駐在刑事 (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062764629

感想・レビュー・書評

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  • 2015.3.17読了。
    山岳物は苦手なんだけど、笹本稜平さんが好きで山岳物じゃないものを買おうと探して買ったものが山岳物絡んでたという…

    ある事件をきっかけに、花形刑事から駐在所の所長になった江波淳史。その街で起こるさまざまな事件を解決していく6篇からなる小説です。
    短編集といえども、登場人物が変わらないので読んでいて楽しかったです。
    中でも好きだったのは『茶色い放物線』。

  • 笹本稜平の4作目。連作短編。
    各編ごとに感想を。

    【終わりのない悲鳴】
    哀しい女性の物語。
    主人公の抱える心の傷とリンク。彼の背景の事件が今後関わってくることになるようならば、面白さも倍増しそうなものだが、果たして………?
    2012.07.10.書。

    【血痕とタブロー】
    再び、自ら死に向かおうとする人を救った主人公。本作のテーマはコレなのかな?と。
    いけすかない管理官に一泡吹かせてやる展開もあることを期待(笑)。
    2012.07.10.書。

    【風光る】
    恋の予感?(笑)。骨髄移植で血液型が変わる………というのは初めて知った。唐突だったので、ややアンフェアか?とも思ったが、“いわゆる推理小説”なわけではないのでOK。
    2012.07.10.書。

    【秋のトリコロール】
    警察小説というよりは、ソフトな山岳冒険小説、かな。
    誇り高きアルピニストの、堕とされた栄光の回復・・・、目頭が熱くなる一遍だった。
    筆者は、本当に山が好きなのね、とも。
    2012.07.11.書。

    【茶色い放物線】
    ハラハラドキドキ。クライマックスは、“良い意味で”平成ひと桁時代の刑事ドラマを見ているかのよう(笑)。
    ………「刑事貴族」とか………
    犬が、限りなく可愛かった(^-^)v。
    2012.07.11.書。

    【春嵐が去って】
    おばあちゃんモノと子どもモノには、極めて弱い。頬を濡らしてしまった。
    あの、嫌~ないやな管理官が、わりと潔く負けを認めて恰好良さ気に引き下がったのだけは、物足りないかな・・・ギャフンと言わせ失職させるか降格させるかして欲しかった(笑)。

    通読して・・・・
    心温まる物語だった、と。笹本稜平、好きになったかも。
    他の代表作にも、手を伸ばしてみよう。

    ★4つ、8ポイント。
    2012.07.12.了。

  • 元警視庁捜査一課、青梅の所轄に左遷された元刑事が地元で起きる事件に独自に貢献する。著者得意の冒険小説の雰囲気を奥多摩の山を背景に読ませる。

  • 『駐在刑事 Season3』
    テレビ東京/毎週金曜放送
    2022年1月14日から
    ――――――――――
    『駐在刑事 Season2』
    テレビ東京/毎週金曜放送
    2020年1月24日から
    ――――――――――
    『駐在刑事』
    テレビ東京/毎週金曜放送
    2018年10月19日から

  • 笹本稜平作品にしては、小さい小説である。
    でも小さいなりに凄くいい。

    事件は駐在所が絡む程度の事件だし、主人公は中央での競争に敗れて地方に落ちた警察官僚、登場人物たちも分かりやすくデフォルメされた性格で、舞台はほぼ奥多摩の山か里起こる手の届き感。

    これ、笹本小説を期待するから拍子抜けするけど、系譜が理解できたら、楽しみ方が分かる。よーするに江戸時代小説の市井人情ものを味わうように読めば味の分かる作品集だということだ。

    山登りも重要な要素になっていて(1作なんかあこがれの北鎌尾根登るんやで、小説とはいえエエなぁ~)俺は甘めに加点します、続編も楽しみ。
    それにしても、北鎌尾根って、奥多摩雲取山ややバリエーションコース(11時間)をCT半分弱(5時間)でクリアしな行かれへんのかぁ。もっともっと鍛えないとなぁ。

  • 落ち着いた警察小説。派手さは一切有りませんが自然の美しさがあります。地域社会のつながりも温かいです。

  • 安定感のある作品。

  • 1014.3.31ー18
    青梅署水根駐在所に左遷された元刑事が遭遇する事件6編

  • 「秋のトリコロール」を読み終えたとき、心が震えた。
    あとがきに「人にとって幸福とはなんだろう、希望とはなんだろうー。そんな問いに対する答えをおぼろげにでも感じとってもらえればという願いが、この作品を書き続けるうえでの動機でもあった」
    とある。おぼろげながら感じられたと思う。読み終わった時、とても温かい気持ちになる作品です。

  • 面白かった。山岳+警察(+途中から犬)。派手さはない。むしろ地味。でも、うるっ・ドキッ・ハラハラ、色々なお話が詰まってた。「茶色い放物線」「秋のトリコロール」が特に良かった。
    主人公の元上司が笑える。なぜだかこの人が登場するシーンだけコメディみたい(笑)

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著者プロフィール

1951年、千葉県生まれ。立教大学卒。出版社勤務を経て、2001年『時の渚』で第18回サントリーミステリー大賞と読者賞をダブル受賞。04年『太平洋の薔薇』で第6回大藪春彦賞を受賞。ミステリーをはじめ警察小説、山岳小説の名手として絶大な人気を誇る。主な著書に『ソロ』『K2 復活のソロ』(祥伝社文庫)他。21年逝去。

「2023年 『希望の峰 マカル―西壁』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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