魔笛 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 191
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062748858

感想・レビュー・書評

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  • 公安と警察の対比。正義と悪の対比。死と愛の対比。面白かった。最後は本当に、映像を見ているかの様な。

  • 2015/07/01 -07/07
    人間心理の深奥に迫る野沢ミステリーの白眉
    白昼の渋谷を襲った無差別爆弾テロ!爆風を背に立ち去ったのは、公安が過激な教団に送り込んでいた女だった。何が彼女を変えたのか?
    白昼、渋谷のスクランブル交差点で爆弾テロ!2千個の鋼鉄球が一瞬のうちに多くの人生を奪った。新興宗教の教祖に死刑判決が下された直後だった。妻が獄中にいる複雑な事情を抱えた刑事鳴尾良輔(なるおりょうすけ)は実行犯の照屋礼子(てるやれいこ)を突きとめるが、彼女はかつて公安が教団に送り込んだ人物だった。迫真の野沢サスペンス。

  • 4.5

  • 面白いのになかなか進まなかった。

  • ラストに向かう三つ巴の終盤は圧巻。あの盛り上が
    りに関しては自分が読んだ中では他に無いくらい
    凄かった。締めは野沢さんに重なって切ないすね。

  • 『なるなるなるなり』

    読みづらく、ただただ疲れた。なのに、面白いから投げ出すこともできなくて、辛い読書だった。

    手記でいて全く手記らしくなく、なんか、そもそも手記らしく書く必要もなくて、物語は面白いのに構成がよくなかった。

    もう読みたくはないが面白かった。

  • 野沢尚は 読みやすく 映像が浮かびやすい
    文章を書く 作者だった。
    ただ この魔笛は ちょっと 違った。

    なぜ 照屋礼子の 手記で 書かれなくてはいけないのか。
    そのことで 鳴尾と 藤子のことが 浮き彫りになるからだろうか。
    照屋礼子の視点から見ると やはり全貌が見えないね。

    オウム真理教という事実の中に
    様々な素材があって、創作意欲を
    湧き立てることになるのだろう。

    自分の救済をはかろうとして
    無差別殺人に 発展するのか?
    ということだろう。

    照屋礼子は、公安の捜査員だった。
    坂上輪水が創設した新興宗教に、潜入した。
    それが、無差別殺人の渋谷爆発犯となる。
    なぜ、そうなったのか?

    それを追い詰める鳴尾刑事。
    それに協力する獄中結婚した鳴尾の妻 安住籐子。

    照屋礼子の独白で、この事件を説明して行くのだが、
    意外とまだるっこしいのだ。

    照屋礼子は 何をしたかったのだろうか?
    坂上輪水 を慕うことで 爆発犯になったのか。
    よくみえない。
    そして、なぜ 鳴尾をターゲットにするのか。
    ジェラシー?

    公安としての論理が はっきりしていて
    それが 魔笛の 論理を 明らかにする。
    鳴尾の 情理が 打ち破る。
    公安の論理とヒトの情理のぶつかり合い。

    この物語は 野沢尚として、よく勉強をしたあとが見える。
    野沢尚の綿密な物語の作り方に、さらに、詳しくした。
    野沢尚は登場人物の経歴書を作り、その人物のプロフィールから
    キャラクターを作り上げていことで、物語の安定性を作る。
    リアリティとはそういうところから生まれる。
    シナリオとは、その手法によってしか整合性と
    調和性を作り上げることができないのだ。

    爆発犯であるが故に 爆弾のことを勉強した。
    メシア神道であるが故に 神道と仏教、そして新興宗教とは。
    新興宗教からいかにテロリズムが生まれるのか?
    公安の仕組みと 公安捜査員が洗脳されていく様。
    照屋礼子という存在から、沖縄の米軍犯罪の歴史。
    照屋礼子の企みをしられないための公安の隠蔽体質。
    それを追いかけるために 獄中結婚というありかた。
    (ここは、ちょっと無理があるのであるが)

    そこまでの素材の上に組み立てられている。
    読者にお勉強してもらわないと、物語が成り立たないのだ。

  • カルトへの潜入捜査官だった公安の刑事がテロを起こす

  • おススメされた本。
    語感センスが半端やない!こんなにしっくりくる表現を続々と使うのに舌を巻くしかない。文庫化される際に加筆修正されているとはいえ非常に練れた味わいになっとる。
    今更かもしれないが野沢尚にハマる予感。

  • 結果がどうなるのか知りたくてどんどん読み進めてしまいました。
    王道のミステリーと言った感じ。
    ただ、犯人が主人公である鳴尾刑事のことをどうしてそこまで執着するのか
    どうやって調べたのかが最後までハッキリしなかったなぁ…
    でもおもしろかったです★

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