- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062936606
感想・レビュー・書評
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誰しも人生で決定的な出会いってありますよね。私は誰だろう。
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原田マハはお気に入りの作家だが、そのために読む前の期待値が高すぎるのか、本作は思ったよりもあっさりしていたように感じた。
実は最初の短編「最後の伝言 Save the Last Dance for Me」はものすごく良かった。思わず最後は涙してしまった。タイトル通りの誰かの大切な人ってこういう事もあるんだなぁと納得もした。しかしその後の5編が最初ほどの感動もなく、読み終えると全体に物足りなさを感じてしまった。
とは言え、いつもの原田マハの作品であり、決して悪い作品ではない。勝手に期待値を上げた自分が悪いのはよく分かっている。-
こんにちはhighriverさん
いつも的確な感想、また自分が読めない難しい本を読んでいらっしゃるので、 いつも参考にさせていただいています...こんにちはhighriverさん
いつも的確な感想、また自分が読めない難しい本を読んでいらっしゃるので、 いつも参考にさせていただいています。
「期待値を上げてしまっている」に思わずコメントしてしまいました。
本当に同感です。
好きな著者さんのマハさんも池井戸さんも、すでに水準以上の作品なのに、自分の今の気持ちとマッチしない時などに低い評価をつけてしまいがちです。
評価は今後のためにしたいので悩みどころではあります。
ちょっと模索してみたいと思いました。
いいきっかけをありがとうございました。これからも感想を楽しみにしています!2023/12/01 -
こんにちは、ベルガモットさん。
コメントありがとうございます。共感して頂ける方がいてとても嬉しいです。
次は何を読もうかと考える時もついつい...こんにちは、ベルガモットさん。
コメントありがとうございます。共感して頂ける方がいてとても嬉しいです。
次は何を読もうかと考える時もついつい好きな作家の作品ばかりになってしまうので、なるべく色々な作家も読んでみようと思うのですが、やっぱり多少は偏ってしまいますよね。そして期待もしてしまう…(苦笑)
これからも評価は試行錯誤するので、ベルガモットさんや他の方の評価も是非参考にさせて頂こうと思います。2023/12/01 -
お返事ありがとうございます。何はともあれ作家先生にリスペクトをしつつ、こちらも真剣に読まないといけませんねお返事ありがとうございます。何はともあれ作家先生にリスペクトをしつつ、こちらも真剣に読まないといけませんね2023/12/01
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幸せは自分で決める、かな。
歳を重ねると人は幸せと不幸は別々の時期にやってくるのではなく同時にあるものなんだなと。何かを抱えながらも楽しむ事をする。物事は周りの人達の基準ではなく自分が良いと思えればそれは幸せ。
生きているってそういう事かもと思える短編集。 -
大人の独身女性を主人公とした6つの短編を収録。単行本は2014年刊行。
「最後の伝言 Save the last dance for me」、「月夜のアボガド A gift from Ester's Kitchen」、「無用の人 Birthday surprise」、「緑陰のマナ Manna in the Green Shadow」、「波打ち際のふたり A day on the Spring Beach」、「皿の上の孤独 Barragan's Solitude」
「波打ち際のふたり」(母親の介護に直面した悩める女性のお話)は、「ハグとナガラ」にも入ってた(本書に先に収録されてたんだな)。
経済的にはそれなりに安定した独身仕事女性たちの様々な人生の断片。6作品の中では、何といっても「最後の伝言」が印象的。父親がイケメンの遊び人、いわゆる"髪結いの亭主" というヤツで、母親の葬儀にも遅参して呆れられる(でもちょっとホロッとする)、という強烈な話だった。 -
それぞれの物語の主人公が全員アラフォーやアラフィフの大人の女性。
そして全員過去に結婚歴があっても現在は独身。
自分はもう少し下の年齢で、既婚だし、ここに出てくるような誇らしい仕事にも就いてないし、全然違う境遇だけど、それでも引き込まれてしまう文章のあたたかさがとても良かった。
【最後の伝言】なんかはすごい泣けた。
小さい頃からの友達じゃなくても、大人になってから出来た友達だとしても、それが異性だとしても大事にできる友情って宝物だなと思う。
それが【あなたは誰かの大切な人】ってことなんだと思う。
友人でも家族でも、私にとって大切な誰かをこれからも大切にしたい。
私も誰かにとっての大切な人になれますように -
6人の女性を主人公にした短編集。
年齢も職業も背負っているものもちがう彼女たちに共通なこと。
”一生懸命に生きている”ということ。
困難な状況になったとき、見えてくる”大切なこと”、”大切な人”
解説の中にあったことば。
<自分は、自分の大切な人>
納得!!!
6編のうち、一番好きなのは『波打ち際の二人』
ハグとナガラの物語。
【星がひとつほしいとの祈り】【さいはての彼女】にも登場するあの二人です。 -
積読の中からの一冊。貯まる一方なので少しはと月末には取り出して読みだす。それも苦手な小説を・・・。原田マハさんの本。独身でありながら仕事にイキイキと生きがいを見出して自由に過ごしている女性が六人登場。
「人は結局一人なのだ」といわれながら、どこかで心を交わせる人を求めている、そこには「あなたは、誰かの大切な人」でありたいと願っている。
そして「孤独」の崇高性、大人のいろんな生き方の参考になる6編の物語がここにはあります。 -
しっとりと大人な女性たちの話かな。
結婚、仕事、選ぶ道、選んだ道・・・。
今、置かれている場所に後悔はないけれど
こう生きるんだ!!と、頑なに背負い込んでる訳でもない。
生活の中にある、決して派手な付き合いではないけれど
とても大事な繋がりの人達。
この人と居ると何か守られているような。
とても良い時間の中にいる・・・そんな大人の本でした。 -
原田マハさんの短編小説6話、いづれも主人公は独身の大人の女性。
美容師、フリーランスのアートコーディネイター、美術館の学芸員、フリーライター、フリーランスの広告ディレクター、都市開発の社長という38歳から50歳までの面々である。
各々の色んな自立した人生を描きながら、大切な人との繋がりに接して温かい気持ちになる。
あなたは誰かを大切に思ってるし、あなたを大切に思っている人は必ずいると言うメッセージが受け取れる小説である。
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人生の最終章とはこういうものだと。思い知らされる短編集です。
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立場は違えど、自立した女性を主人公にした6篇が収録された、“丁度いい”短編集。
同著者の「星がひとつほしいとの祈り」と似ていますが、本書の方がハートウォームな感じです。
どの話も良い感じにまとまっていて、サラっと読めるけど、程よい余韻が残ります。
お得意のアートネタや旅ネタもあり、原田さんの短編でちょいちょい顔を出す、“ハグとナガラ”も登場します。
個人的に好きだったのは第二話「月夜のアボカド」かな。この話に出てきたアマンダが、第六話「皿の上の孤独」にも登場するのも心憎くて良いですね。
皆、それぞれ何かを抱えて生きていますが、読めば少し前向きな気持ちになれそうな、そんな一冊かと思います。
↓一部抜粋して音読しています♪
https://www.youtube.com/watch?v=5-PKBz2Mr0o -
あまり、心に引っかからなかった。
綺麗な表現だなーって感じるところはあったけど、何か強く刺さる感じではなかった。まったりとした本。
同世代の働く女性だから、もっと共感できるかと思ったけど、結構みんな大変なのに淡々としてて強い女性だった。
表紙になってるマークロスコの絵が原田マハさんの「いちまいの絵 生きているうちに見るべき名画」で紹介されてたので気になった。
「無用の人」の話はその絵が出てくるけど、窓の風景とは思い浮かばなかったな。
最後の「皿の上の孤独」は深掘りして、恋愛要素プラスしたの読んでみたいけど、そうすると、原田マハさんらしくなくなるのだろうな。 -
しんみり温かい気持ちになれて、大切な人を思い浮かべる短編集。メキシコ料理が食べたくなりトルコに興味を持ち、温かい気持ちと共に好奇心も刺激された。あと、社会人になってから友達できた試しがないから、友情を育んだ彼女らが羨ましくなる。
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どのお話も暖かさと寂しさが混ざり合っててよかった◎
歳取るの嫌やなとばっかり思うけど人生重ねる楽しさと面白さも見つけていきたい -
第一に温かい話だった。付け加えるとしたら、少し辛いけれど、まだ余裕の残した境遇にいる人々の、温かな話だった。
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『母はずっとスーパーのレジ係や清掃の仕事のパートで働き続けて(略)お父さんは気が弱い、だから出世しない、あんな人と一緒にいてもつまらない、無能な人なんだと、いつも愚痴っていた。』
『父は「無能の人」などではない。けれど、母にとってはーそして社会にとっても、「無用の人」なのかもしれないと』
私は女性で、この短編集の主人公たちのように、一応自立して生活している立場だけど、この『無用の人』と言うお話の中では、父親の人生を思い、胸がきゅっとなった。社会にとって本当に「有用な人」って、実際のところ、どの位いるんだろう。「無用な人」って、実は沢山いるんじゃないかな。
きっと、世代的にもこのお話の母親は、もっと専業主婦が当たり前の世代で、パートとは言えずっと働き続けていることや、そんな自分のパート代とさして変わらない収入の夫との生活は、辛いものがあったのだろう。けれど、男性も男性で、どんな性分の人でも、どんなことに興味がある人でも、男であるからには、バリバリと働き、出世して、家族を十分な収入で支えなければいけないと言う生き方は、苦しいものだなあと。それが出来なければ、社会どころか、妻や子供にまで「無用な人」だと判断されてしまうのは、何とも言えない寂しさだ。
しかし、もしかすると、父親はこの娘が学芸員になったことを、密かにとても喜んでいたのかもしれない。そう思うと、それは小さな救いのようだ。 -
瀧井さんの最後の解説文がこの本の良さを全て表しているように感じました。
生き方を自由に選べ、孤独と苦労を伴いながら人は生き、人生観が多様化する中で身近な人と分かり合えなくなったりもするけれど、だからこそ誰かと心と心が繋がる瞬間は奇跡的なものなのだということ。この先の人生への不安もあるが、そうしたネガティブな感情も、引き受けているような、おおらかさを持ち合わせた主人公たち。希薄な人間関係の中で日々を過ごす中、次第に価値観が人と乖離して、ますます他者とすれ違ったり衝突したりして、分かり合えない人たち。様々な人が描かれる中、それでも、意外なところで人は人と繋がり、人は誰もが誰かに大切にされ、自分で自分を大切にすることが必要なのだと感じる本です。 -
どこにでもいて、誰にでもあるような話なんだけど、一話一話、ジワジワと心に残る話。
身近な人を亡くした人の話が多く、父を亡くしたばかりの私にとっては、心に響く話が多かった。
「波打ち際のふたり」のハグのお母さんの話は、涙なしでは読めなかった。子を思う母、母を思う子、お互いに思うあまり苦しくなってしまう。
ちょうどいい距離って難しいなと思った。 -
主人公たちの様々な価値観を見て、考えさせられる本だった。私は1人じゃないそう思わせてくれるような本だった。
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経済的にも社会的にも自立したアラフィフ女性たちの、強さと孤独と不安。
どれも自分の身にも起きそうな境遇に自分の将来を重ねながら、読み進める。好きなのは以下三遍。
「無用の人」が妙に心に残る。
「緑陰のマナ」はトルコに行きたくなった。
「波打ち際のふたり」こんな友がいたらいいな。
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原田マハの短編集。
今少し元気ないな、疲れてるな、って思う時はマハに限るが、これは短編集なので即効性がある上に複数回の波がやってくる。ひと粒で6回美味しい。
とはいえ、私は最後のお話だけは少し残念だったから、厳密に言えば5回なのだけれど。
どの話にもたくさんの女性の人生が垣間見える。人の数だけ人生があるんだ、と改めて思う。
女性の心の機微とか人生観とかそう言うものを語らせたら本当にすごいよなぁと毎回思うのだが、その反面、男性についてはあまり上手くないと感じることが多いので、男性は出さないでもらったほうがありがたい…。。つまり6話目で少ししらけてしまったのはそれが理由だ。
マハさんは何人分の人生を生きてきたの?と思うくらい、女性を描くことに長けていると思う。インタビューを重ねてきた結果なのかもしれないが、女というものをよく知っていて、その嫌な部分さえも嫌味なく描いている。
ページをめくると突如生き生きとした人が目の前に現れ、目の前でくるくると動き出すような、情緒あふれる物語にしばし酔いしれた。 -
勤務先の美術館に宅配便が届く。差出人はひと月前、孤独の内に他界した父。つまらない人間と妻には疎まれても、娘の進路を密かに理解していた父の最後のメッセージとは…(「無用の人」)。歳を重ねて寂しさと不安を感じる独身女性が、かけがえのない人の存在に気が付いた時の温かい気持ちを描く珠玉の六編。
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いつも一緒にいなくとも、心の中で想っている、想ってくれている人がいる。どんな関係性でも、自分は1人じゃないって思えてそれが生きる糧になることもあるんだなと思う。心がほっと温まった。
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通勤や退勤時の電車時間でちょうど一編読めるくらいのボリュームでちょうどよかったのですが、毎回電車の中でまあまあしっかりめに泣いてしまっていた。
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仕事、家族、友達、食事、死、のような人生の普遍的なものを素朴に切り取ったような
もう少し年取ってから読みたいな -
家族や友人、同僚などとの関係で悩んでいる人もいると思います。 大切な人といい関係を育てていきたい。自分は誰かにとっての大切な人になれているのだろうか。そうであって欲しい。
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あんまり短編集は向いてないけど、どれも心の支えになりそうって感じのかわいい本
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「死」「生命」と隣り合わせなストーリーばかりで、それを通して生きることの美しさを感じる短編集だった。風景の描写がとても好きで、どの景色も見たくなった。「波打ち際のふたり」の旅館に行きたい!
生きてるともちろん幸せなことばかりじゃないけど、それを受け入れて一歩進んだときに心が暖かくなる瞬間がある、と気付ける一冊。 -
大事なひと、過ごした時間でも距離でも時期でもなく…その尊さをそっと感じる。