風の中のマリア (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 881
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062769211

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった。みなしごハッチとかその類の小説と思ってましたが全然違いました(笑)

    夏の終わりのオオスズメバチにスポットを当てた正統派の科学書籍です。だからと言って堅苦しくなく、「マリア」という一匹のオオスズメバチを主人公とした物語になっています。

    虫嫌いですが、ハチやアリに興味が湧いてくるそんな本でした。

  • 蜂についての知識も全くないまま読んでみたが、楽しめる。百田さんの作品は読者が興味を示していなテーマでも読み進めるとどんどん引き寄せてくる。偉大なる母の懐の大きさや愛情の深さには涙がでそうになる。

  • 12.09.04
    スズメバチの一生のものがたり。
    なんて斬新なテーマ!
    とても忠実にスズメバチの生態を描きつつ、それでいて躍動感があるドラマティックな物語になっていてすごい。
    スズメバチの無精卵がオスになるって初めて知った。しかもそれが遺伝子情報をより濃く残す為だなんて。

    知り合いが勧めてくれなかったら読む機会なかっただろう内容だけど、読んでよかった。感謝!

  • オオスズメバチの話。
    虫を主人公にしているので、虫が苦手な人は読んでいてツラいかも知れない。でもそれが絶えられればとても面白いと思う。

    スズメバチの生態にも詳しくなれるし、読み終わった後で危険で気味の悪いだけのスズメバチだけど彼女らも必至で生きているんだから、そう無意味に嫌うのは良くないな。などと感じてしまう。

  • ただただ虫が生きることの過酷さに深い感動を覚えた。生き物たち全てが、己に与えられたゲノムを守り、そして引き継ぐことの使命を背負っている。自分の一行動も一つの決断も疎かに出来ないことを知る。
    オオスズメバチ、ニホンミツバチ、セイヨウミツバチによる奇妙な三角関係も、自然界の摂理として興味深く、蜂の世界をもっと知りたくなる。

  • 蜂が主人公の作品。昆虫が苦手だからなかなか手が出なかったけど、読んでみたらどっぷりとその世界にのめり込んでしまった。斬新で、深い感動を得る作品。読み終わってから胸熱!

  • 今回の東京旅行、鞄の中に忍ばせていったものは”風の中のマリア・・・百田尚樹”でした。



    深淵ですよ、テーマはオオスズメバチのマリアの物語ですが、とても深いです。僕は本を読む時はリサーチを全くしないで読むことにしています。勿論、逆にテーマを決めてその中で巡り会う本もlございますが、一般的に内容を知らずに読むのが好きです。人と人との出会いに似ています(^^♪。

    オオスズメバチの一生は約30日、とても短いですね、自分自身の人生をここで置き換えてみましょう。

    オオスズメバチは女王蜂を頂点とした帝国です。この”帝国”と云う言葉を百田尚樹さんが使っている訳には意味が御座います、その事については後で述べるとして、この帝国内にはワーカーと云う、女王蜂と子供を育てる為に奔走するメスバチのみしかおりません。そして彼女たちは自分の身を削って帝国を守るのです。

    帝国ですから、侵略・殺戮の連続です。

    でも・・・矢張りワーカー達の数頭は疑問を感じる訳ですね、「なんで自分たちはメスなのに子供を産めないんだろう、オスと出合う事がないんだろう、なぜ自分たちは戦いの中で生きて行かなければならないんだろう。」ってね。

    そこで、先達ワーカーたちはこのように云うのです。「ワンオブゼム。私たちは女王蜂を中心とした一つの個体、女王蜂が子供を産む器官であって、私たちは目であり、足であり、口であり・・・だから子供を産む必要はないの!」と・・・・・。

    これは”種の保存”と云う節理に基づいている訳です。しかし種の保存と云うのは不思議なもの、他の言葉で言い換えるならば残酷なものです。より高いパーセンテージで種を保存できるならば・・・と云うところから核心に入って行く訳です。

    この本は百田尚樹さんの代表作”永遠の零”に通じております。この本のテーマは実は”愛”なのです。この部分を分からずに読んでしまうと残念な結果になりますね(^^♪。

    主人公”マリア”は自分の命を賭して若き女王蜂に最善のDNAを残そうと致します。そしてマリアの意を介して、或る意味完全体ではない女王蜂もどんな苦難を乗り越えてでも生きていこうと心にすりこまれる訳です。

    最後の最後にマリアが感じるものは・・・・たった一瞬ではありましたが心を通わせたオス蜂の事でした。

    帝国は哀れです。女王蜂が無くなると崩壊するのです。そして種の保存の法則にのっとり新しい女王蜂の元、新しい帝国を築くのです、しかしながら・・・・種が何時までも続くと云う訳ではありません、自然の節理の恐ろしさであり、或る意味”純”な事なのかもしれません。

    この本の深い意味を感じ取るには”時間”が必要です。それは僕らが失敗をしながら、悩みながら人生を歩んでいるのと同じなのです。

    ☆4個。

  • 百田先生による生物の授業(国語)
    オオスズメバチが主人公
    ニホンミツバチの描写が不気味で良き

  • 虫の生態系の頂点に立つオオスズメバチの視点で見る昆虫たちの世界がとってもリアル・・・。 子孫を残す方法は様々だけれど、種を残すことは生物にとっての生きる理由そのものなんだろうな〜。 そうすると、現代における先進国の少子化は何を示しているんだろう。 人間という種の終わりの始まりなんだろうか・・・。それとも繁栄し過ぎたが上の自然淘汰なんだろうか・・・。オオスズメバチを通じて、百田さんに人類のあり方を提起された気がする。(o^^o)

  • お客さんにおすすめされて、読んでみた。
    前情報一歳無しで読み始めたため、オオスズメバチが主人公の物語と分かってギクっとした。
    虫、苦手ではないけど好きでも無いから、、、。
    でも、オオスズメバチの生態や社会性について、図鑑を眺めるよりもより分かりやすく理解できた、と思う。
    間違いなく小説なんだけど、同時に教科書的機能も持ってる、そんな素敵な本でした。

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著者プロフィール



「2022年 『橋下徹の研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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