文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.86
  • (2049)
  • (2069)
  • (2647)
  • (144)
  • (40)
本棚登録 : 16585
感想 : 1769
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (630ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062638876

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 2023/09/30読了
    #このミス作品85作目

    百鬼夜行シリーズ第一弾。
    新作の話題で、ついに手を出してしまった。。
    想像通りの重々しさはあったけれど
    意外とスイスイ読めたし面白かった。
    生々しいストーリーから急転ぶっ飛びファンタジー
    みたいな展開て振り回されまくった。
    これが京極ワールドなのか、確かに中毒性はある。
    ボリュームがあるので読後の達成感はすごくある。

  • もっとホラーホラーしてる作品かと思いきや、完全なミステリ。

    前半の京極堂と関口の会話が後半にじわじわと効いてきます。

    20ヶ月もの間妊娠している女性と、密室から消えてしまった男性そして消える赤ん坊の謎。

    そしてキャラクターが何よりいいですね。
    主要人物がかなり覚えやすいです。

  • 京極夏彦氏のデビュー作品「姑獲鳥の夏」を読了。
    先日京極氏の作品「虚言少年」を読んだ後、京極堂シリーズを読んでみようと思い、どうせなら一番最初の作品でと読み始めたのが本作品だ。

     手に取った瞬間にページ数が多く、これは読み通すのが大変な本ではとその時は思った。確かに読み始めた最初の100ページ強でこの小説の語り部となる関口君とかれが敬愛する京極堂の二人が実存という哲学的テーマに関して延々とやり取りを続ける下りでは、こりゃどんな話なんだいという疑念が浮かび始め、本書を選んだのは失敗だったかなあなどという気持ちを少しばかり持ち始めたのは正直なところだ。

     ただ「虚言少年」でもいかんなく発揮されていた会話の中に盛り込まれる京極夏彦氏の軽妙なギャグセンスを楽しむことができる人はどんどんんと話しに引き込まれ,事件の解決まで一気に読み進むことができるだろう。もしかしたら京極作品を楽しめる否かは無駄な言葉の羅列とも受け取れるくだらない会話が楽しめるかどうかかもしれない。

     実はくだらない言葉遊びにちかい最初の100ページのやり取りがが事件解決の大事な伏線となっていて、事件解決自体はなーんだというくらいとてもとてもシンプルに実行されてしまう。複雑でわかりにくい事象も見方を変え冷静にきちんと整理すると、本当に実存するものとしないものが明確にわかるはずということが読者に伝えられる最後となっているのだが、最初から最後までどたばたとただ動き回っている印象の強いダメキャラの関口君の存在が教訓めいたお話の締めもこんなんもありかといった思いにさせてくれた。

     さてこのシリーズを読み進めたいかと聞かれたら、まあそのうち読むものに悩んだときといまは答えるだろう。僕自身としてはそこまではまらなかったのかもしれない。ただはまった人がいるからこそ『姑獲鳥の夏』『魍魎の匣』『狂骨の夢』そして『鉄鼠の檻』という600Pを超える作品が存在しているわけで、ちょっと古めいた探偵物語が好きな人にはチャレンジしがいのある作品だろう。

     そんな京極夏彦氏の伝説的なデビュー作を読むBGMに選んだのが精神科医でありでありジャズピアニストでもあるDenny Zeitlinの"Denny Zeitlin live at the Trident"だ。やはりちょっと理屈っぽいサウンドだなあ。
    https://www.youtube.com/watch?v=bLEEFvxLFOU

  • 全体を通して怪しく、昭和初期ならではのうやむや感が、なんだか良い。京極夏彦の取材力に感嘆。まるでそこで見てきたように、ありありと情景が目に浮かんだ。
    関口くんが想像の5倍くらい狂ってて引いてしまった。

  • ★3.9くらい
    三津田信三の刀城言耶シリーズを読んだからなのか、話がかなりするする入ってきた。特に怪異譚らしいところや民俗学のエピソードなど。
    脳と心、意識の話などは興味深くて普通に関心した。なるほどという納得感。
    でも雰囲気は全然違って、怖いというよりは不思議で水墨画みたいな世界だった。
    主人公周りの登場人物は多いけど全員キャラが立ってる。また好きなシリーズができたなあという感じで、早く魍魎の匣が読みたい。

  • 初の京極堂シリーズ。
    有名作だから読んでみよう読んでみようと思いつつもクセが強そうで読み切れるかどうか心配でなかなか手が出せないでいたけどついに読了!

    所々京極堂理論が難しくてよくわからない部分もあったけど面白かった!
    おぞましくも世知辛いような遣る瀬無いような真相……
    死体がずっと側にあったり三重人格だったりでまさかの展開だけどちゃんと京極堂が理論立てて説明してたから「何だよそれ!」ってならずに済んだ笑
    でも榎木津の能力はよくわからん。他人の記憶が見えるって何だよそれ^^;笑
    でも榎木津はセリフ回しが面白くて何度もフフッてなった^ ^

    次も楽しみ。

  • 戦後しばらく経った東京が舞台、呪いや憑物などが事件に絡み合っています。謎解き要素もあるけれど、陰陽師や美形探偵などの魅力的なキャラが多く日常的な会話が楽しかったです。
    ぬるま湯のような泥のようなところにいて時間が淀んでいるような感覚…決して読みにくいわけではなく、読んでいて心地よい文章なのですが、なんとも時間の流れ方がゆったりしています。最後は霧が晴れていくようにあっという間に読んでしまいました。

  • 禁断の扉を開けてしまった気分です(笑)。

  • 最初の京極堂でのやりとりが結構長い上にだらだらしてたけど、事件が本格化してからは、面白く、楽しく読めました。
    死体がもともと床に転がっていたとか、事件の大きな原因になった人が行方不明だったりと、謎解きはちょっとどうかと思いましたが、キャラがたっていて、今後のシリーズに期待できました。
    詳しい紹介はこちら→http://monogatarigatari.blog.fc2.com/blog-entry-66.html

  • 最初は、この厚さ大丈夫なのか?と思ったが、入り込んだらあっという間で。
    独特の雰囲気のあるミステリィでした。
    京極堂のああ言えばこう言う喰えない態度に、分かっていながら関わっていって、案の定掌の上で転がされてる関口が好きだ。

著者プロフィール

1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家。94年、『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞、11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞、22年『遠巷説百物語』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『死ねばいいのに』『数えずの井戸』『オジいサン』『ヒトごろし』『書楼弔堂 破暁』『遠野物語Remix』『虚実妖怪百物語 序/破/急』 ほか多数。

「2023年 『遠巷説百物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

京極夏彦の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
宮部みゆき
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×