火怨 上 北の燿星アテルイ (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (504ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062735285

感想・レビュー・書評

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  • 漫画「キングダム」が映画化され話題になっている。
    (原作、一所懸命読んでいる)

    あ、大沢たかおさん出演しはるんや。

    大沢たかおさん、コロコロ変わる私の好きな俳優さんランキングで常時上位にいらっしゃる。



    そうだ、大沢たかおさん主演で昔ドラマ化されて、読んでないやつあった!

    なんで、読んでなかったのだろう。

    坂上田村麻呂、こんな所で活躍される方なのね。
    下巻でご活躍かしら?

    ちゃんと勉強してなかったから、小説を読んで初めてちゃんと認識する歴史上の人物多いなぁ。

  • <上下巻通してのレビュー>

    辺境と蔑まれ、それゆえに朝廷の興味から遠ざけられ、平和に暮らしていた陸奥の民。八世紀、黄金を求めて支配せんとする朝廷の大軍に、蝦夷の若きリーダー・阿弖流為(アテルイ)は遊撃戦を開始した。北の将たちの熱い思いと民の希望を担って。
    古代東北の英雄の生涯を空前のスケールで描く、吉川英治文学賞受賞の傑作。


    涙をこぼしながら読み終えました。感情移入してしまい、もう、涙、涙なのです。

    陸奥の地に平和を愛し、自然とともに住む蝦夷という民がありました。
    朝廷は、この地から出る黄金を欲して蝦夷討伐に乗り出します。
    蝦夷たちは自分たちの生活に必要のない黄金になど興味はなかったが、『人』としての扱いを求めて朝廷と戦うことを決意し、若干18歳の阿弖流為(あてるい)が皆を率いることになります。

    軍師には、その天才的な頭脳で敵の裏の裏まで読みつくす、黒石の母礼(もれ)。
    はじめ離反して朝廷につこうとしたが、阿弖流為の言葉に心を動かされ、その後右腕となる飛良手(ひらて)。
    陽気で血の気は多いが常に阿弖流為の理解者である伊佐西古(いさしこ)。

    力強い仲間を得、物部一族からはさまざまな物資、援助を受け、次々と朝廷から遣わされる討伐隊を退けていく蝦夷たち。
    何度も繰り返される戦いの中で、成長していく阿弖流為。どうすれば朝廷は蝦夷を『人』として扱うようになるのか、われらも都の人と同じ血の通う人間であるとわかってもらうにはどうすればよいのか、これからの蝦夷が平和に暮らしていくために阿弖流為が取った方法は……


    「俺たちはなにも望んでおらぬ。ただそなたらと同じ心を持つ者だと示したかっただけだ。蝦夷は獣にあらず。鬼でもない。子や親を愛し、花や風に喜ぶ…」


    朝廷側の征夷大将軍である坂上田村麻呂と、蝦夷の阿弖流為らの間にあるお互いを尊敬しあう心の中が分かるだけに、何度読んでも涙が止まらない作品でした。

  • 先月平泉に旅行する際にかの地の歴史を調べ、アテルイのことを知った。
    旅行した地名が出て来て想像しながら読むのはとても楽しく、下巻がとても楽しみ。

  • 東北の地を巡り蝦夷と朝廷軍の戦いを描いた作品です。策謀に重ねる策謀で、朝廷軍を翻弄するあたりは痛快で、目が離せなくなります。もっと東北の地理関係がわかっていれば、もっと楽しめるのに。

  • 鮮麻呂の乱を別の角度から描写した冒頭から、風の陣とは打って変わって積極的に攻めに転じる蝦夷たちの行動力、戦術の巧みさ、そして阿弖流為を中心にした団結力など、思わず惹き込まれる爽快な上巻でした。
    歴史は変えられないと分かっていても、代々の蝦夷たちが夢見た、穏やかな生活を送る日が来ることを願ってしまいます。

  • 風の陣よりも場面展開に勢いがあり、引き込まれて夜遅くにも関わらずついつい読み進めてしまいます。
    苅田麻呂/田村麻呂のそれぞれの人徳と、蝦夷との情を交えた関係を考えると、阿弖流為を討ち取る歴史的な結末にどう繋がるのかと、ハラハラするのです。

    登場人物の性格の違いが、文中のセリフで生き生きと表現されているところも魅力です。
    風の陣に引き続き、次々と策があたっていくのが爽快です。

  • 下巻へ

  • 良いですね、理想に燃える若武者。
    アテルイに関する小説は先年、澤田ふじ子さんの「陸奥甲冑記」を読んでいますが、比較すればこちらの方が随分とダイナミックで(当然の事かも知れませんが)男性的な魅力があります。紹介してくれたShortさんの言われる如く、主要登場人物が皆さわやかで、しかも個性がしっかりした”イイ男”達です。戦闘シーンも随分と迫力があります。
    難を言えば、ちょっと格好良すぎることでしょうか。その為かやや上滑りな感じもしないでもありません。その当りの感覚は同氏の「炎立つ」にも有ったと思います。
    何れにせよ、本格的な歴史小説で、面白く読ませる作品でした。

  • 読了。レビューは最終巻で。

  • まだ日本が今ほどひとつじゃなかった頃、奈良時代末期の物語。金が採取される山があって、それをめぐる戦いが、即ち蝦夷との戦いだったんですね。授業では時間が無くて仕方が無いんだけど、年代と人物と出来事を詰め込んだだけで、どういう事件だったのかとか、背景にまつわる部分は本当に知らないことばかり。小説だけの脚色とか、もちろん多々あるんだろうけど、それにしてもこうやって描かれると、随分興味の持ち方も違ってくると思うんですけどね。いわゆるゲリラ戦で少が多を挫く、って内容に終始しているけど、ここからの後半で逆転劇が起こるんですね。ちょっと寂しいけど。ってか、敢えて苦言を呈するなら、政府軍の不甲斐なさが目立ちすぎる感じもしました。ここからの苦戦を際立たせるために、ここまでは寧ろやり過ぎなくらい、勝利を演出しただけかもしれませんが。

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著者プロフィール

1947年岩手県生まれ。早稲田大学卒業。83年『写楽殺人事件』で江戸川乱歩賞、87年『北斎殺人事件』で日本推理作家協会賞、92年『緋い記憶』で直木賞、2000年『火怨』で吉川英治文学賞を受賞する。他の著書に『炎立つ』(全5巻)、『天を衝く』(全3巻)などがある。

「2009年 『To Tempt Heaven』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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