将棋の子 (講談社文庫)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062737388

感想・レビュー・書評

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  • 「将棋の子/大崎善生」前から読みたいとは思っていたのだけど、いざ読んでみると。泣いたわー。切ない。

  • 2017.8/13 名作コミック「3月のライオン」からこっち将棋の世界への関心が続いているなかでの藤井四段の登場で益々高まってまして本書を手にとってしまいました。ノンフィクション。ひと握りの輝くものの陰に能力がありながらも消えていく者の悲しさが辛すぎるけど現実なんですね。羽生さんの超人さを改めて知ることもできました。

  • 切なかった。将棋が好きでプロになろうとしてなれなかった人たちの末路を描いた傑作。

  • 棋士になれなかった者たちのその後を追ったルポルタージュ。
    著者の同郷・成田英二を中心に将棋ライター・アマゾンに行った者将棋連盟職員になった者と様々です。
    小さい頃から将棋の天才といわれた人達が集まる奨励会。しかし、プロ棋士になるためにふるいにかけられます。今まで将棋しかしていなかった人間が社会に出ていったいどいするのか。棋士になれなかといった後悔とどう向きあうのかといった人生がかいまみえます。
    成田英二は不幸が重なり、著者が会いにいくまで苦しい生活をしていました。しかし、著者と会い「将棋は自分の自信になっている。支えなんだ。」と言い切る成田英二の姿に胸がつまりました。将棋は厳しいだけではなく優しいもの。自分が好きなもので頑張れたものがある人は羨ましいです。

  • 【友人蔵書】小説かと思ったらノンフィクションだった。正直なところ将棋に思い入れはなかったが、読むうちに自分が身を置いているサッカー審判の世界と重なり、また中学生の悩める息子の姿とも重なって、一気に読むことができた。ピラミッド型に構成される実力の世界では、僅かに頂点に君臨する人・チームの下に累々たる敗者が存在する。その敗者に焦点を当てた本書は、自分も含め挫折を知る人々の共感を得るに難くない。思いもかけず良書を紹介してくれた友に感謝だ。

  • 近頃の将棋フィーバーに乗じて。

    奨励会の年齢制限の重圧は、想像していたよりも重かった。
    会員は皆、地元では天才・神童と言われていたのに、
    四段への道はとても遠い。

    今メディアで注目を浴びているプロの影には、
    こうして届かなかった人達が
    たくさんたくさんいると知った。
    そしてその一人一人に後悔と挫折感と将棋への想いがあることも。

    でも、特に極めたものがない私からしたら、
    ここまでのめり込める世界があるのは幸せだとも思った。

  • 日本将棋連盟でプロ棋士を目指す奨励会の会員の話。

    プロ棋士の成功譚はこれまで聞く機会あったけど、あと一歩で挫折した元棋士の話は知る機会がなかったので新鮮だった。
    野球でいう『戦力外通告』と同様。
    違うのは、彼らがプロになれないことか。

    全般的に成田と著者大崎の友情物語がメインだけど、それ以外の棋士の話も面白かった。
    中座、岡崎やは棋士になった(中座は定跡作って歴史に名前刻んだ)けど、やっぱりそれ以外の人の方が真に迫る感じ。

    一番立派なのは一念発起して司法書士になった米谷だけど(どっかで似たような話を聞いたような?)、一番面白かったのは森信雄の一言で本当に世界放浪しちゃった江越。
    でも誰が面白かった。

  • 藤井四段の活躍に触発されて読んだ。改めて、将棋の世界でプロとして活躍する厳しさ、難しさ。いや、プロになることさえ常人には理解できない世界であると改めて思い知った。

    藤井四段は14歳でプロ棋士という事だけでも凄いことだが、29連勝というのは本当に想像を絶する。


    夢叶わず将棋の世界を諦めた一人一人の生き様、筆者の暖かい眼差しに胸を打たれた。

    どん底まで落ちた成田英二の純粋さ、優しさにはなぜか惹きつけられる。結構辛い話なのだが、それがあるので読後感もp.温まる。

  • 藤井四段の快進撃で、いままた注目を浴びる将棋界。しかし、プロになれるのはほんの一握りの人(年に4人)のみ。全国から集まる天才少年たちがしのぎを削る奨励会には26歳までに四段になれなければ退会という厳しい規定があり、ほとんどの天才たちは、プロをあきらめ、新たに生きる道を探すことになる。

    本作は、奨励会で四段になれなかった天才たちに焦点をあてる。運命のいたずらで四段になれなかった者、退会後に放り出される社会の底辺でもがく者、そこから新たに生きる道を見出す者。

    ものすごくリアルな人生に寄り添ったノンフィクション。だが、自らも将棋に関わる仕事をしてきた著者の、夢破れた者たちに注ぐ目線は優しい。読みながら、自分も彼らを応援したくなると同時に、自分の人生に対する姿勢も見つめなおしたくなった。素晴らしいノンフィクションの名作。

  • 最年少昇段記録・連勝記録の藤井聡太四段が注目の的だが、奨励会で勝ち残りプロ四段になれるのは年4人のみで年齢制限がある、夢破れ退会せざるを得ない若者の悲哀、厳しい世界だ。

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著者プロフィール

1957年、札幌市生まれ。大学卒業後、日本将棋連盟に入り、「将棋世界」編集長などを務める。2000年、『聖の青春』で新潮学芸賞、翌年、『将棋の子』で講談社ノンフィクション賞を受賞。さらには、初めての小説作品となる『パイロットフィッシュ』で吉川英治文学新人賞を受賞。

「2019年 『いつかの夏 名古屋闇サイト殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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