夢・出逢い・魔性 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 3893
感想 : 288
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062738064

感想・レビュー・書評

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  • 今回は普通のライトミステリーといった印象の作品で、読みやすいものの森氏らしさに欠けていました。
    お約束のラストに用意されたどんでん返しもややインパクト不足。
    でもレギュラー陣がとても活き活きしており、シリーズとしては本領発揮といったところでしょうか。

  • この題名が一番好き。
    夢・出逢い・魔性。
    You may Die in My show.
    それでは夢で逢いましょう。

  • 4+ 

    心を裸にしたままで生きて行くのは不可能だ。
    もちろん体を裸にしたまま生きて行くのは言わずもがな。
    故に人は何かを“かぶる”。
    自分がどう見えるか、自己をどう感じるか、という意味ではこれもひとつの“認識”。
    では、かぶっていると認識している自分は果たして何もかぶっていないと言えるか。
    それすらもかぶりものだとしたら、まるで人間はたまねぎだ。
    本当の自分って何だろう。

    読了後、“一週間まえじゃあ、いいとこ、かぶりものくらいしか、呼べませんよ”あたりのやりとりまでもがある種の伏線であったことに思わず唸る。

    それにしても、本編で名前が出てくるまえに犯人を特定できるようにしてしまうだなんて、やっぱりちょっと変わってるというか、フェアすぎるというか。「あれ?、まだ名前出てないよな」と思い登場人物表を確認し、「あった、じゃあこれから出てくるのか」という未だかつてない体験をした(登場人物表の意外な利用法と言っていいかもしれない)。したがって犯人の名前が初めて出たときの供述が虚偽であることもその時点でわかる。新鮮である。

    それでも読み手にはたったひとつの謎(矛盾?)だけがひっかかり続ける。最終的に真相が明かされたとき、そのひっかかりそのものが本作の縦軸の一つであったことがわかり、ひっかかっていた分だけ結果的に強い印象として残る。ある意味、フーダニットを捨て駒にして、小説としての主題をより読み手に伝えるようにした、実に巧妙なやり方だと言える。ミステリィという体裁自体がかぶりものであったとも言えるかもしれない。なんという入れ子構造。超絶技巧。

    まあ意図的にそうしたとすればの話であるが。深読みしすぎ?そうかもしれない。でも深読みする余地があるってのは悪くない。

    また本作には(本筋の謎解きとある意味リンクしていなくもない)他愛ない叙述トリックが仕組まれているが、やられない体質のせいかいつも通り騙されることはなかった。 ただ、本作中でタネ明かしをしないのではないかと思っていたので、そういう意味では少し驚いた。親切である。

    ちなみに作中4回ほど爆笑した。不意打ちユーモアには弱い。

  • 2013.7/13

  • 新キャラ登場なのかな。

    ここまで一気にVシリーズ読んできたが、S&Mシリーズはブラックのホットコーヒーを飲みながら読みたくなったけど、、犀川先生をかぶりたい感じで。Vシリーズはビールを飲みながら読みたくなるシリーズだわ。


    風林火山の理由が知りたい。

  • 殺人は当然ながらよくないことであるけれど

    「愛する人を殺す」

    というのは綺麗で歪んだ思考だと思う。

    もちろん、現実にはしない。

    別の愛する人を悲しませるから。

  • 犯人が意外だったような、いつもこんな感じなような…
    どちらにせよ、おもしろかった。(2013.6.7)

  • 今までで一番面白かった!

    やられました!という感じ。
    Vシリーズにどんどんはまっていきます。


    まず、タクシーの運転手の性別にびっくり。
    そして、稲沢の性別にもまたびっくり。

    森さん、まぁよくやってくれるもんだ。

    夢で会いましょう。

    とかけているのもこれまた素晴らしい。

  • 東京のテレビ局で、プロデューサーが夢にみる女に殺される。V-4。
    展開はよめるが世界観は割りとすき。スカウトされる練無に笑。

  • とにかく練無と紫子ちゃんのコンビが好きなので、すらすら読みすすめました。ただ、動機やトリック(?)の解明は結構さらっと呆気なく終わってしまって、ちょっと物足りない感じ。ミステリ要素がどんどん薄れているような。

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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