- Amazon.co.jp ・本 (520ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062730129
作品紹介・あらすじ
T大学大学院生の簑沢杜萌は、夏休みに帰省した実家で仮面の誘拐者に捕らえられた。杜萌も別の場所に拉致されていた家族も無事だったが、実家にいたはずの兄だけが、どこかへ消えてしまった。眩い光、朦朧とする意識、夏の日に起こった事件に隠された過去とは?『幻惑の死と使途』と同時期に起った事件を描く。
感想・レビュー・書評
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前作の間の別事件の話。
犀川先生と萌絵の出番は少なかったけどとても楽しめました。
このシリーズももぅ少しで終わってしまう。でも森先生の本はまだ沢山あるのでまだまだ楽しめそうである。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
S&Mシリーズ7作目!
奇数章だけという前作に続いて
今作は偶数章だけ
ということよりも何よりも
あくまで前作の奇数章の方で動いてるからか
今作はS&M視点で話が進まない…
大半がM=萌絵の親友であり
今作の事件の渦中の人物でもある
杜萌視点!
S&Mの会話や空気感が好きな身としては
物足りない…
もちろん2人のちっとも進まない関係は
出てこないのだから
尚更進まない…
杜萌視点だと昔の萌絵と今の萌絵が
友達目線で同じレベルで描かれるから
そこは楽しめた。
今までも萌絵の友達ポジションはいたけど
今作の杜萌は親友というだけあって
萌絵の過去を知っていて
萌絵としっかり繋がっているというか
それでいて
同種というか同等というか…
そして今作は萌絵の代わりではないだろうけど
萌絵の叔母の睦子さんが
ちらほら出てきてくれるのが救い。
「あんなにお優しくてはね、ちょっと大物にはなれません。これ、嫌味じゃなくてよ」
なんて、叔母さまが言うからこそ素敵。
乗馬とゴルフの小話も良き。 -
1998年作品
萌絵の友人の犯行動機・計画がピンと来なかった。
なぜ、被害者の元カノと彼、共犯者の彼と萌絵の友人の関係が警察に分からなかったのだろうか??
盲目の兄について、家族が隠す理由も分からなかった。ノイローゼの治療?お金?
現実と妄想が分からなくて、困った。そういうミステリーなんだったんだろうか? -
今回は前の巻と同時進行で起こった、萌絵の友人宅での事件。
単純なようで不可解な事がチラホラと出てきて、やっぱり簡単には解決しない。
最後に萌絵が事件の真相を突き止めた時には悲しくなった。
最後の最後に少し救いがあってほっとした。
犀川先生の登場が少なかったけれど、人伝に事件の話を聞いてトリックが分かるって本当に凄い。
いつの時点から分かっていたのかな?
萌絵の叔母さんと犀川先生の会話シーンは面白かった。
また、犀川先生の妹の世津子さんに良い出来事があってほっこりした。 -
幻惑の死と使途と同時進行。
幻惑の死と使途は奇数章しかなく、こちらの夏のレプリカは偶数章しかない。
面白い手法だなぁと思う。
どちらかというと、幻惑の死と使途の方が重たく深い感じがする為、順序が逆の方が良かったのでは?と思うが、このシリーズ作はどれも程よく楽しめる。
幻惑の死と使途と連続している為、余計に犯人に意外性があった。
しかし、どんどん犀川先生の出番が減ってないかな・・・。 -
真相後、ある人物との偶然の出会いが、読み手の理解を惑わせる…
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お嬢様大学生・西之園萌絵は、高校時代の親友・簑沢杜萌(みのさわともえ)と久しぶりの再会を果たした。
しかしその後、実家に戻った杜萌、そして杜萌の家族も、何者かに誘拐されてしまう。
不可解な出来事のあと、無事に解放された杜萌と父母・姉だったが、誘拐されなかった盲目の兄・素生(もとき)の姿が見当たらないことに気づく…
誘拐犯の真の目的とは?
そして兄・素生はどこに消えてしまったのか…?
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S&Mシリーズ第7作。
第6作の事件とほぼ同時期に起こった誘拐事件とされており、「夏のレプリカ」には偶数章しかない構成になっています。
そのため、シリーズレギュラーの萌絵と犀川助教授も、2/3ほど読んだところでやっと登場しており、前半は杜萌とその周囲の様子が延々と語られています。
この下りが正直長い。長すぎるのです。
やっと犀川が登場したかと思ったら、犀川が発するキーワードは本作ではなく、実は第6作の事件のキーワードだったりするため、ものすごく混乱しました。
また、犯人がわかったあともその動機については上辺をさらっと撫でた程度しか文書になっておらず、その先は読み手の想像に任されています。
まだそれだけなら☆3つだったのですが、ラストで萌絵がある人物と偶然再会したことにより、わたしの思考は一気に大混乱しました。
読み終えたわたしの第一声は「え、どういうこと?!」でした。
誘拐事件のトリックと犯人は判明したのに、それは知りたかった謎のごく一部に過ぎず、本当に知りたかった謎については情報があまりにも少ない中、「自由に想像してくださいね」と、バトンをポンと渡された感じがして、ものすごくもやもやしました。
読み手に託された「真相はご自由に想像してね」の分量があまりに多すぎると、こんなにも、すっきりしないものなのだな…ということがよくわかりました。
また「夏のレプリカ」というタイトルと内容の整合性も今ひとつ腑に落ちませんでした。
あ“ーーーーーもやるーーーーーー!
(しつこい)
しかしながら、もやもや感は抱えつつもなんだかんだで最後まで読まされてしまった…読み切れてしまったのが、ヤラレタ感がすごくて悔しいです(日本語になってない)。
いろいろともやもやポイントはありつつも、最後まで読み切れたことを加味して、☆2つとさせていただきました。
さて第8作に向かうぞー!