スノーホワイト (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 51
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062779784

感想・レビュー・書評

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  • なんでも教えてくれる鏡やら、小人やらファンタジー要素がかなり強めのミステリ。
    でもファンタジー要素はあってもちゃんとしっかりとしたミステリになってて凄い。
    魔法の鏡をどう使えば効果的か、など展開はかなり論理的。

    探偵の三途川理は前作よりだいぶゲスさに磨きがかかったように思う。
    彼はかなり癖があるので好き嫌いが別れるだろうなぁ。
    うわーゲスだなーとは思うけど…なんだろう…なぜか私は憎めない。
    やってることを考えるとほんとに非道だから実際いたらもちろん絶対いやだけどキャラクターとしては癖があって好きかなぁ。

  • 童話モチーフの、不可思議アイテムあり、制約付き論理バトル。
    真実を映す鏡の使い方の幅の広さがとても面白い。
    ゲス探偵が、こんなにゲスいのに、三途川の思考ってやっぱり結構すごいんだよな。ゲスいけど。
    しかし彼にいたっては、どこまでもゲスくあってほしい。
    緋山VS三途川の構図には燃える。

  • ディズニーの「魔法にかけられて」を思わせるつくりで、超常ルールを使った本格ミステリっぽい作品に仕上げている、新しもの好きの審査員先生方にはたまらない作品だろう。ケータイ・ネット世代には読み返してロジックやトリックを検証するような構成では読んでもらえない、と。それに対する解答が本作だという。まぁ何というか、自分の印象としては本格ミステリと言うのには難ありという印象。小説として嫌いではないが。6.5

  • 探偵対探偵の話?

  • 2016/1/28
    何でもわかる鏡を持ってる探偵って探偵小説として成り立つの?と思いましたが後半はなるほど。
    読みやすい割に敵役の三途川が虫唾が走るほど嫌な奴で、主人公ママエがあっさりやられてイライラした。

  • 斬新な設定だけどうまくいかせてないかも。もう、一捻りあると良かったです。

  • 魔法の鏡という,おきて破りのアイテムを登場させた本格ミステリ。この設定だけでも魅力的だが,襟音ママエやグランビー・イングラムといった登場人物のキャラクターも秀逸である。
    更に,この本は,本としての構成も見事。第一部は,魔法の鏡を利用して襟音ママエが解決した事件が紹介されている。真相から逆算して推理をするという奇妙な設定と,襟音ママエのなんともいえないキャラクターの魅力もあり,この短編も,日常の謎系のミステリとして十分楽しめる。
    この第一部を踏まえ,襟音ママエのキャラクターに愛着を持たせておいた上で,第二部には,こちらも強烈なキャラクターである三途川理を登場させている。
    ある国の王位を継承するために,ダイナ・ジャバーウォック・ヴィルドゥンゲンから,襟音ママエの殺害依頼された三途川理は,魔法の鏡を利用したさまざまな襟音ママエ殺害計画を立て,実行に移す。三途川理と襟音ママエ…というより襟音ママエを守るイングラム陣営との対決。最終的には,もう一人の探偵である緋山燃の力もあり,三途川理の襟音ママエ殺害計画は失敗する。
    ふしぎな国の法にのっとり,ダイナと三途川理はヒキガエルになる罰を受け,ママエは王位を継承するというハッピーエンド。読後感もよく,文句なしの★4つ。

  • 理系トリック。ロジカルシンキング好きな方にオススメします。

  • 毎度おなじみジャケ買いの一冊。
    タイトル通り、白雪姫をモチーフにしたカバーデザインで、ついつい手に取ってしまったのですが、これがまたなかなか面白かった。

    第14回本格ミステリ大賞を受賞作。
    モチーフになっている白雪姫から「7人のこびと」を持ってくるのはまだしも、「真実の鏡」をミステリ作品に持ってくるというとんでもない作品。

    襟音ママエの探偵活動を描く第一部は3つの短編で構成。依頼人の相談に、お茶を替える振りをしてサクッと鏡に犯人とトリックを聞いて問題解決! 助手の小人・イングラムが「もうちょっと考えようよ」と言ってもどこ吹く顔のママエ。

    なんや? これ?

    ミステリとは思えない最初の作品に当惑しながら2つめの話に。
    ママエの答えに納得しない依頼人に、依頼人が納得する言い訳をまたも鏡に考えさせるという……うーん、なんだろう? この激しい違和感は……答えが分かる鏡というアイテムがあったら、ついつい倒叙型の作品になりそうなもんだけど。

    なんだか分からないまま読み進めていくと、3つめの物語ではとうとうママエのやり方に違和感を持つ他の探偵が現れて級地に陥れられて……と、言うところで第一部は終了。

    第二部になると、鏡の出所やイングラムの存在を補強する舞台が登場。おとぎ話には付きものの「悪い王女」が現れて、第一部でママエを追い詰めた探偵・三途川と組んで、ママエを無きものにしようと襲いかかります。

    ここからはこの小説の真骨頂、「真実の鏡がある」ことを前提にした虚々実々の駆け引きが繰り広げられ、最後にはストンと論理に基づいた推理が展開されます。
    なるほど、これは面白い。

    著者のデビュー作のキャットフードは「人狼ゲーム」の変形版との解説があったので、興味津々。次はそれを読んでみよう。

  • 「鏡で探偵できたら、最強なんてもんじゃねえ、武者震いがするぜ……」


    紀伊國屋で本格ミステリ大賞の帯に惹かれて買った。
    法月綸太郎が書いている解説がわかりやすい。

    三途川が抜群のゲスっぷりで楽しい。殺人を躊躇しないスタイルに最初嫌悪感を覚えたが、2部以降に連続して繰り出してくる様々な策略を見てるとなんだか憎めないキャラになっていく。

    上のセリフがあまりに心に正直すぎて笑う。

    今まで読んだことのあるどのミステリとも違うタイプで驚きながら楽しく読めた。

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著者プロフィール

1984年、香川県生まれ。京都大学大学院理学研究科修士課程修了。京都大学推理小説研究会出身。2010年『キャットフード 名探偵三途川理と注文の多い館の殺人』(講談社BOX)でデビュー。〈名探偵三途川理〉シリーズは他に『スノーホワイト』『踊る人形』(以上、講談社文庫)、『ワスレロモノ』『トランプソルジャーズ』(講談社タイガ)。近著に『そのナイフでは殺せない』(光文社)。

「2020年 『死者と言葉を交わすなかれ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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