海賊とよばれた男(下) (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062778305

感想・レビュー・書評

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  • 読後、出光のHPで出光興産の歴史を見てみた。
    当時の写真なども掲載されていて、ノンフィクション部分が多いのだろうと思った。

    これだけの困難に直面し、挫折はあっても諦めず、私利私欲に走らず、何度も挑戦し続けることができたと、ただただ「すごい」の一言。

    悲しいことは、敵は外国だけでなく、むしろ同じ国民である日本の政府や同業者であったということ。

    「永遠の0」でもそうだったけど、政府や官僚は国家国民のためよりも己の利益を優先し、そのために同胞を陥れるということが多々あるということ。
    なにか感じる事はないのかな。
    きっとあるんだろうな。

    でも、そんな中で社内の人間は皆素晴らしく会社のために尽くしてくれたようだけど、それを引き出したのは、店主の人柄、人徳からではないかな。

    時間さえあれば読み進めていたけれど、電車の中では鼻をすすりながら、涙を我慢して読んでいた。

    子どもの頃山口の徳山で見た石油コンビナートは出光のものだったんだと、初めて知った。大きくて電気がいっぱいついてて、いなかでは中々見ない夜景だったので、今でも印象に残ってる。

    今では昭和シェルと統合している事、
    店主はどんな気持ちで見ているのかな。

  • サイコー。
    田岡鐵造の意思カッコ良すぎです。明日からも仕事頑張れる。

  • 下巻のハイライトは言うまでもなく「日章丸事件」だろう。

    手に汗握るとはまさにこのこと。見事な描写である。

    国岡鐡造の経営方針には議論もあるだろう。今ならブラック企業と言われるかもしれないし、働き方改革にも逆行するかもしれない。しかし、それらを抜きにして国岡鐡造(出光佐三)の経営哲学には学ぶべきものがある。

    国岡商店のモデルである出光興産は最近、昭和シェルと経営統合したが、創業家は最後まで反対していた。そのニュースが報じられていた当時はなぜ創業家が頑なに反対しているのか疑問に思っていたのだが、本書を読むと納得がいく。

  • 出光ってこんな歴史があったんだなあ。自分が生まれる以前のことであり、自分の関わる会社でもないが、日本にこういう会社があるというで誇らしい気持ちになった。
    自分も精進したい。

  • 〈上下巻合わせて〉

    太平洋戦争前から戦後20年強に渡り、その近代史・日本の復興の歴史と共に、石油販売を生業とする「国岡商店」とその店主、国岡鐡造の一生涯を綴る。実話ではありませんが、モデルとなった人物が存在します。

    国岡は、エネルギーとしては石炭が大部分を占めていた戦前の日本において、早くから石油の価値に目をつけ、国内・海外の大企業に戦いを挑んでいく。その経営の精神には「人間尊重」があり、従業員のことを家族として大切にする。従業員も国岡を慕い、尊敬し、共に数々の難題を乗り越えていく。

    自分の信念を曲げず、正しいと思えることをやり通し、ただ自社の利益のみを追い求めるのではなく、日本の発展・復興の為に力を尽くすその姿は、本当に心を打たれる。また、他社や他団体の理不尽な妨害を打ち破る姿は痛快ですらある。
    大変良い読み物でした。

  • 熱い。
    主人公とその仲間がこれまた同じくらい熱い。
    政府だろうが何だろうが、外敵の嫌がらせにじっと耐え
    成功していく姿は、目頭が熱くなった。
    面白い。面白すぎる。
    こういうド根性もの大好きだなぁ。

    この淡々とした文章が、簡潔に物語を熱く伝えるのにとってもいい。

    最後の解説つーか寄せ書きで、元官僚の堺屋太一が、
    国民のための官僚には官僚の理論があると書いてるが、
    それがダメなのに気付かない日本の官僚は
    ダメダメなんだなーと改めて感じてしまった。

  • 国岡鐵藏とはなんという人物なんだ! 圧力とか権威とかに反骨し続け、自分の信念を通し 新しい日本を切り開いた! にしても、彼の部下として働くのには、苦労も多かっただろう。 アメリカメイジャー、イラン、ガルフ、製油所にタンカー。 なんという人生! 諦めずに下巻まで読んでよかった。 最近のガソリン価格の上昇も、政府、外国様々な思惑が 行き来してて、消費者に割がきてるんだろうな。 結局、「普通」の「常識的」な人物にできることは そういうことなんだろな。 でも、戦争に負けた日本の礎を気づいてくれた彼に 感謝である。

  • 上巻は日本内の企業や、GHQとの争いが描かれていたが、下巻では世界を相手に戦う国岡商店。必ず最後に正義は勝つというのが読むと伝わってきた。国岡は自分の利益が出るとしても、その欲には溺れず、国のことを考える。国を考える国岡商店に対し、国家は保身のため国岡商店をあえて遠ざける。この矛盾がとても歯がゆく、読者はみんな国岡商店を応援すると思う。この話が実話というのも驚きだが、こんなかっこいい日本人がいたことに感動した。
    この話の中で感動したのは、徳山に製油所を十ヶ月で完成させるシーンで、特に「人の心が1つになった時、合理や計算では考えられないことが起きる」という国岡鐵造の言葉を得られたのは今回の収穫である。どんな時も信念を曲げない彼の生き方を参考にしていきたい。

  • 圧倒的な面白さ
    こんなにわくわくして読み進めることのできる小説は少ない。

  • 上下巻を一気に読んだ。出光創業者の話。

    [more]

    - 「たとえ99人の馬鹿がいても正義を貫く男が一人でもいればけっして間違った世の中にはならない」

    - 1バレル=42ガロン=160リットル足らず

    - 「人間の赤ちゃんは10ヶ月で誕生する。製油所も同じだ」
    - 担当者は心労で5キロ痩せた
    - 完成までこぎ着けたのは担当者の苦労。
    - 言い出した鐵造の手柄にするのは違うような気がする。

    - 鐵造「私は、人間を信頼するという考え方を広めていくことこそ日本人の世界的使命と言っています」
    - すごい。感動した。

    eof

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著者プロフィール



「2022年 『橋下徹の研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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