世界史を変えた薬 (講談社現代新書)

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  • 講談社
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感想 : 65
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062883382

感想・レビュー・書評

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  • [墨田区図書館]

    思っていたよりも、豆知識本みたいな作りで面白かった。化学薬学面では話だけでなく化合物の構造図を載せていたり、歴史面ではちょっとした小噺的に著名人のエピソードを絡めていたりと、エッセイのように軽く楽しく読める。

    でも個人的には「物語」の方がいいのと、「知識本」とすると、メモを取って理解したくなるのでやはり今回のように外的要因がないと読まないかな。断片知識と短期記憶しか持てない私には、理解した気になれるので、話題の年表とか地図とかも欲しかったかも。

    ただ、エイズ治療薬のところなどは多少その時代を経験しているので身近に感じたし、そこで歴代の感染症としてSARSやMERSなどが出てくると、今回のコロナの件もここに新章追加されたら読んでみたいと思えた。

  • 人類の歴史を変えた医薬品を時代背景を踏まえて解説した本。

    内容は主に医薬品の歴史の紹介であり、化学的な部分もわかりやすく説明されているため、誰にでも読みやすい本であると思います。

    ウイルスは標的となるタンパク質が少なく、変異が早いため、薬を作りにくいことから、本書では「人類の最後の敵」と紹介されており、現在の状況から痛感させられました。

    人類の歴史は感染症との戦いであるというのを考えさせられる本でした。

  • 非常に読みやすくまとまった本でした。
    感染症と疼痛をメインに人類に薬が与えてきた影響を、臨場感を持って感じ取ることが出来ました。

  • 実は知らなかった薬の歴史。ためになる系の本です。さらっと読めて賢くなった気分になれます。

  •  普段から多々お世話になっている様々な薬。今の日本で生きていると、そのありがたみを感じにくかったりもしますが、この本を読むと薬のありがたみがよく分かります。

     例えば麻酔。考えてみれば当たり前ですが、麻酔のない時代は、患者を押さえつけて外科手術やってたんですよね。それだけで麻酔薬開発に関わった、すべての先人に足を向けて眠れません…

     きっと麻酔がなければ、僕は親知らずを抜くことはできなかったでしょうから。

     そのほかにも、ビタミンCや消毒薬、アスピリンなど、今ではおなじみの薬の歴史や、開発秘話、科学的な考察が書かれています。

     内容はいずれもあっさりしているので、読み応えは少し物足りないところもあります。

     しかし化学式などもわかりやすく解説してくれているのは、文系にはありがたい限りです。

     一番印象的だったのは、エイズ治療薬の話かな。日本人が開発したというのも初めて知ったのですが、そのエピソードも本当によくできているというか、素晴らしいというか。

     映画・ドラマ関係者は、今すぐこの話を映像化できるように掛け合ってもいいんじゃないか、と思いました。 

  • 今の書き方だとこんななんだなあ。この内容の本を50年後に書いたらどんなになるんだろう。50年前だとどんなだろう。などと思いながら読んだ。タイトル通りだし。アニリンの荒っぽさを思い出しながら。

  • 2017/10/31 初観測 雑誌VISAのブックセレクションに載っていたのを見て。

  • 製薬会社研究員による、歴史を変えた薬について紹介した本。人類の歴史に大きな影響を与えた薬をいくつか取り上げて説明している。興味深い内容であった。
    「ほんの100年前には、日本人の平均寿命は現在の約半分に過ぎなかった。1921〜1925年の平均寿命は、男性42.06歳、女性43.20歳。新生児の6〜7人に1人は、3歳までに亡くなるという時代であった」p14
    「天才の着想というものは、その後一般に普及して当たり前になってしまい、後世から見るとその凄さがわからなくなることが少なくない」p32
    「キニーネを含む健康飲料も開発された。キナノキなど薬草を抽出した液に、炭酸を加えて飲みやすくしたトニックウォーターがそれだ」p50
    「モルヒネは、ケシの未熟な果実から得られる。ケシの果実を未熟なうちに傷をつけると、白い乳液が滴り落ちてくる。これを集めて乾燥させたのがアヘンだ。モルヒネにアセチル基を結合させたものがヘロイン」p61,72
    「16世紀に使われた医薬のうち、現代の目で見て真に有効といえるものは、アヘン以外にほとんど見当たらない」p63
    「医師は免許を取ったら、内科、耳鼻科、皮膚科など何の科を名乗ってもよいが、麻酔科だけは厚生労働省の資格審査に別途合格する必要がある」p84
    「アメリカ人は驚くほどのアスピリン好きで、年間1万6000トン、世界で生産される1/3を消費している。全国民が年間100錠ほどのアスピリンを飲んでいる計算になるから、にわかには信じがたい数字だ」p149
    「薬というものは同じ成分であっても、細かな技術によって、効き方に違いが出る。これは現在のジェネリック医薬などでも、同じ問題となる」p155

  • これは、世紀の大発見と言われる様々な薬の発見や進歩を素人にも出来るだけ分かり易く世界史と併せて紹介した一冊です。ビタミンCから始まり、キニーネ、モルヒネ、麻酔薬、消毒薬、サルバルサン、サルファ剤、ペニシリン等々・・人類の歴史を変えた素晴らしい薬ばかりです。医療の未来を考える良いきっかけになる本だと思います。

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著者プロフィール

千葉大学大学院社会科学研究院准教授。1976年生まれ。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了、博士(法学)

〈主要業績〉
『「平等」理念と政治――大正・昭和戦前期の税制改正と地域主義』(吉田書店、2014年)
「大正期の東北振興運動――東北振興会と『東北日本』主幹浅野源吾」(『国家学会雑誌』第118巻第3・4号、2005年)

「2019年 『公正から問う近代日本史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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