ子。彼女がつぶやいた「おろんくち」という言葉を頼りに、高校生の立原大地とともに、過去の記憶、そして現代の問題解決へと突き進むが・・・
    前半はいま一つであったが、後半スピードに乗るとともに、老人達のキャラクターも面白くなり、楽しく読めた。ただ、千夏がどうしても“法医昆虫学捜査官シリーズ”の赤堀とダブってしまう。

  • 認知症の老人が集まったグループホームで、民俗学の口頭伝承の研究をする千夏。老婆が口にした謎の言葉を追い求めるうちに、とんでもない真実に行きついてしまうミステリ。
    認知症の老人たちのコミカルな会話が笑いを誘います。だけどそれはボケてるから、ってものじゃなく。認知症であってもそれなりの理屈はきちんとあっての面白さ。そして研究を進めるうちに、老人たちもまた生き生きとしてくるのがなんとも楽しくって。カウンセラーの松山との対立には抱腹絶倒です。
    一方で謎の言葉「おろんくち」にまつわるあれやこれやが浮かび上がってくる展開は実にサスペンスフル。いい意味でじわじわと嫌な雰囲気が高まります。ただ、このおおもとの物語があまりはっきりしなかったのは少し残念かな。
    そしてなんとも意外な真相。まさかそこに行きつくとは! ぐいぐい物語に引っ張られ、そうかあれが伏線だったのかあ、ってのも完全に忘れていました。読後感はとてもすっきり。

  • 序盤は読み進めるのに時間がかかってしまいましたが、中盤から一気に面白くなってそこからはスラスラ読めました。最後は思いもよらない展開だったので、それまでの謎が宙ぶらりんになってしまったのがモヤモヤします。

  • キャラの設定がうまいよね〜。
    人好きする主人公ならではの展開だと思う。
    口頭伝承の聞き取りのため老人ホームで研究かぁ、上手に聞くことができれば面白い話を聞き出すことができそうではある。
    他人の話から物事の筋道を導き出すことができるなんて、相当話を聞くのがうまいのね〜。他人の話をゆっくり聞いてあげられるくらいゆったりとしておかないとね、せっかちなあたしには無理か。いやいや、努力しだいよね。

  • 面白かったです。
    別に事件に繋げなくても良かった気はしますが…。

  • 認知症老人ホーム と 民俗学研究者の大学院生
    そこに 壊れかけた親子関係を持つ高校生の登場
    思いもよらない それぞれの関係が
    もつれあって結びついていく物語

    老人ホームの訳あり曲者老人たちの
    それぞれの人物描写が秀逸
    その強烈なキャラクターが、徐々に伏線となって
    物語を進めていくのも
    また 楽しい

    準主役の高校生、立原大地の母親
    そして、カウンセラーの松山
    これでもかというぐらいに、
    問題ありの人物として描かれているのも
    物語に深みを添えてくれる

    読み終えた後の
    爽快感が心地よい

  • 介護施設の暗い部分が前面に押し出されているので、
    全体的にとても暗い話で、読んでいると疲れる。
    まぁ、それが介護の現実なんだろうけど。
    でも、ミステリー仕立てになっていて、話が進んでいくと
    ちょっとずつ明るい話もあったりする。

  • 最後でもったいない終わり方した。

  • 羽野千夏は民俗学を専攻する大学院生。

    昔話や口頭伝承研究のフィールドワークとして、グループホーム「風の里」に通い始めた。そこは、認知症を患い、問題を起こす老人ばかりが集まる施設だった。

    千夏はそこで、コミュニケーションのとれない一人の女性がきれぎれにつぶやく言葉の「おろんくち」に、心をざわつかせる。

    間に挟み込まれる高校生の大地の物語。母親の重すぎる期待が鎖のように身を縛り、学校にも通っていない。
    大地の心の叫びが実に重く、息苦しいが、いつか千夏と出会うのだろうと、ようやく読み進められる。

    千夏はネット上で、「おろんくち」の意味を尋ねまわるが、それに答えたのが大地だった。

    認知症に苦しむ老人たちにも、それぞれ、輝いていた人生がある。一人一人から、その「消えない記憶」を必死で聞き取ろうとする千夏に、老人たちはいつしか心を開き、「おろんくち」の意味をさぐる千夏の手伝いを
    するようになる。

    老人たちは単なる弱者ではなく、それぞれが強烈な個性を輝かせている人間だ。

    重苦しい問題をはらんでても、認知症を患っていても、
    老人たちが生き生きと描かれ、千夏や大地との交流の温かさが心にしみる。

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フォークロアの鍵の作品紹介

羽野千夏は、民俗学の「口頭伝承」を研究する大学生。“消えない記憶”に興味を持ち、認知症グループホーム「風の里」を訪れた。出迎えたのは、「色武者」や「電波塔」などとあだ名される、ひと癖もふた癖もある老人たち。なかでも「くノ一」と呼ばれる老女・ルリ子は、夕方になるとホームから脱走を図る強者。ほとんど会話が成り立たないはずの彼女が発した「おろんくち」という言葉に、千夏は妙な引っ掛かりを覚える。記憶の森に潜り込む千夏と相棒の大地。二人を待っていたものは……!

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