- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062923477
作品紹介・あらすじ
主要霊山ごと、あるいは個別宗教ごとにしか語られてこなかった日本の山岳信仰。本書はそれを世界、とくに東アジアの山岳信仰のなかに位置づけ、包括的に捉えたはじめての本である。霊山の特徴、信仰、儀礼などを、人々の生活と関連づけて考えることで、山の霊性とは何かを明らかにする。
私たちはなぜ山に手を合わせるのか。神仏や天狗はなぜ山に住まうのか。
いま、あらためて、自然や「聖なるもの」を問いなおす。
感想・レビュー・書評
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日本の宗教は、山や森の信仰がもとになって来た。日本での山岳信仰の姿を霊山の特徴や儀礼などを人々の生活と結びつけて考えて見ていくのが今回の本だ。
日本人にとって山は、山菜、鉱物資源などを恵んでもらえるありがたい場所であるとともに、生活を脅かす獣、妖怪、鬼のいる怖いところでもあった。
霊山の信仰内容について次の7つに分類している。
1.水の信仰 145(竜127、弁財天18)
2.火の信仰 137(愛宕115、秋葉22)
3.来世の信仰 67(虚空蔵34、地蔵24、阿弥陀9)
4.現世利益 78(観音57、大黒21)
5.除魔 41(不動20、荒神16、毘沙門5)
6. 御霊神66 (天神49、牛頭12、祇園5)
7.修行者の感得179 (権現107、明神67、蔵王5)
意識したことはなかったが、霊山に求めるものは様々だな。
現在では、霊山にケーブルカーで乗って参拝したり、バスに乗って参拝したりできるようになり、昔とは違った形になっている。
とは言っても、神様に祈りを捧げるのは今も昔もかわらない。
東京には行基が開基したと言われる武州御岳がある。中世は修験道場だったが、近世になると世尊寺が中心となり、運営にあたった。埼玉にある三峰山と同じく眷属の狼信仰で、関東近辺に信者を増やした。明治の神仏分離以降は、武蔵御嶽神社となって今に至る。
ペットの犬を連れて参拝に訪れる人々がいる。時代の変化に対応して生き残っている。
これから霊山がどのようになっていくのか興味がある。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
第1章 日本人の生活にとっての山
第2章 山岳信仰の諸相
第3章 森の信仰
第4章 山岳信仰の歴史
第5章 各地の主要霊山
第6章 聖地としての山岳
第7章 山の神格
第8章 山の宗教者と動物・異人
第9章 山のまつりと修行
第10章 山から里へ