- Amazon.co.jp ・本 (630ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062638876
感想・レビュー・書評
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2023/09/30読了
#このミス作品85作目
百鬼夜行シリーズ第一弾。
新作の話題で、ついに手を出してしまった。。
想像通りの重々しさはあったけれど
意外とスイスイ読めたし面白かった。
生々しいストーリーから急転ぶっ飛びファンタジー
みたいな展開て振り回されまくった。
これが京極ワールドなのか、確かに中毒性はある。
ボリュームがあるので読後の達成感はすごくある。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
もっとホラーホラーしてる作品かと思いきや、完全なミステリ。
前半の京極堂と関口の会話が後半にじわじわと効いてきます。
20ヶ月もの間妊娠している女性と、密室から消えてしまった男性そして消える赤ん坊の謎。
そしてキャラクターが何よりいいですね。
主要人物がかなり覚えやすいです。
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京極夏彦氏のデビュー作品「姑獲鳥の夏」を読了。
先日京極氏の作品「虚言少年」を読んだ後、京極堂シリーズを読んでみようと思い、どうせなら一番最初の作品でと読み始めたのが本作品だ。
手に取った瞬間にページ数が多く、これは読み通すのが大変な本ではとその時は思った。確かに読み始めた最初の100ページ強でこの小説の語り部となる関口君とかれが敬愛する京極堂の二人が実存という哲学的テーマに関して延々とやり取りを続ける下りでは、こりゃどんな話なんだいという疑念が浮かび始め、本書を選んだのは失敗だったかなあなどという気持ちを少しばかり持ち始めたのは正直なところだ。
ただ「虚言少年」でもいかんなく発揮されていた会話の中に盛り込まれる京極夏彦氏の軽妙なギャグセンスを楽しむことができる人はどんどんんと話しに引き込まれ,事件の解決まで一気に読み進むことができるだろう。もしかしたら京極作品を楽しめる否かは無駄な言葉の羅列とも受け取れるくだらない会話が楽しめるかどうかかもしれない。
実はくだらない言葉遊びにちかい最初の100ページのやり取りがが事件解決の大事な伏線となっていて、事件解決自体はなーんだというくらいとてもとてもシンプルに実行されてしまう。複雑でわかりにくい事象も見方を変え冷静にきちんと整理すると、本当に実存するものとしないものが明確にわかるはずということが読者に伝えられる最後となっているのだが、最初から最後までどたばたとただ動き回っている印象の強いダメキャラの関口君の存在が教訓めいたお話の締めもこんなんもありかといった思いにさせてくれた。
さてこのシリーズを読み進めたいかと聞かれたら、まあそのうち読むものに悩んだときといまは答えるだろう。僕自身としてはそこまではまらなかったのかもしれない。ただはまった人がいるからこそ『姑獲鳥の夏』『魍魎の匣』『狂骨の夢』そして『鉄鼠の檻』という600Pを超える作品が存在しているわけで、ちょっと古めいた探偵物語が好きな人にはチャレンジしがいのある作品だろう。
そんな京極夏彦氏の伝説的なデビュー作を読むBGMに選んだのが精神科医でありでありジャズピアニストでもあるDenny Zeitlinの"Denny Zeitlin live at the Trident"だ。やはりちょっと理屈っぽいサウンドだなあ。
https://www.youtube.com/watch?v=bLEEFvxLFOU -
★3.9くらい
三津田信三の刀城言耶シリーズを読んだからなのか、話がかなりするする入ってきた。特に怪異譚らしいところや民俗学のエピソードなど。
脳と心、意識の話などは興味深くて普通に関心した。なるほどという納得感。
でも雰囲気は全然違って、怖いというよりは不思議で水墨画みたいな世界だった。
主人公周りの登場人物は多いけど全員キャラが立ってる。また好きなシリーズができたなあという感じで、早く魍魎の匣が読みたい。 -
戦後しばらく経った東京が舞台、呪いや憑物などが事件に絡み合っています。謎解き要素もあるけれど、陰陽師や美形探偵などの魅力的なキャラが多く日常的な会話が楽しかったです。
ぬるま湯のような泥のようなところにいて時間が淀んでいるような感覚…決して読みにくいわけではなく、読んでいて心地よい文章なのですが、なんとも時間の流れ方がゆったりしています。最後は霧が晴れていくようにあっという間に読んでしまいました。 -
禁断の扉を開けてしまった気分です(笑)。
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最初は、この厚さ大丈夫なのか?と思ったが、入り込んだらあっという間で。
独特の雰囲気のあるミステリィでした。
京極堂のああ言えばこう言う喰えない態度に、分かっていながら関わっていって、案の定掌の上で転がされてる関口が好きだ。