風の歌を聴け (講談社文庫)

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著者 : 村上春樹
  • 講談社 (2004年9月15日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062748704

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風の歌を聴け (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

  • 出だしの文が良い。

  • ああ、村上春樹はここから始まったのか。これは、凄いな。「新しかった」し、「鮮やか」だったし、「おしゃれ」だっただろうなぁ。
    そして、今でもその「新しさ」と「鮮やかさ」と「おしゃれさ」は、時が止まったみたいに当時のままのような気がする。

    だるくて軽くて憂鬱でさらっとしてて、夏でビールでレコードで若くて。
    行き止まり。
    永遠に止まった時計のような。
    世界と自分が他人で、でも一緒だった頃のような。

    風の歌を聴け。

  • この本は何も起こらない。とある大学生の日常を描いただけである。更には時系列なのか物語のようなものの順序もバラバラである。時折入る、著者なのか、主人公なのかもわからない語りも本の理解を難しくさせる。文中にたびたび現れるハートフィールドも異様なリアルティを持ちながらも架空であり、ストーリーとも直接関係しない。続編として二作あるが、この本画を読み終えただけではよくわからず、次呼んで時に心境が変わってることを期待したい。

  • (2016.7.30)
    ほぼ一年ぶりに再読してのレビュー。
    親しい友人にすすめられて村上春樹というものを訝しがりつつ初めて読み、そしてまんまと衝撃を受けたのが、もう一年前。
    そして今日までに彼の小説を貪るようにすべて読み尽くしたのだから不思議なもんだ。

    このデビュー作を読んでの第一印象は、支離滅裂なような文章構成がとにかく斬新でクール。
    琴線にふれて心を鷲掴みにし、私もそれを鷲掴みに仕返して大切にとっておきたくなる一文がいくつもあります。
    夏の終わりのさみしさと、脆い青春の質感が融合して独特の世界観をつくりだす本当に素敵な小説です。
    やっぱりビールが飲みたくなる。

  • ノルウェイの森の、病的な透明感が合わずに苦手意識を持っていた村上春樹。
    夏らしい小説に紹介されていたので今回手にとったら、意外にも面白かった。
    やはり圧倒的な透明感、異常を感じさせるような描写・・はあるのだが、主人公や夏という独特の気だるさの中に隠れていたので、あまり気にせずに読み進めることができた。
    さらり、と読了したものの、1週間ほど心になにかがつっかかる。簡潔な澄み切った文と文の間に、描かれていないなにかを想像しようと、頭がぐるぐるしていた。
    村上春樹作品への苦手意識が薄まった作品。

  • 書かれている一言一句に意味があるのかないのかすら分からない
    登場人物の行動も一体なぜそうするのか、何がしたいのか理解できない
    親しい友人が大好きだというので読んだが、好き嫌いが二分する作家さんであることは間違いない

  • よくわからなかったけど、なんか好き。
    会話が洒落てて真似たくなった。

  • 著者の作品を読んでみる中で挑戦。

    デビュー作といいつつ、
    何なんだろう。この理解しきれないけど、
    ついつい読み進めてしまう不思議な世界観。
    第一作からこの作風が既に出来上がっていたんだ!
    という感嘆を覚えた一冊。

    彼の作品を読んだことがある人はもちろん、
    初めての人にもオススメ☆

  • 主人公が行きずりの女性とセックスしない、射精しない、ジャズを聴かないという、村上春樹の体調が良くない日に書かれたのだろうと訝ってしまう作品。
    主人公の台詞に気障なところはあるが、そこまで気にならなかった。
    ファンタジー要素を廃し、一人の青年の一生の一か所を抜き出した一冊。

  • 村上春樹さんのデビュー作を遅ればせながら読んだ。
    全体的に漂う乾いた空気感は以後の村上作品に共通してるんじゃないかとなんとなく思う。海辺の町に帰省した<僕>が<鼠>とビールを飲むシーン、多用される「うんざり」とは裏腹に、人生っていいな、小説って素敵だなという読後感。

  • お前は何を言っているんだ

  • 何を伝えたい小説なのかも分からず、面白さを感じることもなく読了。私には合わなかったようです。

  • 村上春樹さん処女作。

    沈黙を破って語りだす僕。
    なぜ語り出したのか、
    なぜ文書を書くのか、
    冒頭にそれらを書いたうえで物語は始まる。


    なぜ風の歌を聴け、なのか。


    それはこの世界に生き延びるために、
    すべては通りすぎていくものであっても、
    生き延びるために今僕ができること、


    それが風の歌を聴くことなのだ。

  • 「風の歌を聴け」「1973年のピンボール」「羊をめぐる冒険」「ダンス・ダンス・ダンス」と順番に読み、もう一度この本に戻ってきた。2度目のほうが冷静に読めた気がするけど、「風」の意味するものがなんなのか、結論がまだ出せない。3度目に読んだらまたなにかがわかるかもしれない。

    一連の「僕」がいる世界は、直接ストーリーと関係ないかもしれない文章の多さも関係してるのか、とても立体的に見える。だから一度ここに入ると、しばらく逃れられない気がする。実際、私はほかの本をいまのところ読む気持ちになれていない。この本のほとんどの登場人物は、風のようにやってきては消えていってしまうのに。

    この作品の登場人物は、元気を10、不幸のどん底を0とするなら、4くらいの状態でずっと続いていく。そしてその足りないものを補い合って6くらいになっているようだ。だから物語全体の空気感はとても淡々としているように見える。でも、少しずつ人々の心が変化し、時間が進んでいくのがわかる。このスピード感が、私にはとても心地がいい。

  • なんとも良さがわからなかった。意味がわからなかったと言ってもよい。

  • 僕、鼠、指のない女性に関する描写が中心。話の移り変わりが急すぎてついていけない部分が多々あるが、言い回し、考え方は面白い。タフであること、喪失感、虚無感がテーマ。ビールをダラダラと飲むシーンが良かった。

  • 特に何が起きるわけでもないのだが、描写がとにかく良い。

  • たまたま読むことになった村上春樹のデビュー作。初めて最後まで読んだ村上春樹作品に。

    散々取りざたされてる文体にミーハー的な興奮を感じつつ、デビュー作でこの独特の雰囲気すでにあったのかーというところに素直に感心。
    読み終わったとき「無」になる小説は好物です。

  • 言わずと知れた村上春樹のデビュー作。
    続編にあたる「1973年のピンボール」を読もうと思って、久しぶりにこっちを読み返しました。

    この人の本の中ではなんだかんだこれが一番好きかもしれません。
    メッセージ性や面白いストーリーやびっくりするオチなんかも何もないんだけど、魅力的な登場人物と綺麗な文章があればそれだけで素晴らしく、そしてそれが前提条件としては何よりも大事なんだと思わされます。

    「文章を書くたびにね、俺はその夏の午後と木の生い茂った古墳を思い出すんだ。そしてこう思う。蟬や蛙や蜘蛛や、そして夏草や風のために何かが書けたらどんなに素敵だろうってね。」

    この一文が本当に好きです。
    デビュー当時29才で、自分に小説が書けるなんて全く思ってなかったという著者も、こういう小説が書きたかったんじゃないかな。
    だからこその「風の歌を聴け」というタイトルなのかなと思いました。

  • 村上春樹を読むときにいつも感じることは圧倒的な個性だ。
    自分では絶対に考えることのできない唯一無二の世界観がこの作家の物語からは感じる。(その世界観が合う合わない人がいるのは当然でどちらかというと自分は合わない方だと思っている。)
    でもこのデビュー作を読んでみて、まだこの作家が一般的な感性を残していた残滓を感じることができた。
    なんだ、この人だって普通の感性を通過して誰にも表現できないような世界観を作っていったんじゃないかという安心感を得た。

    しかし一つ間違えればとてつもなくいたい内容なのにそれを低い温度で保つ独特なバランスはさすがだしその後の多くのフォロワーを生み出したことも納得できる。

    内容はすぐに忘れてしまう気がする。実際読み終わった直後の今ですら半分くらいしか覚えていない。
    ライトに空気感を楽しむ読み物なのだと自分は思う。

  • 2016年2月27日 読了

    ストーリー自体は単調で特に心に残る場面や台詞もないけれど、村上春樹の文体が好きなのか、スラスラと読めた。
    「僕」と鼠と指が4本しかない女性との故郷での一夏の思い出。夏が終わって僕が東京に戻る最後の場面はちょっぴり切ないかな。

    ※ ビーチボーイズ/カリフォルニアガールズ

  • 作者のエッセイを読んでから、その人の作品に初めて触れるというちぐはぐさ。
    新宿や山の手といった日本の地名がはっきり出ているにもかかわらず、物語の隅々に欧米の雰囲気が浸透していると強く感じた。作中に出てくるミュージシャンだったり小説家だったりが日本のものではないから、ではなく、主に会話のやり取りから、これでもかと言わんばかりに漂っている。
    それを感じ取ることが出来たのは、「職業としての小説家」を読んで、村上春樹が海外の小説に慣れ親しんでいた事を知っていたからだと思う。お陰ですんなりと読み進めることもできた。

  • 初めての村上春樹作品。
    読みやすいと聞いたので読んでみた。
    1日でさらりと読めた。
    好きでした。
    もう一回読みたいな。

  • 村上春樹のデビュー作
    1970年の夏、海辺の街に帰省した<僕>は、友人の<鼠>とビールを飲み、介抱した女の子と親しくなって、退屈な時を送る。2人それぞれの愛の屈託をさりげなく受けとめてやるうちに、<僕>の夏はものうく、ほろ苦く過ぎさっていく。青春の一片を乾いた軽快なタッチで捉えた出色のデビュー作。群像新人賞受賞。
    (Amazonより)

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    村上春樹を読み倒そう!企画第1弾(笑

    村上春樹は高校生の時に大好きな友人がいて。
    確かけっこう貸してくれて読んだ記憶があるのですが。

    なんて言うか当時は意識高い系の高校生あたりが一度は通る道だったような。
    もちろん私はちょっとつまむだけでした。
    意識高くなーい(笑

    だからちょっと憧れもあったな~。
    大人になった今、あの頃を思い出しつつ読み倒してみたい!

    ...と読み始めて、やっぱり意識高い系だなぁと改めて思う。
    きらめくような文章。
    何とかハートフィールド。(違
    ボブディラン。
    漂う倦怠感。
    それすらオサレ感あるわ(笑

    印象に残る言葉や言い回しがたくさんあって、
    ありすぎて忘れちゃうくらい(笑

    舞台は1970年。
    ...古いな(苦笑)。

    と言うことでどんな時代か調べてみましたー。

    ヒット曲1位は!「黒猫のタンゴ」
    日本一のプロ野球チームは!「読売ジャイアンツ」
    なんとMVPが長嶋茂雄さん!

    よど号ハイジャック事件。
    大阪万博。(20世紀少年!)
    ウド鈴木誕生!(関係ない?)

    ...などなど、まだまだ国内は不安定でありつつも
    高度成長期の名残を残した万博とかもあり
    割と混沌とした時代だったのかな...?と。
    (混沌としてない時代があるとしてですよ)

    僕と鼠の関係性がいまいちよく分からない。
    そして村上春樹の作品は割とどれもそんな感じだと思うけど、登場人物が淡々としてる。

    大声でわめいたりしないよね。
    そして結構会話を打ち切る返事するよね(´・ω・`)
    とんちんかんと言うか?
    AKYと言うか?

    私だったら「何言ってるの?」って言っちゃいそうだけど...w
    それすらきれいな洒落会話だわ。もう。

    退屈してるわりにいろんなことはきれいに流れていく。
    女性とも出会うし肉体関係もさらりと持つし、
    気がついたらきれいに別れている。

    そのことに対する執着も何もないところが
    人間的な体温を感じないのかも...

    それはこの混沌とした時代特有なのか...
    いや村上春樹と言う作者のある意味技術なのか...

    とは言え、この恋人同士の距離感はなんだかいいですね。
    今みたいに近すぎたり近づかれすぎたりしない。
    既読スルーにもやっとしたりする人はいない(笑

    指が痛くなるまで電話する、とか
    このときってまだダイヤルですかね?
    プッシュですらないですか?

    個人情報だだ漏れだったり
    平和な時代だったのかも知れないな~

    この時にこんな風に生きてみたかった、かも。
    (このあともう少ししたら私も生まれますけどねw)

    でも僕と鼠の物語はまだ続くようです。
    続きも読み倒すぞー。おー。

  • 僕は「ダンス~」だか「ノルウェイの森」だか「世界の終り~」だかから村上春樹を読み始めてキャリアを遡っていったのだけれど、初読時、このデビュー作には躓いた。80年代村上春樹の代名詞とも言うべき「やれやれ」が薄いと感じたからだ。

    だが、読み返して思う。
    ここにあるのは強がりだ。主人公の(そして作者の?)若さが諦観を見えにくくしている。虚勢を張って、必死に覆い隠そうとしているのだ。

    鼠の古墳と小説を語るくだりと、ラジオDJの「僕は・君たちが・大好きだ」の台詞に泣きます。

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