99%の誘拐 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 601
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062747875

作品紹介・あらすじ

末期ガンに冒された男が、病床で綴った手記を遺して生涯を終えた。そこには八年前、息子をさらわれた時の記憶が書かれていた。そして十二年後、かつての事件に端を発する新たな誘拐が行われる。その犯行はコンピュータによって制御され、前代未聞の完全犯罪が幕を開ける。第十回吉川英治文学新人賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 時代を感じたが、当時の最新技術が駆使されていたのだろうなぁ

  • 「第1章『誘拐する側』で書かれる1968年の事件」
    「第2章『誘拐される側』の目線で書かれた19年後の事件。」
    と新装改訂版の表紙に書かれていて面白そうだと思った。

    最初の方に犯人がわかるので、倒叙型のようだけど、2つの事件とも犯人の心理はほとんど語られることがなく、淡々と事件が進んでいく感じ。

    1988年当時だとパソコンを使用しての誘拐は前代未聞だったと思うけど、現在では驚きがない。

    同じ著者の『クラインの壺』は現在よりも技術が先に進んでいたのでSFのような面白さがあったけど、『99%の誘拐』は古さしか感じなかった。
    もっと犯人目線の心理的な描写を期待していたので物足りなく感じた。

    でもストーリーや展開は面白かったし、読んでいて辛くなるような誘拐ではなかったのは良かった。

  • 2024.3.3 読了

    20年近く熟成に熟成を重ねた積ん読をようやく解消(笑)
    そんなに寝かせてたとは思えない斬新なトリックは今の時代に読んでるからハイテク部分もある程度理解できて物語のスリリングな展開を純粋に楽しめたのかもしれない。
    20年前だったらパソコンのあれやこれやの説明の時点で馬場刑事みたいな反応してたと思う。

  • 1988年の作品のため、登場する技術は少々古めかしいものがありますが、それはそれとして楽しめました。
    サスペンス色が強く、ハラハラドキドキの展開が面白かったです。

    ご覧いただきありがとうございました。
    素敵な本に出会えますように。

  • スキー場のあれはやりすぎだし、馬場さんかわいそうだし、馬場さんかわいそう

  • 1988年の時点でこの作品が描けた事は素直に凄いと思う。作品の全体像と文章がスッキリとわかり易かった。

    倒叙形式で犯人が途中で分かるタイプのミステリです。

    後半の誘拐事件の犯人が最後の最後まで分からないパターンだったらもっと盛り上がってスリリングだったかな。

  • 岡嶋二人さん2冊目読了。作品的には全28作中23作目で第10回吉川英治文学新人賞受賞作。30年以上前の作品なので、Z世代には通用しにくいのかな。昭和な私には懐かしさもあった。当時こんなことを考えつくとは。

    まず今作も構成の凄さに舌を巻く。末期がんに冒された生駒洋一郎は、病床で手記を綴って亡くなった。その手記には8年前、息子の慎吾誘拐事件の記憶が記されていた。犯人の要求通り、身代金の5千万円を金の延べ板に替え、船の上から海に投げ込んで人質だった慎吾は解放された。

    その12年後、同じく誘拐事件が起こる。その犯行は全てコンピューターで行われた。身代金を運ぶのに指定されたのが生駒慎吾その人。以前の誘拐事件との関係は?犯人は?全てが秀逸だった。

    解説の西澤保彦さんも好きなので楽しく読めた。作家さんならではの視点かなと。

  • 30年前の作品ということで、この評価。
    その時代に読むからこそ生きる小説だと感じた。

    携帯のない時代にAIを使った誘拐とは、出版当初に読んでいたら度肝を抜かれたのではと思う。
    ラストまでハラハラさせておきながら、ダイヤを盗んだトリックを暴かれるラストシーンはしっとりとした情景になっていて、読了後も引きずる面白さだっただろうと思う。

    タイトル、99%の誘拐。
    元々100%成功したかったわけではなく、誰かに動機を理解して貰いたい誘拐だったのではないか。そしてラストで、おそらく1番理解してほしい相手である間宮に暴かれることで、それは叶った。


    いまの時代に読んだ私の評価は、★4。
    途中までは、この先どうなるのか?とスリルを感じながら読んでいたが、スキー場でのAIとのやり取りで「さすがに自作自演がバレバレでは…」と冷めてしまった。
    そのためラストシーンも、私の中では疾走感を失った状態で迎えることとなり、少々物足りなく感じてしまったかな。

  • 岡嶋二人の小説は、物語は面白いんだけど登場人物たちに愛着が湧かないところがいつも残念。それでいて今の時代にも読まれるのだから凄いのだろう。

  • 圧倒的ワクワク感あり!!
    20年以上昔の作品でこの内容はすごいなぁ、、
    著者も楽しんで書いたんだろうなーというのがわかった〜〜
    しかしまぁ展開が生ぬるい感じも否めない、、、、。な、、、

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著者プロフィール

岡嶋 二人(おかじま・ふたり)
徳山諄一(とくやま・じゅんいち 1943年生まれ)と井上泉(いのうえ・いずみ 1950年生まれ。現在は井上夢人)の共作ペンネーム。
1982年『焦茶色のパステル』で江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。86年『チョコレートゲーム』で日本推理作家協会賞を受賞。89年『99%の誘拐』で吉川英治文学新人賞を受賞。同年『クラインの壺』が刊行された際、共作を解消する。井上夢人氏の著作に『魔法使いの弟子たち(上・下)』『ラバー・ソウル』などがある。

「2021年 『そして扉が閉ざされた  新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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