情報環境論集―東浩紀コレクションS (講談社BOX)

著者 :
  • 講談社
3.71
  • (17)
  • (9)
  • (28)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 210
感想 : 10
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (460ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062836265

作品紹介・あらすじ

批評界のトップランナー東浩紀 LSDコレクション、第2弾!
来るべき“情報社会”をサヴァイヴする!
あの「情報自由論」を完全収録。

現代思想界のトップランナー、東浩紀がヴィヴィッドに描く情報環境の輪郭――。情報社会の成立を丹念に描き、迫り来る“環境管理型社会”を生き抜くヒントを提示する「情報自由論」と、“情報”の誕生が生んだ新しい表現と表象とを鮮やかに解き明かす「サイバースペースはなぜそう呼ばれるか」を軸に、「情報社会を理解するためのキーワード20」を収録した必読の1冊。これぞゼロ年代の情報環境を紐解き、未来をサヴァイヴするための最重要テキスト――東浩紀“LSDコレクション”第2弾、講談社BOXより堂々発進!

東浩紀Literature,Society,Dialogues!!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「情報自由論」「サイバースペースはなぜそう呼ばれるか」「情報社会を理解するためのキーワード20」を収録。僕はこの講談社BOX版で読んだのだからレビューもここに書くが、本書自体はおそらくすでに絶版となっている。ただ、サイバースペース論は今日では河出文庫に入っており、また情報自由論は実は全文がウェブで公開されている(http://www.hajou.org/infoliberalism/)。情報自由論は昔読んだので、今回はサイバースペース論のみを。

    本書の「あとがき」で著者・東はこのサイバースペース論を「失敗作」としている。たしかに、本論文で提示される様々なモチーフは、結局のところ一つの像を結べていないように見える。が、一つひとつのアイデアそれ自体は大変面白く、今日に至ってもまるで古びていない。フィリップ・K・ディックの小説に注目し、さらにそれを生み出した60~70年代のアメリカ西海岸の精神風土にも言及していく本論文は、同時期に刊行された『存在論的、郵便的』と比べるとはるかに具体的な問題を扱っているようにも見えるが、実際には両者の議論は密接に関係しており、そのことは『存在論的、郵便的』での抽象的な議論が実に広い射程を備えていたことを示しているともいえる。

  • [ 内容 ]
    現代思想界のトップランナー、東浩紀がヴィヴィッドに描く情報環境の輪郭―。
    情報社会の成立を丹念に描き、迫り来る“環境管理型社会”を生き抜くヒントを提示する「情報自由論」と、“情報”の誕生が生んだ新しい表現と表象とを鮮やかに解き明かす「サイバースペースはなぜそう呼ばれるか」を軸に、「情報社会を理解するためのキーワード20」を収録した必読の一冊。
    これぞゼロ年代の情報環境を紐解き、未来をサヴァイヴするための最重要テキスト―東浩紀“LSDコレクション”第二弾、講談社BOXより堂々発進。

    [ 目次 ]
    情報自由論 2002‐2003(情報化とセキュリティ化が交差するところ;工学と政治が短絡してしまう世界;規律訓練から環境管理へ;イデオロギーなしのセキュリティの暴走;サイバーリバタリアニズムの限界;フィルタリングされる自由;自由と交換される匿名性;断片化し増殖する個人情報;表現の匿名性と存在の匿名性;労働=消費の場を覆うネットワーク ほか)
    サイバースペースはなぜそう呼ばれるか 1997‐2000
    情報社会を理解するためのキーワード20 2006

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 数年前まで某会社に勤めて、某警視庁で監視ツールを作ってた身としては胸が痛くなる本。もう少し早くこの本に出会っていれば色々できたかもしれない…。でも無理か…現場の人間が言論誌を読むなんて考えられないよ…。

  • 「サイバースペースはなぜそう呼ばれるか」を再読。

  • 12月1日読了。東浩紀による「LSD」3部作の2巻目。個人の自由が最大化するはずの未来社会は逆に個人の自由を縛ること。またそれらはテクノロジーを通じて人の目に見えない・意識されないほど効果が高いことを嘆き?怒り?をもって論じる第1章と、ディックの小説などをひいて現代人の「サイバースペース」のとらえ方を論じる第2章と、現代社会を理解するための用語集から構成されている。「ビッグブラザーではなく無数のリトルブラザー」という監視の構図は、大きな物語を失ったポストモダン社会が必然的に生み出すものなのか・・・「テクノロジーは自由で良いもの」と無条件に信ずる明るいハッカー的発想は、逆に自らを、与えられた自由の中でしか思考できない萎縮した存在に貶めてしまうもの、という指摘は空恐ろしいものがある。社会の崩壊はエリートから始まるのだな。2章は面白いことは面白いのだが正直、何が言いたいのかよく分からなかったが後書きを読んで納得。著者の若年時代の現行だったのだな。

全10件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1971年東京生まれ。批評家・作家。東京大学大学院博士課程修了。博士(学術)。株式会社ゲンロン創業者。著書に『存在論的、郵便的』(第21回サントリー学芸賞)、『動物化するポストモダン』、『クォンタム・ファミリーズ』(第23回三島由紀夫賞)、『一般意志2.0』、『弱いつながり』(紀伊國屋じんぶん大賞2015)、『観光客の哲学』(第71回毎日出版文化賞)、『ゲンロン戦記』、『訂正可能性の哲学』など。

「2023年 『ゲンロン15』 で使われていた紹介文から引用しています。」

東浩紀の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×