風の歌を聴け (講談社文庫)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062748704

感想・レビュー・書評

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  • 夏。東京の大学に通う「僕」が海辺の街に帰省していた。友人の鼠とビールを飲みながら時間を過ごす。
    2人が通うジェイズ・バー、そこで出会った小指のない女性との時間、僕が抱いた3人の女性の過去。僕の夏は微酔い気分で少しの空虚さを抱えながら過ぎ去っていく。

    終盤「あらゆるものは通り過ぎる。誰にも捉えることができない。僕たちはそんな風にして生きている。」これがタイトルの意味であり、1番伝えたかった所なのではないだろうか。
    あらゆる事象は刹那的に過ぎて行き、決して捉えることなく、私達はただただ人生を歩む。そのような世界を生きていく我々に対するメッセージとして「過ぎ去る事象(風)から得られる特有の経験(歌)を深く感じるのだ。」ということを「風の歌を聴け」というメタファーに置き換えたのではないだろうか。

    少し難しい作品だった。ストーリー自体は難しい訳ではないが、この物語が生み出す独特の雰囲気を文字に起こそうとすると、どうも詰まってしまう。エモいとかいう短絡的な単語で表すのは勿体無い。しかし完結に表すこともできない。そんな独特の雰囲気と深みがある作品だと思う。

  • 村上春樹の原点を読みたいと思い、手に取りました。

    読み終えて、何を読んだんだろう、という感じで、ストーリーもあってないようなものだけど、さすが村上春樹、最初からワールドが確立されてる。

    小説の舞台は日本なのに、まるで海外のような、小洒落た感じがする小説。
    とにかく文章が読んでいて心地よいので好き。
    夏の夜に小洒落たバーでビールを飲みながらだらだら過ごしたくなる。

  • するすると読めるけど、私にはあまり覚えていられない内容。でも、好きな人はたくさんいるだろうな、と思う、素敵な本。

    今年はハルキストを目指す!

    読んだあと、少し気取った気分になる笑

  • 村上春樹を読むことは絵画鑑賞に似てる。雰囲気を楽しむ感じ。

  • 30年ほど昔に、新聞社の就活セミナーで講師先生が絶賛していたのをふと思い出し再読。
    ストーリーはほとんど忘れていましたが、自分の大学時代を思い出して切ない気持ちに。
    なんだろう。自分の体験じゃないのに、記憶しているような不思議な感覚になるストーリーでした。

  • 高校生の時に、初めて買った本。初めての読書だった。
    やっぱりいいわぁ。

  • 村上春樹のデビュー作。

    これデビューはすごいな。

    アフターダークといい、一夜の終わり、夏の終わりのこのなんとも言えないエモーショナルな瞬間を切り取るのがとてもうまい。

    人類みんなが過ごしていそうで過ごしていないような、それでいてどこか憧憬を抱くような、そんな行間たっぷりの小説だった。

    やっぱり村上春樹の小説好きだなー。

  • これで3回目。関西離れて読むとノストラジックさが増す感じ。

  • 再読
    読む時期によって印象が違うと再認識。船の上で読むにぴったり。

  • 村上春樹さんは数年前に書かれたエッセーの中で、デビュー作であるこの作品について「今だったらもっとうまく書けるのになぁ」みたいに語っていたのですが、私は普通にめちゃくちゃ感動して何度も読み返しては胸を熱くしていたので、自分の至らなさにちょっと凹みました。(序章部分はご自身で今読み返しても感動なさるそうです。)

    いろんな意味で人と人とが繋がりをもっているように思うし、とてもハートウォーミングな話だと私は思います。

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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