99%の誘拐 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 604
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062747875

感想・レビュー・書評

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  • なんと言っても凄いのは、これが1988年の作品だということ。
    まだ、携帯電話など、影も形もなかった時代の話。
    その時代に、この、ハイテクなストーリーは凄すぎる。
    実に読みやすいし、スリリング。
    どういう結末になるのかと思ったが、個人的には納得。

  • 30年以上前に書かれた作品にもかかわらず、犯行にコンピュータが使われていて、ハイテクを感じさせます。さすがに今と比べたらコンピュータが一昔前のような感じがする部分もありますが、作品としてはあまり時代を感じさせることなく、非常に面白いと思います。完全犯罪を成し遂げようとするスリルがあり一気に読めてしまいました。

    時間の経過による二部構成になっているのですが、犯人と警察の駆け引きが興味深くドキドキします。人が殺されない犯罪ものの作品もたまには良いなと思いました。

  • 昭和43年、3億円事件の年、5歳の息子の誘拐事件、身代金5千万円は会社存続がかかった全財産、金塊に換えフェリーから瀬戸内海に投下。昭和62年、ネットゲームで中学生を誘拐、身代金は10億円、ダイヤに換えてスキー場のリフトに乗せる。

    ナローバンド時代の超ハイテク。今の無線ブロードバンド時代だと、どんなすごい方法になるんだろうと思いました。

  • 犯人が直接被害者のいる場にいるのが面白かった。

    犯人が自作自演する中で、一体どのような結末になるのか?とても気になりながら読み進めた。

    金塊の件は最初よく分からなかったが、最初の事件の真相が少しずつ明かされ、なるほどと思った。

    最後に間宮の言い分を聞いたときには思わずしょうがないかーと思ってしまった。

    父の無念を晴らす為、圧倒的な技術力を手に完全犯罪を成し遂げとげる…
    スピーディーな展開にハラハラしながら読み進められる作品…

    実に面白い

  • パソコン使った斬新な誘拐の方法についての話が中心で、人物の心理描写が薄い。
    最後まで退屈はしなかったけど謎という謎が無いからラストは盛り上がりに欠ける。

  • 面白くて一気に読み終えた。
    ドキドキ感は無いけれど、この復讐劇の最後も良かった。

  • 30年以上前の作品という事実にビビる。通信技術、工学、音声合成を駆使したハイテク誘拐エンタメミステリー!

    かつて自身の親に仕組まれた誘拐事件に復讐するために、最新技術を駆使して仕返しの誘拐事件を実行する。前代未聞の誘拐計画は果たして成功できるのか…

    1988年の作品ということは、昭和63年ですか。
    東京ドームができた年、ファミコンでドラゴンクエスト3が出て、ドキュメントはワープロで作ってた時代ですね。実に34年前ですか。

    相変わらず、未来発想力がスゴイすね。いまだったら、技術的には可能かもな、でも現実性はないよな… とか想像もできますが、ドラクエ3の時代ですよ。無理でしょw

    令和の現代を見てみると、IT技術を使っての誘拐事件は成功率も低いので少ないでしょうが、ハイテク詐欺なんかは社会問題になってますよ。先見性がすさまじい!

    物語の構成もすごくしっかりしていて、最初からぐいぐい話に引き込まれます。特に中盤以降の展開からは目が離せませんよ。どうなるどうなるって感じでワクワクが止まりません。

    最新技術を使った誘拐事件という部分が読みどころだとは思うのですが、だからこそもう少し主人公親子の愛情や復讐に滾る情念あたりを厚めに描写して欲しかったです。個人的にはちと残念でした。

    とはいえ、とても素晴らしいエンターテイメント作品なので未読の人は今すぐ読みましょう。おすすめです!

    • Kaniさん
      面白そう॑⸜(* ॑꒳ ॑* )⸝⋆*

      近未来ミステリーの魅力はたまりません♡

      30年前に近未来だったのなら、今はさらに超えていても良...
      面白そう॑⸜(* ॑꒳ ॑* )⸝⋆*

      近未来ミステリーの魅力はたまりません♡

      30年前に近未来だったのなら、今はさらに超えていても良かったハズ、、、
      文明は岡嶋二人に着いていけてなかったのね笑
      2022/02/22
    • autumn522akiさん
      Kaniさん
      いつもコメントありがとうございます。

      そうなんすよ、本作も現代と比較してもなかなかの先見性なのでやはりスゴイお二人です。

      ...
      Kaniさん
      いつもコメントありがとうございます。

      そうなんすよ、本作も現代と比較してもなかなかの先見性なのでやはりスゴイお二人です。

      面白いので是非〜
      2022/02/22
  • 誘拐ではない残り1%は何?

    題名を見て、読む直前に頭を掠めた。多くの方もそうだと思う。

    でも読み終えると、落ち着いたラストとともに、えっ?!と思うような彼方に着地させられている。(1%もまずまず納得)

    物語は、末期がんに冒された男が、8年前に誘拐された息子の事件の詳細を3冊のノートに記す、これを第一章として始まる。

    充分なのにこの先がまだあるのか・・・。

    というのが、第二章に入ったときの僕の感想で、

    結末が分かったかも・・・。

    というのが、第三章に入ってしばらくしてからの僕の感想。(3/4外しているが。)

    以降は物語と一緒に、疾走感を持って読むことができた。

    この作品は吉川英治文学新人賞を受賞しているが、発刊された1988年当時、パソコンはまだ、一般には浸透していなかった。

    当時、20歳過ぎの僕が読んでも、おそらく面白さは分からなかっただろう。

    よく、審査員に評価されたものだと思う。

    岡嶋二人さん、まだ3冊しか読んでいないが、今の僕の、考えの及ばぬ先をちょこっとずつ衝いてくるのが心憎い。

    共著名義は全28作あるそうだが、井上夢人(泉)さんの作品も合わせて、目についた作品は読んでいこうと思っている。

  • 話はとても面白かったけど、消化不良だった。
    何がしたかったのか、なぜ犯人は、、、とかいろいろわからないことが多いまま

  • 誘拐小説の傑作として有名らしいですが、私がその存在を知ったのは最近でして
    今まで読まずにいた事が悔やまれる位、引き込まれ
    一気読みでした。
    発表されたのが30年以上前との事ですが機械音痴のせいか全く古さは感じられませんでした。
    2部構成で2つの誘拐事件が起こるのだけど
    比較的早い段階に事件の真相がだいたい明かされるので警察側犯人側と視点の移動が絶妙で
    どちら側の手の内も分かったうえで読み進む後半はこの落とし所はどこなのだろう、どこに肩入れしたらいいんだ状態で読んでいました。

    何が正解なのかはわからないですが、
    この終わり方、とても好きです。


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著者プロフィール

岡嶋 二人(おかじま・ふたり)
徳山諄一(とくやま・じゅんいち 1943年生まれ)と井上泉(いのうえ・いずみ 1950年生まれ。現在は井上夢人)の共作ペンネーム。
1982年『焦茶色のパステル』で江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。86年『チョコレートゲーム』で日本推理作家協会賞を受賞。89年『99%の誘拐』で吉川英治文学新人賞を受賞。同年『クラインの壺』が刊行された際、共作を解消する。井上夢人氏の著作に『魔法使いの弟子たち(上・下)』『ラバー・ソウル』などがある。

「2021年 『そして扉が閉ざされた  新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

岡嶋二人の作品

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