ブラジル蝶の謎 (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062645713

感想・レビュー・書評

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  • 国名シリーズの第三作目。本格ミステリの緻密な論理と、それから導かれる真相に驚かされる珠玉の短編集。表題作の『ブラジル蝶の謎』の派手な殺人現場と真相に驚いた。

  • このシリーズは短編集も面白くて好きです♪

  • 蝶で始まり、蝶で終わる短編集。リアルな事件現場から35年前のランナウェイまでのロジカルな謎解き。誰もが見逃しがちなポイントをつく推理に「ああ!」とうなづいてしまう。

    「ブラジル蝶の謎」
    警察サイド:大阪府警船曳班、森下刑事
    被害者:土師谷朋芳
    天井に飾られた、アグリアスをはじめとした珍しいブラジル蝶が示す謎。

    「妄想日記」
    警察サイド:兵庫県警 樺田警部、野上部長刑事
    被害者:宇田美彦
    火村准教授の心理学知見が披露される謎。

    「彼女か彼か」
    警察サイド:船曳班、森下刑事
    被害者:剣崎洋源(ヨウちゃん)
    最初と最後をかざる、ミスター・マリリンのママ「蘭ちゃん」のキャラが秀逸。

    「鍵」
    警察サイド:静岡県警 衣笠警視
    被害者:粟野柾民
    3年前、助教授になってすぐの秋の事件。伊豆半島のどこだかが舞台。
    アリスが缶詰3日目の東京のホテルに、陣中見舞いに来た火村の語り。

    「人喰いの滝」
    警察サイド:岩手県警 刑事課長補佐 名倉警部
    被害者:片瀬五郎
    46番目の密室の次に描かれた火村シリーズ初の短編。雪の東北に「奇想」が映える。

    「蝶々がはばたく」
    警察サイド:なし
    被害者:なし
    庭にも砂浜にも足跡一つ残さず消えた、35年前の蒸発事件を解く。どんな物事にも最後に残る「希望」はある。

  • 短編集です。時系列を無視して読んでいるので、火村先生の過去ってどこまで明らかになってるの?って思うけど、どこまでもそこまでも全然明らかになってないのかな。ところで実は再読なんですが、見事に犯人やトリックを忘れてました(笑)何回でも楽しめるからいいや(笑)

  • 作家アリス&火村先生シリーズ第6弾、国名シリーズ第3弾。短編集で、どれもそれぞれ個性があって面白い。最後の「蝶々がはばたく」は、今読み返してあらためてしんとした気持ちになる。

  • 色んな有栖川ミステリが詰まってる、という短編集ではないかと……。作家シリーズの短編集では、わたしの中ではかなり上位に食い込んでます。とりあえず、「鍵」を読んでもらいたい。笑

  • 火村英生シリーズ

    『ブラジル蝶の謎』
    消費者金融の社長の弟。兄と対立し世間から隔絶した小島で生活していたが兄の死で帰宅。兄の関係者に挑戦を叩きつけた夜に殺害される。現場の壁に張られたブラジルの蝶。被害者の握る携帯電話の秘密。

    『妄想日記』
    火をつけられ死んだ被害者。3年前に起きたひき逃げ事件と分裂症の被害者。被害者の義父母の秘密。

    『彼女か彼か』
    女装癖のある被害者。被害者をとめたという女の証言。被害者と遺産でもめる隠し子と従姉妹。男性をめぐる女性と対立。

    『鍵』
    パーティの終了後一度帰宅したはずの秘書が庭で殺害され発見される。社長の息子の婚約者のイヤリング紛失騒動。現場に残された謎の鍵。

    『人食いの滝』
    「人食いの滝」と呼ばれる滝付近での墜落死。雪に残された足跡。被害者の真新しい長靴の秘密。映画撮影隊と夏に起きた女優転落死の関係。

    『蝶々がはばたく』
    温泉旅行に出かける火村、アリス。火村の遅刻で乗り合わせた乗客との会話。かつて消えた恋人たちの秘密。浜辺の別荘から消えた二人。砂浜に残らなかった足跡の秘密。

     2010年4月4日再読

  • 国名シリーズ第3弾 火村・アリスもの。
    短編集。


    “蝶々がはばたく”が一番気に入ってます。
    安楽椅子探偵モノっぽくて。


    ミスターマリリン 蘭ちゃん  
    担当さんを「新キャラできましたねぇ」と言わしめていたみたいだけど、
    すごく同意。また出て来てほしいな、と思う。

  • ・ブラジル蝶の謎
     関係ないけど、標本ってグロいよね。あれを見ると、キレイだと思う前に刺された蝶を思って顔をしかめてしまう…

    ・妄想日記
     短編だけど、「この人が犯人?こっちかな?」と思いながら読みました。有栖川さんに限らず、最初はみんな犯人に見えないから哀しいよね。誰かが罪悪感を抱かずに他人のフリをしているわけだし。

    ・彼女か彼か
     蘭ちゃんはもう出てこないのでしょうか。すごく好きなのに

    ・鍵
     うわあ、有栖川さんが下ネタ(?)を言いよった!とか思いました(笑)
    でもわかっちゃう私もどうなんだ(笑)まあ、トリックのネタに使うくらいだから普通に常識なんでしょうが

    ・人食いの滝
     これ、アリスと火村の二回目のフィールドワークなんですね。前回は居合わせたから仕方なかったけど、今回はどうしてアリスを連れて来たんだろ。知りたかった

    ・蝶々がはばたく
     最後が…。私は事故が起こった当時、日本にいなかったのでホントに記録としてしか知らないのですが、色んな人に衝撃を与えたのだなあ、とひしひしと感じます

  • 妄想日記の暗号日記今回も解りません。諦めてます。解るはずがなく……。
    人食いの滝と鍵が好きかな。(2009/02/24 18:12頃)
    妄想日記の奇怪な行動の物に関しては「あれ〜、これって…かなあ」と察しました。結構これは分かり易かった。けど、文字が何だったかは不明。全体的に妖しいって雰囲気があった。有栖と火村のコンビが好きだから好きなのかもしれないけど…。ああ、見所は火村先生の浴衣姿ですか?(笑)(2007/12/25 18:25:09)

著者プロフィール

1959年大阪生まれ。同志社大学法学部卒業。89年「月光ゲーム」でデビュー。「マレー鉄道の謎」で日本推理作家協会賞を受賞。「本格ミステリ作家クラブ」初代会長。著書に「暗い宿」「ジュリエットの悲鳴」「朱色の研究」「絶叫城殺人事件」など多数。

「2023年 『濱地健三郎の幽たる事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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