- Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062763974
作品紹介・あらすじ
奇妙奇天烈な地下の館、迷路館。招かれた四人の作家たちは莫大な"賞金"をかけて、この館を舞台にした推理小説の競作を始めるが、それは恐るべき連続殺人劇の開幕でもあった。周到な企みと徹底的な遊び心でミステリファンを驚喜させたシリーズ第三作、待望の新装改訂版。初期「新本格」を象徴する傑作。
感想・レビュー・書評
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主と出口を無くした地下迷路な館にて、集まった作家達が自らの作中殺人に見立てられ殺されていくクローズドサークル。小説の中の小説。
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さて、今となっては二転 三点は当たり前であり、メジャーと化した「どんでん返し」テクニカルな現代ミステリ小説は確かに面白く中毒性がある。
一方、コチラの作品...と言うより著者 綾辻行人の「館シリーズ」では、そんな、意外性や盲点から始まるミスリードや叙述トリックを多数使いこなす情報量の多い派手な作品とはうってかわり、重い一発の打撃にて読者を結末への大衝撃に導く正に
【会心の一撃】
ミステリ慣れして来たぞと余裕をかまし、見事に脳天に強烈なのを打ち込まれました。KO。
他の読者様達同様、最後の1ページに賢者タイムをお見舞された私です。
十角館同様、一言で人の頭をオーバーヒートさせるこの麻薬的プロットを練り上げた綾辻行人の頭脳が恐ろしく素晴らしい...。今まで積上げてきた情報を唐突に方向転換させられ混乱する快感反面、そんな自分の脳みそが他人事程度に可哀想になる。
残念ながら醍醐味の一つである「真実」に対してはそこまで刺激を受けることはなかったのだが、作品そのものの鳥肌より、著者の頭脳に対して痺れた。
館シリーズ安定の「仔細語るべからず」
何がネタバレになるかわからないので感想のみのミッフィーモードな空内容で大変申し訳ないのだが、手数の多い連続切りミステリの息抜きに、この強烈な一撃をそこのマゾヒスティックな あ な た にオススメいたす。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「館」シリーズ、第3作。
前作までと同様に 建築家中村青司が手がけた「迷路館」が連続殺人の舞台。
迷路館館の持ち主は、推理作家の大御所。彼が、還暦記念パーティーに招待したのは、弟子とも言える推理作家達と評論家と編集者。そして、探偵役に島田潔が、再び。
本当によく考えられていて、ミステリ小説の形態でストーリーを読ませて、作中作、中作、あたりの筋書きで殺人事件が起こる。加えて、迷路の中に準備された部屋にはギリシア神話の神々の名前が付けられ、しかもそのエピソードまで絡ませる。
ミステリとしては、隠し通路や隠し部屋は、思いついてしまうし、甘く考えていましたら、作中作が終わった後の〈エピローグ〉で、隠れていた真実が語られさすがの展開。
最後まで、きっちり作り込まれた傑作だと思います。
ワープロの親指シフト!懐かしい。覚えれば、日本語入力が一番早いと言われ、ほどほど普及したけれど。あの複雑な指の動きは、なかなか慣れなかった。ローマ字入力ありがたいです。-
私も、タイピングは英文タイプライターから入った。アルバイトで、あの機織機みたいな和文タイプも打ったことあるよ。活字拾うヤツです。私も、タイピングは英文タイプライターから入った。アルバイトで、あの機織機みたいな和文タイプも打ったことあるよ。活字拾うヤツです。2023/11/15
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2023/11/15
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2023/11/15
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最後のページで最初から騙されていたことに気がつき悔しかった~!
今回は小説の中の小説を読むかたちでかなり混乱したけど、次々に起こる事件にハラハラしっぱなし。
最初のお題の[鹿谷は誰か]を考えるということをすっかり忘れて後半の種明かしで思い出したくらい。
島田さんは今回も大活躍。
すっかり中村青司の館の虜ですね。
仕掛けも毎回楽しみにしている。
次の館が早く読みたい。
私も館マニアになりそう…。 -
館シリーズ3作目。やっぱりね!
期待通りの真実がこの迷路館にも隠されていました。面白すぎて一気読みでした。
部屋の配置図をチラチラ見ながら読み進めて、楽しめました。
次は人形館の殺人に進みます。 -
面白くて館シリーズを読む手が止まりません。
十角館、水車館を読み終わりすぐ迷路館も読了しました。
各作品で全く異なる仕掛けを用意しながら、共通した緻密なミステリ構成には新鮮さと変わらぬワクワク感を毎度与えてくれて、最高の読書体験です。
今作は作品の中で迷路館の作品が描かれる「作中作」の仕掛けを存分に生かした物語になっており、本当に最後の最後まで驚きを与えてくれて大満足でした!
次の作品も読むしかないですねこれは、、 -
シリーズ3作目!
割と序盤で犯人が分かってしまった前作と異なり、今回は最後まで全く読めなかった。。しかも最後の最後にもう一度、いや二度驚かされた。
ミステリをそこそこ読んできてて、そうそう簡単には最早騙されないぞと思いながら読んでるのに、まんまと騙される。いつもその繰り返し。まだまだミステリの読み込みが足りないと自省すると同時に、これだからこそミステリは侮れないと奥の深さに舌を巻く。
これからも館シリーズに目が離せない。次は『人形館』だ! -
綾辻行人、『館シリーズ』3作目。
推理小説の大家・宮垣葉太郎。
宮垣の還暦記念パーティーが『迷路館』で執り行われることに。
招待されたのは、宮垣の4人の弟子、須崎昌輔、清村淳一、林裕也、舟岡まどか、評論家・鮫嶋智生、編集者・宇多山夫妻、そして、島田潔。
癌に侵されていた宮垣は自死…
宮垣からの遺言は、4人の弟子たちに『迷路館』を舞台にした推理小説を書き、その優勝者に自らの財産を譲る、というものだった。
しかし、ひとり、ふたりと弟子が殺されていく…
遺産をめぐる弟子たちの争いなのか…
それとも…
宮垣は生きてるじゃないかと思っていたんが…
そんな単純な話じゃなかった…
色々と考えさせられるが、まさか、まさかの連続。
全く予想もしない結末。
読み終えてみれば、確かにそうなんだけど。
鹿谷門実がまさか…とは。
次からは推理小説家の肩書きになるんだろうか。
『館シリーズ』に迷い込んでしまい、抜けられない。
次は『人形館』が待っている。
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奇妙な地下の館である迷路館。文字通り内部の構造が迷路になっているこの館に住まうのは、ミステリ作家の大御所。エイプリールフールに集められた「後を継ぐであろう」4人の作家たち。彼らは莫大な賞金を掛けて、この館を舞台とした推理小説の競作を始める。審査員は評論家、編集者、そしてミステリ愛好家である島田潔。しかし翌日、作家の1人が無惨な死を遂げ、1人また1人と殺されていく。連続殺人犯は、そして「作者」は誰なのか。
館シリーズ第3弾。再読。
本作では所謂「作中作」が採用されている。とある推理作家・鹿谷門実が実際に遭遇した事件をモチーフに「迷路館の殺人」を執筆。それを島田と一緒に読者が読んでいくお話し。
初読の時にどんでん返しにやられてしまい、「いやぁそっちかぁ」とリアルに声が出てしまったのは良い思い出だったなぁ。最初から罠にハマってる感じ。絶対次こそは!って意気込むんだけど何度でも騙されるし、騙されることが気持ち良い。
初読の時は謎解き!って感じでそんなこと考える余裕はなかったけど、遊び心満載。関係者では無い人には普通の推理小説に、関係者には再現小説、そして犯人には…。多分一度読んだことで、読者自身もこの事件の「関係者」になり、犯人も知っている状態だから、終始告発文になっている。各所でニヤニヤしながら読める。
文句を二つくらい付けるなら。
そこまで漏れないよ?〇〇シートとか内臓自傷期間じゃなくても付けるし、まぁ人によりけり?
あと医者は本当にカローラには乗らないの?カローラが好きなお医者様とかない?ないですか…。お医者様ってどんな車乗るんだ? -
シリーズ物なので買った一冊。
まさかの人が、本当の犯人だった。
一連の事件が終わったと思ったが、そこからまたひと盛り上がりがくるとは思わななった。
ミスリードっていうのかな?
それに見事にひっかかってしまった話だった。
確かにもう一度最初から読みたくなる小説でした。