- Amazon.co.jp ・本 (472ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062736794
感想・レビュー・書評
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最高に面白い!
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とんでもない。
それがこの本を読んだ感想。池井戸さんが銀行出身なのは周知の通り。その知識をいかしたとしても、この類いまれなるシチュエーションを構築できる小説家は居ないだろう。
取っ掛かりは、銀行員出身の先生が、生徒から受ける相談事。それが、町全体をカオスに陥れるほどの争乱になろうとは、誰が思うだろう?次から起こる騒動、張られる伏線、それを回収する度にどんどん話が大きくなっていく。
本に没入する感覚を、久々に感じた。読んだあとの感想?もっともっと続きを読みたい! -
この本は貨幣制度とマネーロンダリングの仕組みを丁寧に教えてくれる教科書か?
と思うぐらい、説明がわかりやすくて詳細で非常に為になる一冊。通貨とは何か。信用とは何か。インフレの末路とは。
そしてこの要素だけで、ここまでリアリティのある恐ろしい結末を描けるのは、流石の一言。
途上国ではこういう事が日々起こっているんだろうなと容易に想像できるし、それが日本で起こっても全く不思議ではないと思える巧みなストーリーです。物語の舞台となる東海地方の「田神町」が、かつて亜鉛の鉱山で栄えた岐阜県の旧神岡町をモデルにしている点もリアリティを増す要素。
元商社マンの高校教師とその生徒、という主人公達の設定の必要性については終始??だったが、まあきっと他の設定では諸々上手く行かなかったのでしょう、と納得しておく。 -
今どきの架空通貨ではなく、ちょっと昔の話。
金に群がるイヤな話の中で、ほんのり甘い話も。 -
面白かった!ここ最近は実用書しか読んでいなかったので、世界に浸りながら楽しく読めました。
本書には大〜小規模の経営者、その家族、アナリスト、銀行マンなど会社の運営に関わる様々な立場の人物が登場しています。彼らの謎解きや奮闘は、いち末端社員でしかない自分の目にはとても新鮮に映りました。
本書を読んだのはコロナウイルスによって人や物の動きが停滞してしまった2020年2月現在。インバウンド前提の観光業や、海外に大きく依存した生産ラインが深刻な影響を受けているのを見て、ふと関連企業の資金繰りを心配している自分に気がつきました。これまではこういったニュースを見ても、いまいちその影響を想像できておりませんでした。不勉強な自分の視野を広げてくれた池井戸さんに感謝です。(コロナに関しては、国民で力を合わせ、なんとか無事にこの難局を乗り切れるよう祈るばかりです。。) -
年明け最初の一冊。楽しませて貰いました!
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ドロップアウトして社会科教師をしている辛島先生がかっこいい。
また倒産寸前の会社のために奔走する麻紀ちゃんは高校生であることを忘れるくらい会社経営者とみえるのもおもしろい。
物語自身も面白かったが、壮大な復讐劇を成し遂げた加賀さん、やはり金融の世界で活躍するのが素敵に思える辛島先生のその後の活躍をみてみたい。 -
「半沢直樹」で一躍有名になった著者が、初期の2000年3月に書いた「M 1」を03年に改題した作品。昨年夏・友だちのFさんに教えてもらった本、ようやく読みました(遅くなりました)。
架空の企業城下町・田神町、その町にある田神亜鉛が発行する社債や架空通貨である田神札が下請け企業や地域の人々の生活を蝕んで行くという物語。銀行マンとしての経歴をもつ著者だからこそ展開できるストーリーに、ぐっと引き込まれました。
とても面白かったです。同時に、架空で済まされない現在の社会につながる怖さ・お金が人間に対してもつ影響力等について考えさせられました。
お勧めの一冊です。 -
創造力と想像力の豊かさに驚かされました。マネロン、通貨の発行、破産、期失、差押など、自分にとって身近なことが多いので、親しみやすさもありました。
ミステリーとしても、金融関係の本としても面白かったです。