誰も僕を裁けない (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062990691

感想・レビュー・書評

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  • 定番トリックをこんな使い方をするとは思いもよらなかった。ミステリのロジックの特質を逆用したものでもあって、とてもよかった。

  • どことなく鉛色の重たいトーンで語られる少年と探偵が遭遇した二つの犯罪。
    上木らいちが色んな意味で苦戦しながら導かれた真相。罪を通して描かれる社会。
    罪を咎める法と倫理。人を殺める方法と論理。
    確かに社会派と本格が一体となってた。
    早坂さん本当にお見事です。

  • 軽い読み口だけどむしろ本格感の強い、過去2作とはまた違ったおもしろさ。一方、他人に勧めづらいところは変わらない(多分良い意味で)。
    登場人物の名前は覚えやすい親切設計(^^)

    小松凪がんばれ~。

  • 主に戸田という少年の視点とらいちちゃん視点でお話は進んでいきます。
    全然違う入り方なのですが、どんどん近付いていく感じが何とも独特。
    今までの2作とは毛色が違うように感じました。
    らいちちゃんは相変わらずハッスル←しているのですが、頁を進める毎にシリアスモードで、今までよりはハッスルしていません。
    ハッスルするらいちちゃんを求める方には不向きかも……?

    トリックや展開の粗?をご指摘される方もいるようですが、私としてはこのシリーズには“軽い気持ちで楽しむ”ということを求めているため、さほど気になりませんでした。
    そして過去2作ほどお下劣過ぎず(耐性がついた可能性有り(笑))、ご飯前に読むか悩む私にはちょうど良かったです(笑)

  • 面白くない訳ではないのでないんだけどちょっと無理がある感じがする。

  • 相変わらずトリックは斬新だった。

  • ムカツク嫌なエリートだった竜崎も前作を経て左遷され、所轄の署長となりずいぶん変わりました。キャリアでありながら現場に出る。所轄の人間にとっては最初は煙たいだけの男も自分の信念に従って動き彼らの信頼を得ていきます。この経緯がいろんな失敗などを含んでわざとらしくなく、すごく人間らしくて気持ちがいいのです。今回も家庭での問題が浮上しますがやはり奥様が素敵でため息が出ます。家族との関わりもちゃんと変わっていっていますね。本部とのやりとりや事件解決までの経緯にも夢中になって一気に読みました。楽しい読書タイムでした。

  • 社会派エロミス。シリーズ3作目。
    館もので密室トリックもあり。
    本文中でも何度も書かれるように、仕掛けが予想できるお馴染み(?)の平面図ですが、その仕掛けを上手く利用している印象。
    この作者は作風的にそれほど期待せずに読むんですが、今作は特に細かいトリックや伏線回収、複数パートのリンクが絶妙で、ミステリとしての質も高いのでは。

  • エロミス。
    売春で生計を立てる上木らいちの元に、メイドとして雇いたいという手紙が届く。変わった形状の屋敷に赴くと、その夜殺人事件が発生。一方過去のトラウマに苦しむ高校生、戸田公平はとある少女に惹かれるが、逮捕されてしまい…。

  • エロミスと社会派の融合。
    援交探偵らいちも、黒髪おさげではモテないのか?
    埼玉側の登場人物の名前が地名なので、覚えやすい。発端の少女は春日部だし、少年は戸田。刑事は浦和。弁護士は与野。

    青少年淫行で捕まった少年。同意だし、誰も僕をさばけない、はず。
    一方、東京では、邸宅でメイドのバイトをするらいち。
    この2つがどうやってつながるのか??と思いつつ読み進めた。意外だったわ。
    動く館ってのも、すごいな。いいねいいね。この発想。

    そして彼は弁護士になる。愛した彼女のため。

    以下、抜粋。
    倫理的に正しいか正しくないかなど関係ない。そこにはただルールがあるだけなのだ。無知を振りかざし、逸脱するなら獣である。ルールを掌握し、その上で自分の主張を通すのが人間的ということなのだろう。

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著者プロフィール

早坂 吝(はやさか・やぶさか)
1988年、大阪府生まれ。京都大学文学部卒業。京都大学推理小説研究会出身。
2014年に『○○○○○○○○殺人事件』で第50回メフィスト賞を受賞し、デビュー。
同作で「ミステリが読みたい! 2015年版」(早川書房)新人賞を受賞。
他の著書に『虹の歯ブラシ 上木(かみき)らいち発散』『RPGスクール』『誰も僕を裁けない』
『探偵AI(アイ)のリアル・ディープラーニング』『メーラーデーモンの戦慄』などがある。




「2019年 『双蛇密室』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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