古代世界の超技術 (ブルーバックス)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062578455

作品紹介・あらすじ

大型建機やコンピュータをしのぐ「すごい技術」!

ピラミッド、ローマの水道、マチュ・ピチュ……。
世界遺産の見方が変わる!

最先端の結晶工学と驚くべき共通点をもっていた「ピラミッドの構造」。

ボイル・シャルルの法則を応用していた「古代ギリシャの自動扉」。

鉄筋コンクリートをはるかに上回る「ローマン・コンクリート」の強度。

最新の計測装置と0.0002日の誤差しかない、超精密な「マヤの天文学」。

カミソリの刃さえ通さない、「インカの石組み術」の驚異。

現代のハイテクを知り尽くす半導体研究者が、自ら体験・実験して読み解く「技術史ミステリー」第2弾!

感想・レビュー・書評

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  • どうやって巨石を運んだり、加工したりできたか?
    謎と思われているのは、現代に蔓延している考え方が、謎解きの邪魔をしていると筆者は言う。

    それは「経済性」と「効率」だ。

    時間と手間をたっぷりかければ、できることもある。

    勿論、技術もあっただろうが。

    石を運ぶのに何千人使おうが、何年かけようが、出来上がれば同じだ。

    逆に、「経済性」と「効率」ばかり気にする現代は、異常かもしれない。

    未来の人から見たら、21世紀の人類は、なんで出来なかったの?って思うかも。

  • 古代文明には、多くの人々が魅了され、その謎を解明するため仮説を立て、現代の技術を駆使するのであるが、未だ謎のままであることが、さらなる興味を呼び起こす。

    それにしても専門外の人ではあるが、よくまあ調べてはいるも、まあこういう一意見と捉えて、未だ古代文明は微動だにしないのである。
    まだまだ古代文明を語るに足りるほど本は読んでいないため、比較はできないが、感じるところは現代の技術全てが、過去のそれと比べて絶対的に優っているとは言い難いということである。

    あと世界の七不思議と言われるものが、七景観であったというのは知らなかった。古代ギリシヤのユダヤ人哲学者フィロンが見た巨大建造物のガイドブックからとのことで、ということはいける範囲は限られている。
    ギザの大ピラミッド
    バビロンの空中庭園
    バビロンの城壁
    オリンピアのゼウス像
    ロードス島の巨人像
    ハリカルナッソスのマウソロス王の霊廟
    エフェソスのアルテミス神殿
    とのことで現存はピラミッドのみ。

    今の七景観としたら何をあげるべきか。

  • 以前読んだ日本の古代の超技術が面白かった。
    古人の知恵と、現代の最新技術が実は相当ダブるという視点。

    これはそれがちょっと足りない。

    同じ作りである必要はないが、ピラミッドのところで少し絡めて居ただけに、その後、セメントに少し絡む他は殆どなかった。
    そうすると、各々の文明の掘り下げは浅い。

    微妙だなあ。

  • 最新の結晶工学と「ピラミッド構造」の共通点。現代の観測装置と0・0002日の誤差しかない「マヤの天文学」。好評の技術ミステリー第2弾。

  • 専門外の領域を趣味で語ろうとすると、大体こんな感じになる。

    ・根拠なく数字をこねくり回した結果を比較して『単なる偶然とは思えない』
    ・ピラミッドの炭素年代測定が行われていないことについて、調べもせずに『不思議なことである』で終わらせる
    ・既存研究を調べもせず、知り合いの業者をつかまえて『究極的に信頼・尊敬するのは実際にモノを造った職人の経験と言葉であり、学者の机上の研究の成果ではない』
    ・証拠がないにも関わらず、『存在していたことを否定する気持ちにはなれない』
    ・証拠がないにも関わらず、『たとえば巻き貝をヒントにして発明されたものであることは間違いない』
    ・さんざん発見と発明の違いについて拘っておきながら『"アルキメディアン・スクリュー"と呼ばれているので、その発明者はアルキメデスと考えるのが一般的である』
    ・経験論と研究結果を混同して『ふだん犬と一緒に生活している私には断言できる』

    こういう本は、"素人が頑張って調べたことを本にしました"ということを理解し、"一つの意見"として読むならばいいが、本書を出典として"これが真実だ!"と物知り顔で語ってしまうことがないよう、気をつけなければならない。

  • 「古代日本の超技術」という本の姉妹編とのことである。
    ピラミッド、古代ギリシャ、古代ローマ、メソアメリカ(オルメカ、マヤ)・アンデス文明(インカ帝国)と大きく4つの文化圏について、当時の技術がうまく解説されている。
    ピラミッドが紀元前3世紀頃、古代ギリシャが紀元前4世紀頃、古代ローマが紀元前1世紀頃、メソアメリカのオルメカ文明が紀元前12世紀頃、とにかくものすごく過去にこれらの文明が巨大な建造物を作っていたことには驚くばかりだ。

  • ピラミッドに秘められた多くの謎、古代ギリシャの卓越した技術、古代ローマの素晴らしいセメントを使った建設技術の解説は楽しく読めた.最も感銘を受けたのは第4章「メソアメリカ・アンデス文明」だった.4大文明と習ったのは昔だが、今でもその影響が残っているのはいただけない.

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著者プロフィール

志村史夫(しむら・ふみお)

1948年、東京・駒込生まれ。工学博士(名古屋大学・応用物理)。日本電気中央研究所、モンサント・セントルイス研究所、ノースカロライナ州立大学教授(Tenure:終身在職権付)、静岡理工科大学教授を経て、静岡理工科大学名誉教授。応用物理学会フェロー・終身会員、日本文藝家協会会員。日本とアメリカで長らく半導体結晶などの研究に従事したが、現在は古代文明、自然哲学、基礎物理学、生物機能などに興味を拡げている。物理学、半導体関係の専門書、教科書のほかに『いやでも物理が面白くなる〈新版〉』『古代日本の超技術』『古代世界の超技術』『人間と科学・技術』『アインシュタイン丸かじり』『漱石と寅彦』『「ハイテク」な歴史建築』『日本人の誇り「武士道」の教え』『文系? 理系?』などの一般向け著書も多数ある。

「2019年 『いやでも数学が面白くなる 「勝利の方程式」は解けるのか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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