日本の男を喰い尽くすタガメ女の正体 (講談社+α新書)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062727969

感想・レビュー・書評

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  • キャッチーなネーミング。前半は、いるいるそういう女といったユーモアある考察から、後半は学者らしい演繹的手法による「箍」の考察
    10年程前の出版で事例の古さは否めないが、深尾教授にはぜひ新バージョンを執筆していただきたく思いました。
    一読して損はないと思います。
    本人が意識しているか、無意識かはわからないが、さまざまな箍を嵌めて、嵌められて生きていることの弊害。危惧すべきは、親から子への箍の伝播。

  • いろんな観点が興味深かったが、内容はそんなに濃くないような気がして、最後はあんまりしっくりこなかったなぁ・・・

  • 【本書のポイント】
    ❶「結婚」や「家庭」と言うものを無前提に「幸福なもの」とするのは、幻想や思い込みに過ぎない。
    →捕食者が獲物の「生」を奪うことで、維持されているものでしかない、と言う現実を直視する恐怖。
    ❷「恋愛結婚」に恋愛なし。
    →「今の彼氏は好きだけど、結婚の対象じゃない」
    ・その彼氏と言うのはだいたいサラリーマンなどではなく、夢を追ってバイトで生計を立てているような若者だったりする。「恋愛」とは全く関係のない結婚の現実がそこにはある。
    →つまり、「恋愛結婚」と言いながらも、実態は大きくかけ離れており、正しくは「正社員だけが受け取れるシステム」と呼んだ方が良いという位の現実なのである。
    ❸タガメ女にならないための秘訣は?
    →1人1人が自分の頭で考えて、自分の魂と向き合って正直に生きる。
    【メモとアクションプラン】
    ★タガメ女とは?
    →子供の頃から、「女の幸せとはこういうものだ」という「箍」をはめられ、社会に出て、「結婚したら家庭におさまるのが幸せ」というサイクルでなっていってしまう女性のこと。
    →昔ながらの社会的構造が悪い。
    →思考停止してしまう自分が悪い。
    ・そうならないためには?
    →「自分なりの幸せ」を見つける。
    →「自分の頭で考える」癖をつける。

  •  日本の男女間の現状をかなり過激に分析した社会風刺本。タイトルと冒頭をちょっと読むだけで人によっては相当な嫌悪感を抱く内容。事実関係だけをみれば多くの論調には賛成せざるをえないし、皮肉を込めた描写には思わず笑ってしまうこともある。しかし本著の本質は、そういった現実について環境問題を絡めた社会的歴史的分析をしている点にある。そしてその視点は今回取り上げられた問題だけでは済まない奥深さを秘めていると思われるのだ。著者の専門領域から「魂の植民地化」というキーワードを提唱して、広く警鐘を鳴らしている。最後まで読んでこうしたメッセージを読み取らないと単なるミソジニー論で終わってしまうこととなるだろう。

  • 専業主婦を中心としたタガメ女とそれに捕食されるカエル男について書かれた本。
    まあ、よくもこれだけ同性の女性のことを悪く書けるものだと感心しましたが、結構面白かったです。
    タガメ女の策略がはまらないように、頑張って生きていきたいと思いました。

  • 前半はデータ、後半はエピソード重視なので信憑性は読む人次第。自殺者の大半は男性という事実からの理論展開は、見逃せない。前半の愉快な切り口から、後半の怖い事例を挙げて紹介している辺りが妙。

  • 話題になっていたので、読んでみました。


    前半は、「いるいる、こういう人」と思いながら、面白おかしく読んでいましたが、後半は、根の深い社会問題であることに気づかされました。

    特に、子育て中の身にとっては、タガメ女が育てた子どもの将来が心配でなりません。タガメ女の子、子タガメが増殖する社会になってしまったら、と考えると恐ろしいです。


    学者や専門家の方々が世直しの議論をするより、実際に社会生活を送っているタガメ女、その周囲の人、タガメ女を生みだした社会構造に関わる全ての人たちが、胸に手を当ててみるきっかけとして、存在価値がある一冊だと思いました。


    ところでタガメ女……「箍」がはめられた女、どうも私にはなれそうにありません。自分がやりたいと思うことを、自分のやり方で、自分がやる。それが面白いのになぁ。

    「考えて、行動する」っていう贅沢、楽しいじゃありませんか。

  • 友達に薦められて読みました。タガメを箍にかけて、社会問題を解きほぐすあたりに視点の斬新さを感じました。

  • ある意味、的を得ている内容。
    (表題の作り方がうまいかなと・・・内容に比べ)

    ”だからどうする”という部分が非常に薄い感じではあるものの、実態分析という視点では一読してもよいかもしれません。

    まあ、”搾取”というのは、歴史が繰り返して来ているもので、見た目は正義でも実際は搾取(欧米諸国の政策とか)というのが世の常ですからね。


    個人的には、それで結婚減少、少子化していくのは課題だとも思っています。国力は、なんだかんだ言って、人口ですから。

    そういった視点での、提言があったらよかったと思いますね。

  • 箍女(タガメ)の研究所。男を箍にはめる女は、息子や娘も箍にはめ、箍女の再生産がなされる。箍女自体も自ら同種の間で箍にはめる。箍だらけで八方ふさがりの世の中が生きづらい。箍を外すためには自分で考えろ!と。ヒントを言うと、また、新しい箍になると。箍女の由来を60年代に求めているが、60年代以前はどうだったかを言及してもらいたかった。

著者プロフィール

大阪大学大学院言語文化研究科准教授。1963年大阪府生まれ。1985年大阪外国語大学卒業。1987年大阪市立大学大学院東洋史専攻修了後、大阪外国語大学助手、講師、准教授。2007年より大阪大学大学院経済学研究科准教授を経て2018年より現職。経営学博士。
専門は中国の社会生態学的分析、中国内陸農村部における環境問題、里山経済のマネジメント等。
単著に『魂の脱植民地化とは何か』青灯社(2012)、共編著に『現代中国の底流』行路社(1990)、『黄土高原の村』古今書院(2000)、『満州の成立』名古屋大学出版会(2009)、『黄土高原・緑を紡ぎだす人々』風響社(2010)、『香港バリケード』明石書店(2015)等がある。

「2018年 『黄砂の越境マネジメント』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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