ペルソナ探偵 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062762762

作品紹介・あらすじ

作家を志し同人誌を作る六人の男女が、チャットルーム「星の海」に集まった。星の名前をハンドルネームにした彼らに面識はなく、プライベートは秘することを約束事にしていた。だが、そのことがすべての事件の伏線となり、真の悲劇を招き寄せる。それぞれの謎が環となって、予測不能の最終章へと繋がる衝撃作。

感想・レビュー・書評

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  • 2011/7/3 Amazonより届く。
    2013/10/18〜10/23
     ネット上で知り合った同人誌仲間のネット上のチャットと,同人誌に投稿した作品がつづら折りのように続きながら作品が進行。お互いの本名や連絡先を交換しないというルールがあったにもかかわらず,主催者がタブーを破って招集をかける。何故招集をかけたのか?そこで何が起こるのか?
     最後の解決でそれまでに散りばめられていた伏線が見事に回収されていく。流石黒田氏の作品という感じ。各人のニックネームもそういうことだったのね。やられました。

  • 2016年1月14日読了。
    2016年26冊目。

  • 作家を目指して同人誌「スターチャイルド」を作る6人の男女が集まるチャットルーム「星の海」を舞台とした連作ミステリ。作中作という形で6人のうち,3人が書いたという設定の短編ミステリが3つあり,最終話は,6人のうちの一人「ベガ」を死に追いやった犯人探しのミステリとなっている。
    3つの短編は,それぞれ単体でもそれなりに楽しめるが,登場人物が訪れた喫茶店や,それぞれの作品での登場人物などが最後の作品の伏線になっているのが面白い。また,短編と短編の間をつなぐ,星の海の主催者「カストル」の記す幕間の「編集後記」,新聞記事などまでが伏線になっている。
    プロットは非常に面白いのだが,それぞれの短編のデキはそこそこ。最後の犯人も,ベガだと思われた女性はベガではなく,ベガの元彼氏がベガだったというオチ。これも,よくできてはいるが,そこまで驚けなかった。
    全体的によくできているミステリだが,どこか物足りない感じ。登場人物があまりに無個性だからか…。★3かな。

  • 難しいというか面倒くさい。間違い探しのように注意して読んでいけば充実した読書感が得られたのだろうか?

  • 作家志望の数名の男女がチャットルーム「星の海」で知り合い
    星の名前のHNを名乗り、小説を出し合い、主催者が同人誌にまとめて
    チャットルームで感想を言い合う。
    その作品の中から3篇が紹介され、チャットルームでの会話と
    現実の出来事が繰り返されて話が進んで行くんだけど
    体験談を基にした作中作がほとんどだったりする。
    そして最後で繋がるんだけど、最後で引っくり返されるわ
    踊らされるわで楽しませていただきました。

  • 自ら設けた作中作という制約の中でいろいろやってみました、っていうコンセプトなのかな。そのルールを守りたいがために敢えてできなかった表現なんかもありそうで、最終章くらいは全部取っ払って作者の『素顔』で勝負してみてほしかった。

  • 作中作による連作短編集。この作者は気持ちのいい違和感を用意してくれる。伏線は丁寧で数も多く、予想が当たったり思わぬ箇所が伏線だったり。悲劇の真相が判明する最終章は爽快。

  • 一見するとライトな「小説中小説」形式の作品ですが、それぞれのタッチを使い分ける筆力、ちりばめられた伏線の数々、最後にして明かされる真相など、全体の構成が素晴らしいと思いました。
    かなり凝った仕掛けなので、ミステリーマニア向けの作品でしょう。

  • チャット仲間がそれぞれ体験した事件を語る形で進む連作短編。
    ラストは結構好みの展開かも。
    久しぶりにビシッとしたミステリを読んだ気がする。

  • 作家を目指す6人の男女が同人誌に、
    自分の体験した事件を投稿する形で、
    短編が4話収録されています。
    その合間に本題となる事件の場面が挿入される構成です。
    それぞれの短編も面白いですが、たくさんちりばめられた伏線が収束され、
    更にどんでん返しに持ち込まれて結構満足出来ました。
    途中、予想の出来る事もありましたが、それを上回ってビックリさせられました。

  • 作家を志し同人誌を作る6人の男女がチャットルーム「星の海」に集まった。
    星の名前をハンドルネームとした彼らは面識がなくプライベートは、秘密にする約束をしていた。

    「フィンガーマジック」
    「星の海」での名前は、スピカ。
    彼女は、女子高生でヘビメタバンドの「ミリオンスマイル」の大ファンだった。
    このコンサートに行きたいので、お金が欲しかった。
    割のいいバイトを探してたのだが、ある日一日で十万を貰えるアルバイトが個人のメールボックスに届いた。
    依頼主は、探偵事務所の探偵。
    スピカはその依頼を受けたのだが・・・。

    「殺人ごっこ」
    「星の海」での名前は、アンタレス。
    彼は、演劇部の仲間と山奥の安宿に来ていた。
    その中の一人が「殺人ゲーム」をしようと提案してきた。
    彼は、リュックから拳銃を取り出しそして撃つと、赤い液が服に付着するが人には無害だった。
    これを使いみんなを殺す「殺人ゲーム」をしようと提案したのだった。
    しかし仲間は、外で見知らぬ薄気味悪い人が拳銃を持ってたというのだが・・・。

    「キュービッドは、知っている」
    「星の海」での名前は、カペラ。
    彼女は、雪深い山の中の駅に降り立った。
    彼女は、オーストラリアで喧嘩した後行方不明になった夫の消息を探すためにこの地に来たのだった。
    喧嘩の原因となった、夫の愛人の家を訪れる。
    彼女は、愛人を問いただすのだが・・・。

    「五人プラスひとり」
    「星の海」での名前は、ボルックス。
    「星の海」で緊急事態発生。
    彼は、主催者に集合をかけられ元会計事務所を訪れた。
    そこに「星の海」のメンバーが集まった・・一人を除いて・・・。
    そこで主催者のカストルが話した内容は、ベガが自殺した事だった。
    彼女は、何者かに脅されそして殺されたと言う。
    犯人は、この中にいると発表した。
    ベガを追い詰め自殺に追い込んだのは誰なのか・・・。

    と、言う感じの短編連作の作品です。
    前のチャットで話された事件が伏線となり最後の事件に関わってきます。
    黒田さんの作品は、凄く読みやすいですが構成が凄い!
    これから、売れていくと思うのですが(賞には、縁がなさそう・・)注目してる作家さんです。
    ミステリーファンなら一度は、読んでみてくださいね。

  • さらっと読めて楽しめる。
    ネットのもつ匿名性がキーワードなんだろう。


  • 短編かと思いきや長編。

  • 家の近所の小さな本屋で推していたデビュー作
    ウェディング・ドレスが気になっていた作家さんの作品。

    作中作が作中作として登場しつつもストーリーの
    本編を編み上げるかのように構築しているという
    変則的な構成。でも決して読み難い訳でなく、作品全体
    を通して積み上げられたトリックもピタリとハマり
    面白い作品でした。

    ただ語り手が誰を主軸にしているのかが分かり難い
    箇所はいくつかあったのがやや難点...?

  • 秀でて面白いというわけでもなかったけれど、そこそこ楽しめた感じ。
    最終話が結構面白かったけれど、黒田さんてこういう話好きだよねぇ。と思わざるを得ない感じがした。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    作家を志し同人誌を作る六人の男女が、チャットルーム「星の海」に集まった。星の名前をハンドルネームにした彼らに面識はなく、プライベートは秘することを約束事にしていた。だが、そのことがすべての事件の伏線となり、真の悲劇を招き寄せる。それぞれの謎が環となって、予測不能の最終章へと繋がる衝撃作。

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著者プロフィール

黒田研二(くろだ けんじ)
はじめに(前半)
第1 章 こころの病とリカバリー──回復を阻害するものの克服──
関西大学名誉教授、大阪府立大学名誉教授、西九州大学教授 医学博士
専門は社会医学、社会福祉学、公衆衛生学。精神疾患、難病、認知症をもつ人々や要介護
高齢者の支援に関する研究を継続している。
【著書・業績】
『地域包括支援体制のいま──保健・医療・福祉が進める地域づくり』(編著)ミネルヴァ書房,2020 年
『学生のための医療概論(第4 版)』(共編著)医学書院,2020 年
『高齢者福祉概説(第4 版)』(共編著)明石書店,2014 年 など

「2021年 『ポスト・ソーシャル時代の福祉実践』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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