宇宙は本当にひとつなのか―最新宇宙論入門 (ブルーバックス)

著者 :
  • 講談社
3.81
  • (74)
  • (177)
  • (96)
  • (11)
  • (9)
本棚登録 : 1512
感想 : 165
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062577311

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「宇宙の年齢は137億歳」と言われてもピンとこないし、「宇宙を構成する物質のうち、原子で構成される割合が5%で残りの96%は未知なるもの(23%は暗黒物質、73%は暗黒エネルギー)」と言われても、「えっ、じゃあ何もわかっていないのも同じ」と思っちゃいますね。

    実はその通りで、宇宙のほとんどは我々人間にとって未知なる世界。それでも最近存在を証明できたヒッグス粒子をはじめ、少しずつではあるが前進してきているのも事実。本書はそんな偉大な宇宙について、これまでわかっていることと、わかっていないことを説明してくれるいわば宇宙の入門書。

    『一方、宇宙が「できすぎ」なのは紙のような超越的な存在が宇宙を創ったため、初めからうまくデザインされているのだという考え方もあります。』とのように、実は人間がわかってはいけない領域もあるのかもしれないい。でも、そこで考えることを止めるのはよくなくて、やはりロマンを追いかけ、いろいろと勉強して、頭を動かしていきたいという新年の一冊目でした。

  • 他の宇宙論に比べ読みやすいところもあれば、そうでないところもある。文系向け。

  • 久しぶりにどっぷり科学に没入できた!

    とても分かりやすい本で、
    宇宙の大部分を構成している暗黒物質や暗黒エネルギーの話しから、
    宇宙の膨張が加速している話、
    多次元宇宙論の話、
    ワープ理論、
    超ひも理論、
    宇宙は100の500乗個でき、たまたま条件の良かったこの宇宙が残ったのではないかといった複数の宇宙がある説、
    この宇宙はうまくできすぎている、人間が出現するための条件が揃いすぎているという人間原理という考え方まで、
    最新の宇宙理論や素粒子物理学がどうしてそういう考えに至っているのかということが、
    順を追って理解できた。

    暗黒物質については世界中で研究されていて、この10年以内には解明できるのではないかということなので、とても楽しみである。

    それにしても、不思議でエキサイティングだ!

  • 「暗黒エネルギー」ってネーミング、なんかとっても怖いけどな。
    異次元はすぐそばにある、ってのいうのは感覚として納得するものが。

  • (欲しい!/新書)
    Book TV '11/10

  • 今まででイチバン判りやすい、超ひも理論の10次元世界の解説だった。学生の頃に教わった宇宙論でかなり誤りが発見され、修正されていることが大分判った。修正結果が、アインシュタインの予測と同じ要素でできていた(宇宙項)ものに戻ったというのが、面白かった。

  • 宇宙論の最新情報をわかりやすく説明してくれる本です。理系じゃなくても充分読めるし、楽しいと思います。

    村山斉さんは東大数物連携宇宙研究機構の機構長の方で、講演映像や音声を聞いたことがきっかけです。

    宇宙って何もわかってないけど、こんなことに取り組んでるよ。という本なので、これからの科学ニュースが楽しくなりそうです。

  • 宇宙を構成している23%は暗黒物質で、
    73%は暗黒エネルギー、原子でできてるのはわずか5%!?
    5次元以降のせかいはとても小さい?!

  • ブラックホール、暗黒物質、ニュートリノ、いま「宇宙」として認識されている場所の姿とその外側、などなど、フィクションではないサイエンスの最先端は今ここまできています、というものをわかりやすく書いた本。
    タイトルが壮大で腰が引けますが、「ニュートリノはいるかいないかわからない幽霊のような粒子」「人ごみを歩けば周りの人にぶつかるように、周りに分子がたくさんあれば少しはぶつかって痕跡ができるとわかってきました」……というぐらいのやさしい文章です。
    拾い読みでも楽しめますし、読み切ると「あのSFで宇宙船が向かった先はこんな感じなのかな」という塩梅に想像がふくらみます。
    個人的にいちばん新鮮だったのは、「暗黒物質(宇宙のくらやみ成分のひとつ)は異次元からやってくる、という学説がある」ことでした。SFではなく、科学者たちがまじめに考えた結果どうやらそういう学説にいきついたそうです。そんなまさか、という気もしますが、作家たちのインスピレーションのうちのいくつかが最先端の科学のさらに先を言っていると思うと、不思議に楽しい気分がします。

  • 雑学として、知識欲をかきたててくれる、良い本でございました。(12/6/23)

全165件中 71 - 80件を表示

著者プロフィール

東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)教授、カリフォルニア大学バークレー校Mac Adams冠教授。
1964年東京都生まれ。1991年東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了。理学博士。東北大学助手などを経て、2007年から2018年10月までKavli IPMUの初代機構長を務めた。専門は素粒子論・宇宙論。『宇宙は何でできているのか』(幻冬舎新書)はじめ著作多数。メディアを通して研究成果を伝えることにも力を入れる。難解な素粒子論・宇宙論をわかりやすい言葉で語る。

「2020年 『そうたいせいりろん for babies』 で使われていた紹介文から引用しています。」

村山斉の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
池井戸 潤
ウォルター・アイ...
松下 幸之助
村上 春樹
シーナ・アイエン...
クリストファー・...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×