法月綸太郎の冒険 (講談社文庫)

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  • 講談社
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感想 : 86
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  • Amazon.co.jp ・本 (452ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062631082

感想・レビュー・書評

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  • 図書館の話は読みながらこれ突っ込まれただろうなって思ってたら文庫版あとがきで触れてたね。
    でもフィクションだし実際守られてないんだし別にいいでしょっていう主張なのね。

  • 前半三作のホワイダニットが秀逸。
    『死刑囚パズル』は予想外の真相に思わず鳥肌が立った。
    『黒衣の家』はある意味最も恐ろしい動機だなと。
    『カニバリズム小論』は不愉快な動機とまさかの結末にゾッとした。
    でも後半四作の図書館シリーズは楽しい。
    ミステリーが好きな人なら、きっと気に入るはず。

  • 『死刑囚パズル』がズバ抜けており、『カニバリズム小論』は驚きはするが、悪く言うと一発ネタのようなもの。(だからこそ短編なのだが)
    後半の四つは「図書館シリーズ」と呼ばれるもので、前半三つとは雰囲気が異なる。
    この中だと『緑の扉は危険』が一番面白い。
    作品によってだいぶ差はあるが、どれも平均以上。

    『死刑囚パズル』
    注射器とアンプルから導き出すロジックが美しい。
    まず、犯人はこれらをシュレッターにかけず、壊れている焼却炉に入れたということは、犯人は焼却炉が故障中であること、シュレッターがあることを知らなかった。(つまり外部の人間)
    そして見つかれば足がつきやすいロットナンバーが消されてないということは、犯人はこれらを見つけられるつもりではなかったと分かる。(つまり外部に見せかけているわけではない)
    だが、犯人はこれらが見つからないと思っているにもかかわらず、指紋を消している。
    つまり、もともと指紋を残していなかった(=常に手袋してる)
    このフーダニットに加え、ホワイダニットも面白い。短編だが満腹感を覚える。

    『緑の扉は危険』
    密室トリック自体は特筆すべきほどのものではないかもしれないが、図書館への本の寄贈などを絡め、それを「死んだら扉が開く」という謎めいた遺言に昇華させているのが見事。

  • 七篇の短編集。

    『黒衣の家』と『切り裂き魔』が好きです。

    本格ミステリの小ネタがたくさん書かれてる本なので、ミステリ好きの方が読むと楽しい本かなと思います。

  • 死刑囚パズルは理詰めで固めていくのは、なるほどーっては思うものの、もっと根本的なところで??って思ったので、ほかの人のレビューとかでの高評価にはあまり賛同できなかったかな?

    カニは、気持ち悪いネタで最後まで押し通すかと思いきや……

  • 「死刑囚パズル」ホワイダニット

  • 法月綸太郎は短編も面白い。絶版?になっていてなかなか手に入らないので長編ばかり読んでいるけれど、短編もかなり好き。図書館が関係しない3作はいつも通りの後味の悪さで最高。
    死刑囚パズル:論理的に詰めつつ寄り道しながら修正するいつものスタイル。パズルなら都市伝説の方が好き。
    黒衣の家:『砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない』のサイコパステストを思い出した。手紙で終わる余韻がいい。
    カニバリズム小論:人を食べることに注目していたので、綸太郎の結論に驚いたし嫌悪感。よくここまで気持ち悪く後味最悪な話を…(褒めてる)あとがきにあったミスリードは枢機卿のことで合ってるだろうか。たまたま誰彼の直後に読んだので、誰も引っかからないらしいミスディレクションに見事に引っかかる貴重な体験ができました笑
    図書館シリーズ:この図書館大丈夫か

    著者の作品の良さはロジックだけでなく後味の悪さにもあると個人的に思っているので、図書館シリーズよりも実際に殺人が起こる方が好き。あと大好きな法月警視があんまり出てこなくて残念。

  • 短編集。最初の話がだいぶ硬派だったので全編こんな感じでいくのかと思っていたが後半は日常の謎(といっても図書館がメインだけど)だったのでその緩急が良かった。謎としては分かったものと分からなかったものとが半々といった感じ。気に入ったのは「黒衣の家」「カニバリズム小論」かな。特に「カニバリズム小論」は謎よりも全体のオチの部分がありきたりとはいえ好き。

  • 以前どこかで読んだことがあるような話が二編。一遍は正体判明。もう一遍はドラマかしら..

  • 死刑囚パズルはしっかり謎解きを楽しめました。視点にちょっと疑問だったのですが最後に納得です。黒衣の家の後味の悪さはこの作家さんらしいですね。何とも言えないいたたまれなさが残りました。図書館シリーズは法月探偵のシリーズとは別シリーズになったかと思うほど雰囲気が違ってびっくりしました。私は法月警視と綸太郎との掛け合いが好きなので全く警視が出てこないのはちょっと残念。でもこれはこれでありなので違うものとして楽しみます。長編とはかなり違った雰囲気ですが短編もいいですね。

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著者プロフィール

1964年島根県松江市生まれ。京都大学法学部卒業。88年『密閉教室』でデビュー。02年「都市伝説パズル」で第55回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。05年『生首に聞いてみろ』が第5回本格ミステリ大賞を受賞し、「このミステリーがすごい! 2005年版」で国内編第1位に選ばれる。2013年『ノックス・マシン』が「このミステリーがすごい! 2014年版」「ミステリが読みたい! 2014年版」で国内編第1位に選ばれる。

「2023年 『赤い部屋異聞』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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