- Amazon.co.jp ・本 (406ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062807104
作品紹介・あらすじ
バルカン、アナトリア、アラブ世界を席巻した大帝国は、多文化、多宗教を柔軟に包み込むメカニズムを生みだした。強力なスルタンのもとで、広大な地域を征服した成功のあとに続いた、大宰相を中心に官人たちが支配する長い時代。多民族の帝国が、民族の時代の到来により分裂するまでを描く。
感想・レビュー・書評
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理系の私には最も苦手な分野(歴史)の本でした。。。
主に読み手の問題ですが、こういう文章の中から歴史の面白さを発掘できないorz。。。 -
オスマン帝国の入門書としては最適です。
実に過不足なくツボを押さえた内容です。
2冊失敗して漸くたどり着きました。
学者による記述は、教科書的になりがちですが、ぼくのような疑ってかかる読者の好奇心を的確に満足させてくれます。
最新(?)の歴史解釈により、オスマントルコに対してのステレオタイプな固定観念を否定してくれます。
正直なところ、最初は、日本人による、しかも女性による歴史書はどんなものかと先入観を持っていましたが、西洋人の書いた歴史書のようなキリスト優位にたった歴史観ではなく、公平に見ることが出来る点が却って良かった。
それに歴史に疎い翻訳家の訳した読みづらさもありません。
現代のイスラム社会の問題点を語るためにも、是非読んでいただきたい一冊です。 -
バーキーを紹介
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オスマン帝国の前期について書かれた本は私は読んだことがなくてなかなか勉強になりました
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上橋菜穂子さんの推薦から読書。
オスマン帝国はトルコ人の国ではなく、イスラム教を奉じるスルタンが、イスラム法に則って支配した地域。
徴税のため、民族よりもイスラム教徒であるのか、非イスラム教徒であるのかの方が重視されていた。
オスマン帝国の支配を受けていた人々が、国民であり、民族によって差別を受けなかったという、支配体制。
官僚の腐敗はあったけれども、民族差別のないこの支配体制はなかなかよかったと思う。
これが終焉期には、ヨーロッパ列強の干渉や、支配体制の揺らぎによって、言語や宗派の違いから人々が民族というものを意識し、貧富の差が民族間で発生するようになって互いに憎みあい、自治を求める。
ここからバルカン半島やアラブ諸国の、今に到る争いが起こったという経緯を知る。
民族が自治を求めるとは、こういうことか……と、初めて意味がわかった気がする。 -
オスマントルコは、トルコ帝国でもイスラム帝国でもなかった、というのには驚いた。僕は世界史で何を習っていたんだろう?
塩野七生もそうだけど、たまにこういうのを無性に読みたくなる。 -
この本のなかに魚は頭から腐るという言葉がある。国の隆盛、滅亡は指導者によって決まる。オスマン帝国の歴史はその事を教えてくれる。
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もう一度読みたい。
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ちょっと前に読んだトルコ狂乱は トルコ人のためにトルコ人が書いたトルコの歴史 という本でしたそれだけに 日本人の私が読むと きつい部分もありましたが こちらは 日本人が日本人のために書いた トルコの歴史本で 大変読みやすく 面白かったです。民族と 国 が 必ずしも 一致していない 緩やかな まとまり だった オスマントルコ から民族自決へ そして 今 現在 また いろいろな国のまとまりである ヨーロッパ へと国の あり方も 変化するんだなぁ と 思いますね