甲賀忍法帖 山田風太郎忍法帖(1) (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062639446

感想・レビュー・書評

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  • 大人気の忍法帖シリーズ初作。変幻自在の忍者たちによる誇りと名誉を賭した死闘は想像を絶する面白さ。ひとりまたひとりと忍者たちが消えていってしまうのが惜しい。ロールプレイングの中にさまよい込んだかのような錯覚を覚えるほど。

  • 山田風太郎入門ということで読む。異形の能力を持つ忍者たちが、伊賀甲賀というその出生故の理不尽な戦いを強いられ、死闘を繰り広げる。忍者たちの能力は一応科学っぽい理屈でもって解説されるが、とうてい特異体質と鍛錬で片づけられるものではなく、もはや妖怪レベル。果たしてこんなこと書いて本家の伊賀甲賀の子孫の人とかに怒られないのかなという心配をした笑。無茶だけどこのネタは見たことあるなー、なんて初出を調べると58年。半世紀前にこれを書いていたとは…御見それいたしました。ゲテモノ一辺倒にならないストーリーも流石の一言。

  • 思えば中学生のとき、山田風太郎の

    「魔界転生」

    を読んで衝撃を受けたっけ。

    上記の作品からインスピレーションを受けて
    死者を蘇らせる儀式をやろうとした元少年被告とかいましたね。
    山口県光市あたりに。

    さて、甲賀忍法帖。

    徳川家の次期当主を決めるための
    伊賀・甲賀の精鋭各10名による壮絶な闘い。

    闇討ち不意打ちだまし討ち、色仕掛けから寝技まで
    なんでもありの超忍術合戦。

    面白すぎて、美容室で髪切ってる間
    美容師さんと一言も口ききませんでした。
    感じ悪っ!

    グロいの平気な人はぜひ。
    時代劇ものとか普通の忍者ものだと思って読むと、ドン引き間違いなし!

  • 愛する者よ、死に候へ。


    この強烈すぎるキャッチコピーに、悶絶。昭和の時代のもしかしたら一番、暗くてグロくてけばけばしくて鮮烈な作家と言ったらあたし、山田風太郎先生だと思っているし、なんだろうその、徒花的な大衆娯楽エンターテインメントをもう、心から愛してます。

    特にこの作品はその、成熟した世界観が凝縮されていると言ってもいい、と、個人的には思う。

    想い合う男女の対比、人としてみられず駒として扱われる忍びの人外の技、異常発達した体躯、その争いと唐突に訪れる死。咲き狂う、という表現がぴたりと合う、その累々と続く死の饗宴自体が、長い長いオーケストラのようだ。


    ちなみにこの作品は、バジリスクというタイトルでアニメになっている。言葉で表されている世界観が、せがわまさき氏の美しく(ちょっと過激)な絵で表現されていて、これもこれで面白かった。

    本棚に並んでいてもこの本からだけ、むせ返るようなぎらぎらした生命力を感じるのだけど、死を描いて山田風太郎先生が描きたかったのはまさに、生そのものだったと思うから、多分あたしの感覚は、あっているんだろうな。

    さらにちなみにググった所、バジリスク2なるオートサジェストキーワードが出てきて、なになに誰かが続編を??と思ったらパチンコだったという。もー。ぬか喜びさせないでほしい。あんな射幸的な娯楽を、こっちと一列に語るなっつーの。

  • TVや漫画に出てくる4対4や5対5の格闘シーンの原点はこれだった!
    この本を読んだ時に既視感を感じたのはこれが原点だったことが
    分かった。すごい設定。各キャラクターもすごすぎる。

  • 山田風太郎ワールド全開!漫画のようだ!甲賀市を歩く人々のことを、この人も普通そうに見えて忍者じゃ・・・とか穿って見てしまいそうです。

  • 映画を観る前に読むべき。
    ロミオとジュリエット忍法帳版。

    どうしても実写化すると陳腐になる…

  • キャラクターが濃すぎて…面白すぎて…すごいなあ~。感動しました。小説だからこそ生かされる面白さだよね…

  • 全巻読了。

    誰だ?!エロ本なんて言ってるやつは?

    何を隠そう、忍術なるイメージを創ったのはこのシリーズ。卑猥な忍術も多けれ、その発想力には度肝を抜かれます。

    読んじゃうんだよね〜。わかってんだけど。

  • 先々週のヨーロッパ出張中に完読しました。ヨーロッパでこんな本を読むのもまた一興かと・・・
    本作は言わずとしれた、伝奇小説の古典的名作。今さらですが読んでみました。
    家康の後継ぎを決めるために、甲賀と伊賀の忍者十名ずつが、壮絶な殺し合いをする。これだけでクラクラする設定ですが、その忍術合戦がまた凄い。訓練によって人間離れした能力を身に付けた者たちが、現実ばなれした戦いを繰り広げる。
    でも単なるデタラメ話でなく、説得力を感じさせるところが名作なるゆえん。奇想天外な話が好きな方、必読です。
    惜しむらくは、各キャラの深堀りが少ないところか。もう少し人数を減らして、それぞれの関係を深めてくれれば、もっと印象深いストーリーになったのではないかと思う。

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著者プロフィール

1922年兵庫県生まれ。47年「達磨峠の事件」で作家デビュー。49年「眼中の悪魔」「虚像淫楽」で探偵作家クラブ賞、97年に第45回菊池寛賞、2001年に第四回日本ミステリー文学大賞を受賞。2001年没。

「2011年 『誰にも出来る殺人/棺の中の悦楽 山田風太郎ベストコレクション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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