勇気凛凛ルリの色 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062646130

作品紹介・あらすじ

陸上自衛隊出身、ピカレスク人生経由、現在小説家。今や超多忙で絶好調、超有名とサクセスした直木賞作家が、理不尽な宿命を笑いとばす自伝的熱血エッセイ。涙あり笑いあり怒りあり哀しみあり、おのれの目標めざして突き進んだ男の、体を張った文章は、読めば思わずパワーが湧いてくる! 元気が出る1冊!(講談社文庫)


パワーが湧いてくる涙と笑いの成功物語!
陸上自衛隊出身、ピカレスク経由、小説家の体を張った自伝エッセイ。

陸上自衛隊出身、ピカレスク人生経由、現在小説家。今や超多忙で絶好調、超有名とサクセスした直木賞作家が、理不尽な宿命を笑いとばす自伝的熱血エッセイ。涙あり笑いあり怒りあり哀しみあり、おのれの目標めざして突き進んだ男の、体を張った文章は、読めば思わずパワーが湧いてくる! 元気が出る1冊!

感想・レビュー・書評

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  • 浅田次郎さんのエッセイが好きでずっと読んでいます。江戸っ子かと思えばチャーミングな浅田次郎さんのエッセイは気晴らしになり楽しいです。

  • 1994年から1995年の間の週刊現代へのエッセイ
    が おさめられている。
    週刊現代の読者がどんな人なのかを熟知したエッセイとも言える。

    中原の虹を読んで、この男すごい とおもった。
    そして、このエッセイを読んで、浅田次郎のざらざらした部分に
    触れた感じがあった。
    自虐ネタで、作者自身が盛り上がっていたり、
    きらりと鋭く 突っ込み力がある。

    1995年1月17日 阪神大震災
    1995年3月20日の 地下鉄サリン事件
    二つの大きな事件が起こったときに、書かれているので、
    そのときの 浅田次郎の 時代考察に 不思議な眼光を
    発揮している。

    1951年生まれというから 同世代であるが、
    生きている軌跡はまるで違う。
    大学受験を失敗し、自衛隊に二年間入隊。その後
    危ない橋をわたり、マルチ商法で大もうけし、
    小説家をめざし、競馬で儲けて生活し、
    小説が 売れ始めた頃の エッセイであるので、
    その苦労や悲哀が そこはかとなく ものがしく、おもしろい。
    体育会系小説家 というのがいい。

    表題が微妙な言葉を選び、その言葉を定着しようと試みる。
    自衛隊という曖昧な存在への歯痒さ。『防御』
    阪神大震災での自衛隊の救助の遅れはどこからきているのか?
    日本にも『人を見たら泥棒と思え』という時代があった。

    ぼ、ぼ、ぼくらは少年探偵団
    勇気凜凜ルリの色
    望みに燃える呼び声は朝焼け空にこだまする。

    ふむ。歌のメロディさえ思い出した。なるほど。
    さしづめ、このエッセイは 中年探偵団なんですね。

    愛煙家の権利を主張する。それにしても、大人げない。
    ものがなしくも銭湯の進化と変遷。
    自己破産がなかった時代があった。
    折り言った相談は うけておくべきだ。
    拳銃というものが起こす事件は、
    体育会系小説家である浅田次郎は 太宰治が嫌いで 三島由紀夫に憧れている。
    クジにはつよい浅田次郎。
    サチコの死に悔し涙を流す。
    ストリーキングをしたことがある。
    金玉という言葉の含蓄の深さに、おもわずうなづく。
    ハゲという現象を受け入れるための心理学とピアスとの文化比較論。
    老いたという言葉を実際に受け入れるときはどんなときか?
    日本人はなぜ太っていて、電車で漫画を読むのか。
    日式金隠しトイレと西洋式トイレ。
    近視になると不便なことは、
    新聞広告と中吊り。
    競馬がもうかるわけないのに、なぜするのか?
    人には言えない決定的な忘れ物。
    男に尽くす女の歌をうたいつづけた テレサテン。
    なぜ子供のままで成長できないのか?その幼稚性。
    本屋に行くとなぜクソがしたくなるのか?その生理的現象の解明。
    耳にカビが生えるという奇病。
    三島由紀夫の言葉の豊富さ、構文の豊かさ、的確な品詞、
    タイトルの選び方のすごさ。
    なぜか いいときに その醜態はやってくる。その不運ということに、星まわり。
    ろくでなしではあるが、ひとでなしではない。
    閉所恐怖症は 風呂とトイレにどう入るべきか?
    カラオケによって、弾き語りは駆逐された。

    理不尽 朝鮮のプリンスが広島の原爆でなくなった。
    この物語は 秀逸かもしれない。

    山口瞳というひとの つつがない縁。

    おもしろいなぁ。このエッセイ。

  •  『週刊現代』1994年9月〜1995年9月まで連載されていた、浅田次郎さんのエッセイ集。

     駒場東邦中→中大杉並高校→陸上自衛官→小説を書きながらゴニョゴニョと人生経験豊富な浅田先生なので、(しかも普通の人が経験してない事をたくさん経験されてるので)、めちゃくちゃ面白い。

     『鉄道員(ぽっぽや)』『壬生義士伝』『帰郷』とかしか読んでない方はビックリすると思います。先生の作品を色々読んだ私は、「浅田次郎さんって8人くらいいるんじゃ?」って疑ってる。

     爆笑の連続なので、このエッセイを読んでみて欲しいです。ちなみにこの連載中に『地下鉄(メトロ)に乗って』で吉川英治文学新人賞を受賞されてます。

     あと、阪神大震災やオウム真理教の事件(地下鉄サリン事件など)の頃のエッセイなので、勉強にもなります。

  • 読み応えたっぷり。浅田次郎が小説よりも奇なる人生を歩んできたのがよく伝わってきた。笑ったものも多かったが、「サチコの死について」、「鬼畜について」、「縁について」が印象に残った。それにしても怪しい風貌だな。

    サンキュー、勧めてくれてありがとう。

  • 今をときめく浅田次郎が全盛突入前の43〜44歳時に書いたエッセイ集、2年間の自衛隊生活やヤクザな稼業を体験して自称 世にも稀な体育系作家と宣うけど、いやいやどうして喜怒哀楽をストレートに筆にしていて面白い! 学歴も職歴も無いと卑下されるけど子供の頃からの悲願だった小説家になったのは非凡な何よりの証だ♪ さて、上品じゃない箇所もあるがふんだんにまぶしたユーモラスな表現に大笑しながらも時に振るわれる真剣に刮目させられる。タイトルにすぐさま歌が口ずさめる世代も さっぱりピンと来ない世代もあまねく読める秀逸なエッセイ集、続編が続いた理由もよく分かります。

  • なかなか面白いね

     ショートショートだから一話一話細切れ時間に読める。文章上手だなぁと、いまさらながらに感心する。プロは違うな。だから、面白いエピソードがより面白く伝わる。

     おもわず笑ってしまったのは、やはり洋式トイレかな。逆にまじめなサチコの話もよかったかな。

     まだ続編がたくさんあるから、一応借りてみよう。

  • まだそれほど有名になる前のエッセイ。
    だから電話が鳴ると「直木賞か!?」と身構えることも。
    偽悪者ぶるのも、やや力みすぎのきらいが初々しい。

    びろうな話、下世話な話、そして今はもう時効だと思うけど…の、違法行為の話の中に不意に姿を現す作家のまなざしが素晴らしい。
    ということで、電車の中で吹いたことは内緒だ。

  • 浅田次郎がこんな人だとは知らなかった!
    めっちゃおもしろい!
    面白いだけじゃなく、すごい人。

  • 1994~95年当時、週刊現代のエッセーとして掲載されていたものの文庫版。当時の世相あり、また著者の生い立ちあり、身の回りの出来事あり、で不謹慎ながらと前置きしつつも、笑いが絶えないエピソード多数。なかには社会派の鋭いキレ味を見せる批評もあり。硬軟使い分けて飽きさせない。今となってはなかなか見聞きすることない言葉や言い回しもまたスパイスのように響いてくる。

  • 浅田さんの本は色々読んでいたけれど、エッセイは初。
    面白いとは聞いていたけれど、コミカルですごく読みやすい!これは『蒼穹の昴』を書いてる時の話かーとか、『歩兵の本領』はこういうバックグラウンドがあってこそなんだなーとか考えながら一気に読みました。
    このシリーズの他のものも読んでみたいなぁー。

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著者プロフィール

1951年東京生まれ。1995年『地下鉄に乗って』で「吉川英治文学新人賞」、97年『鉄道員』で「直木賞」を受賞。2000年『壬生義士伝』で「柴田錬三郎賞」、06年『お腹召しませ』で「中央公論文芸賞」「司馬遼太郎賞」、08年『中原の虹』で「吉川英治文学賞」、10年『終わらざる夏』で「毎日出版文化賞」を受賞する。16年『帰郷』で「大佛次郎賞」、19年「菊池寛賞」を受賞。15年「紫綬褒章」を受章する。その他、「蒼穹の昴」シリーズと人気作を発表する。

浅田次郎の作品

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