- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062635455
作品紹介・あらすじ
「光にメロディがあるの?」「あるさ。みんな、そのことに気づいていないだけさ」。“光”を“演奏”することでメッセージを発信する天才高校生・光瑠(みつる)。彼の「光楽」に、感応し集う若者たち。しかし、その力の大きさを知った大人たちの魔の手が忍び寄る。新次元コミュニケーションをめぐる傑作長編ミステリ。
感想・レビュー・書評
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光を操ることができる光瑠がその力で世界を変えていく話。
ニュータイプの人間が出てくると旧タイプの人間はどうなるのか。ガンダムや高野和明さんのジェノサイドを思い出した。
世界を変えていく続きを読みたくなる本でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『虹を操る少年』東野圭吾さん
1.出版時期とメッセージ
1994年。
バブルがはじけた1990年から数年後の物語です。
東野圭吾さんは、当時も今も主人公にメッセージを託してくれます。
私が東野圭吾さんを読みつづける理由、そのひとつがこのメッセージです。
虹を操る少年。
この小説のメッセージは
①既得権益側と新興勢力との対立
②①の世代交代の鍵
です。
2.物語で問われる「世代交代」とは?
340ページ
「世代交代。種の保存を目的に人間含めた生物が行ってきた営みである。
同時に、人間ほど、この世代交代を忌み嫌う性をもつ生物も存在しない。」
3.虹を操る少年。
主人公は、幼児期に特殊能力を自覚した少年です。
特殊能力とは、知能指数のみならず、五感が通常より優秀なことです。
そのひとつが、人間が発する光を認識できる能力です。
少年は、人間は言葉のみならず、この光を通じてメッセージの受信発信ができると確信します。
その中で彼が作りあげたのが「光楽」という分野です。
光と音楽の融合。ディズニーのパレードをイメージしてください。
受信側は、高揚感が高まります。
単純にいえば、あれ です。
少年の能力をビジネスで利権化しようとするもの。
一方で、彼の能力で世界が変化することを恐れるもの。
この対立構造が物語をクライマックスに誘います。
4.読み終えて
東野圭吾さんの湯川シリーズを彷彿させる世界です。物理、化学、生物の要素があるため、そのような印象を持ちました。
そのシリーズの好きな東野圭吾さんファンには一読をおすすめします。
#東野圭吾 さん
#読書好きなひとと繋がりたい
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東野圭吾先生の長編は、ほぼ読み終わっていたかな?と思っていたが、まだまだ読み終わっていないものがあった為、お盆休み用にブックオフで何冊か仕入れてきた(*^-^*)
現代の社会構造に疑問を抱き、それを破壊することを究極の目標とするニュータイプの暴走族グループ「マスクド・バンダリズム」。
その一員である相馬功一は、ある夜、暗闇に点滅する不思議な“光”を見つける。その“光”は、まるで「こっちへ来いよ」と囁きかけているかのようだった。
優秀な医者になるために受験勉強に励む高校二年生の志野政史。最近、集中力が長続きせず、スランプに陥っていた。彼も、そんなある夜、不思議な“光”を見つけたのだった。
中学一年生の小塚輝美。彼女は、家庭問題を苦に自殺を考え、飛び降りようと真夜中にベランダに出た。
その時、彼女もまた、不思議な“光”を見つけた。
現代社会の中で苦悩する若者たちを導く不思議な“光”。
その不思議な“光”を操っていたのは高校二年生になる白河光瑠であった。
彼は、“光”を演奏することでメッセージを発信することが出来、それを「光楽」と名付けた。彼の「光楽」に感応し、集う若者たち。
その影響力は絶大であった。
そして、その力の大きさを知った大人たちは「光楽」阻止に動きだし、
その魔の手が光瑠に忍び寄っていく・・・。
不思議な力で若者たちを集める光瑠の狙いは何なのか?
そして、大人たちはなぜ「光楽」の普及を阻止しようとするのか?
東野先生のお得意分野?
脳化学??現実に有り得そうな物語。
光を奏でるなんて突飛な発想だが、物語は結構な説得力を感じた。
かなり前の作品の為、最近の作品ほどは心を捉えられはしないが、時間のある時に、サクサクっと読めてしまうのはさすが東野圭吾作品!
著者の名前で期待感がアップしてしまうので、
評価はついつい厳し目で★★★。 -
色んな意味で衝撃を受けた作品。
これまた斬新な内容のお話です。
光の演奏ってどういうものかしら…と想像をかきたてられました。
現実にこういうものがあったら流行りそうだけど、
でもこの話の通り、悪い大人たちに利用されてしまうのかな……。
最後の最後まで一気に読んでしまいました。 -
やっぱり東野さんはSFがいい。
本領発揮。
最近のエンタメ強め作品より、絶対この頃のほうがいい。多少の荒さはあるけど。
仏様の後光とか、キリストの光とか、オーラとか、納得だった。ここが着想だったのかな。
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光楽という存在自体はファンタジーというか、存在するかは分からないけれど、みつるが言いたいことはすごくわかるし、実際の世界にも言えることなんだと思う。
権力者ほど影響を受けにくく、若者ほど感化される。変化(進化)を恐れる気持ちは人間誰しもあるが、変化しないということはありえないのだなと。
相変わらず東野圭吾の文章は読みやすく、想像しようと思わなくても映像として頭の中で再現できるなと思った。
音楽が絡んでいたのでより面白かった! -
SFあるいは実際にいそうな超人、光に関する感覚が図抜けた主人公の話。
この世は光が多すぎるから闇が必要で、光楽家として光でメッセージを伝えるのだ、というメッセージが新鮮だった。 -
人々の心を魅了する光を発する(光の演奏)天才少年の話!たくさんの人々に大きな影響を及ぼしたことで様々な事件などが引き起こされる!ものすごく面白く途中で読むのをやめられないくらいだった!
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こんな人間が存在するのか?不思議に思いながらも引き込まれる作品でした。自分の子供にそんな能力があったら驚き、嬉しく、誇らしく思うと思います。途中から父母は出てきませんが、心配でたまらないんだろうなと思いました。元気でいてくれれば才能なんていらないのかもと思いました。
若い頃に読んだなら、また違った感想を持った事でしょう。