おはよう寄生虫さん: 世にも不思議な生きものの話 (講談社+アルファ文庫 G 17-1)
- 講談社 (1996年10月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062561631
感想・レビュー・書評
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寄生虫だって神様から命を授かったこの世の住人である。
朝目が覚めると心の中で「おはよう」と囁いてしまう…というほど寄生虫を慈しんでいる亀谷了先生の寄生虫エッセイ。
日本における寄生虫博士たちの研究、寄生虫駆除薬を日本の製薬会社が作った、などと言うことも書かれていて、この分野では日本もなかなか頑張っているんだと思いました。
寄生虫の生態系や、びっくりエピソードは亀谷了先生「寄生虫館物語」と重なる部分も。
https://booklog.jp/item/1/4167660091
中1の娘が理科の夏休み宿題で「回虫」を引き当てたので、私が面白がって寄生虫本を借りています。
そしてついに「目黒寄生虫博物館」へも行ってきました!
私が子供の頃親戚の本棚で「寄生虫館物語」のフルカラー版を見て、あれから40年くらい経ちついに行ってきました(笑)。
ついでに小学生の次男の自由研究にもさせたかったけど「きもちわるい~」とダメだった(笑)
https://www.kiseichu.org/
寄生虫館では、この本に載っている寄生虫たちが陳列されたり、書かれている日本の寄生虫博士たちの紹介がされていて、読んでから行くとまた楽しいです。
寄生虫の陳列は、清潔な建物で、綺麗にホルマリン漬けの瓶が並べられ、中の寄生虫や生物たちも綺麗に脱色され…これだけ見たら素直に生命の不思議という物を感じるんだけど、実際に体から出てきたらやっぱり嫌だよなあ。
いくつか寄生虫本を読み思ったこと。
何食べてもどこ行っても寄生虫感染危機?と身構えてしまいましたが、闇雲に恐れるのではなく、正しい知識を持ち対策や予防すれば大丈夫。ただしその正しい知識の伝達が少ない。
生で食べではいけないものは、絶対生では食べではいけない!!
人間などの生物は、自分に合った微生物と、正しい時期の接触が必要。清潔すぎてもいけない。
寄生虫研究が縮小傾向だが、現代の病床、精神疾患も寄生虫が原因か?という研究もあり。その反面、寄生虫が体内にいることにより、免疫が正しく働き、自己免疫疾患に効果があるという研究も?
そして寄生虫たちの生態系はバラエティーに富み過ぎて、正しく付き合えば生物としては楽しい存在とも言えるかも。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読書録「おはよう寄生虫さん」5
著者 亀谷了
出版 講談社
P107より引用
“幸いに命はとりとめたが、五〇日後に駆虫薬を服んで、六六七
条の回虫を出したという。命がけの実験をされた博士の真剣さに
は、ただ頭が下がるのみである。”
目次から抜粋引用
“グルメはうまい、寄生虫はこわ~い
千差万別、ペットにもどっさりいる寄生虫
すごくて不思議な寄生虫の素顔
寄生虫今昔物語
寄生虫館館長の研究日記”
世界で唯一の寄生虫専門博物館の館長による、寄生虫に関する
知識をまとめた一冊。
現代の寄生虫事情から千年前の医学書の記述についてまで、先
人たちの研究成果がたっぷりと記されています。
上記の引用は、回虫の卵を飲んでみた学者というタイトルの項
での一文。回虫は体内の臓器を巡回するそうで、肺に大量に集ま
れば肺炎の症状が出るそうです。本当の意味で命がけの研究をさ
れたその姿勢に、尊敬の念を抱かずにいられません。
先人たちの研究があるからこそ、現在安心して食事が出来てい
るのだなと、改めて思います。
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めくるめくる、寄生虫ワールド。 いやはや、モクズガニはちゃんと加熱してたべないとダメとか、言われていましたが、加熱するってことは大事ですね。そして、昔に比べて今の衛生状態のよさもうかがえます。
クジラや海産物につく寄生虫(コペ)などの部分は海好きとしては、勉強になりました。ほかのお話も寄生虫に詳しくなくても、面白く読めます。
また、目黒の博物館に行きたくなる一冊でした。 -
目黒寄生虫館初代館長の著作。
寄生虫に興味がなくても、熱っぽく語られる捕獲エピソードやこぼれ話はどれも面白い。平易な言葉で過不足なく語られる寄生虫四方山話から、彼がいかに寄生虫に夢中であったか、何より、いかに得難い科学者であったかがわかる。なにも対象が寄生虫でなくても、とは思うけど、そこは天の配剤なのかもしれない。
同博物館には目黒に通っていた頃、兄と義姉と一緒に入ったことがある。土産に買ったTシャツは夏の部屋着になっているけど、家族には不評。デザイン化された寄生虫シルエットがいくつもロゴになっていてぱっと見かわいいのだけど。
これも食事中に読むのはお勧めしない。マスのナマ食もお勧めしない。 -
目黒寄生虫館の創始者であり93歳でお亡くなりになった館長
亀谷 了さんの寄生虫エッセイ。
聡明であり温かで年下の研究者にも
慕われたお人柄がうかがえる。
寄生虫に関するお話はもちろんのこと
あとがきの締めのセリフに至るまで、とてもステキでしたわ。 -
1996.12.6 2刷 680
体内で五千匹にまで増える回虫、数メートルにもなる条虫……他人に寄りかかりながら暮らす「世の嫌われもの」も寄生虫研究60年の世界的権威の著者によるとファンタジックな生きものになる。朝、目が覚めると思わず心の中で彼らに「おはよう」と呟き、いつも夢にひょっこりと現われる。そして、彼らも神様から命を授かったこの世の住人であると慈しむ。「世界でただひとつの博物館」、目黒寄生虫館館長が世にも不思議な生きものたちの、コワクてのんきな素顔のすべてを明らかにする。 -
目黒寄生虫館館長の本。
なかなか面白かった。 -
犬猫の遺体の解剖結果、どの臓器にどんな寄生虫がどれだけ見つかったかで生前の行いがわかるというエピソードがこの先生ならではの視点で面白かった。しっかり夜見回りの任に着いている犬の心臓から見つかったフィラリアは勲章なんだな
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とぉっても面白い。おかげで変な夢見た。