手紙 ふたりの奇跡

著者 :
  • 講談社
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065155813

作品紹介・あらすじ

秋田に住む小六の穂乃香は、調べ学習で使ったインターネットで偶然『祖父の思い出』という作文で入賞をした耕治のことを知る。穂乃香は昨年急に亡くなった母の少女時代の大切な思い出の謎を探すため、勇気を出して長崎に住む耕治の小学校へ手紙を送る─。


秋田に住む小六の穂乃香は、亡き母の少女時代の大切な思い出の謎を探すため、勇気を出して長崎に住む耕治の小学校へ手紙を送る─。『ふたり』が感想文全国コンクール課題図書に、『香菜とななつの秘密』が厚生労働省社会保障審議会推薦児童福祉文化財に選ばれるなど、人気、実力を兼ね備えた現役教師作家、福田隆浩氏により感動作。
「この手紙は、長崎市の東山小学校に届いていますか? 
 そして、6年生の吉野耕治さんの手元へ届いているでしょうか?
 そうなっていることを信じて、続きを書くことにします。

 はじめまして!
 わたしの名前は清水穂乃香といいます。秋田県秋田市にある桜坂小学校に通う小学6年生です。
 吉野さんが、この手紙を読んでいるとしたら、きっとびっくりしていることと思います。
 だって、会ったこともない、まったく知らない子から、突然こんな手紙が届いたのですから。
─中略─
お母さんの人生って、いったいなんだったのだろう……。
 最近、よくそのことを考えてしまいます。
 自分のために生きていたのかなあって。うれしいことあったのかなあ。きらきら輝いていたことがあったのかなあって……。
 でも、お母さんがすっごく笑って、本当に本当に楽しそうにしていたことがありました。
 そう。
 それが、長崎での出来事について、わたしに話してくれたときでした。」(本文より)

感想・レビュー・書評

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  • 児童書だと思って軽い気持ちで読み始めたけど、結構奥が深かった。
    秋田と長崎で文通を始める6年生の2人。

    母を病気で亡くしたり、父の再婚の話が出たりと思春期の女の子にとっては環境の変化が大きすぎる生活をしている秋田のホノ。
    ‪亡き母は、生きていて幸せだっただろうか?との疑問から長崎のコウへ手紙を送る。

    コウも亡き祖父を素直に受け入れることができなかった自分の姿を見つめ直したり、発達障害を抱えながらも懸命に生きようとする幼なじみの奮闘を支えたりしながら心の内をホノに打ち明ける。

    最後は涙が出るくらい心温まるストーリー。
    少年少女の成長と、必ず誰かが味方になってくれるというメッセージが込められたほっこりミステリー( * ˊᵕˋ )

  • 秋田県秋田市の小6の清水穂乃香と、長崎市の小6の吉野耕治の手紙のやり取りで、ほのかがコウジに送った4月の手紙から始まり、中学生になったコウジから送られてきた4月の手紙で終わる。全てが手紙文で成り立っている。
    ほのかは、作文全国コンクールで優秀賞をとったコウジの作文をインターネットで、読んで小学校気付で、コウジに手紙を出す。気になっている場所の長崎に住むコウジの作文を読んだ事を、運命と感じで、書いたという。用件は、その気になっていた事、ほのかのお母さんが、若い時に一生思い出に残る奇跡みたいな事、それが長崎での事なので、調べたいので手紙を書いたとの事。驚きながらも返信するコウジ。それから、お母さんの謎解きが始まり、お互いの生活を語り、お互いの悩みを語る。二人の成長していく物語。

    あり得ない始まりはや展開を私は受け入れる方だ。ステキな展開や良い方に想像するし、人の善意を信じている。でも、この話は、ツッコミを入れたくなった。そんな事あるかなぁ?とか、ほのかには共感出来ないなとか、考えてしまうと、物語に入り込めないでいた。でも、後半になるにつれ、面白く読めた。
    児童が授業でクラスメートにオススメていた図書。私は著者の作品はいくつか読んでいてそれらか児童書として良かったので、わざわざ読まないで購入しても良いかなと思いつつ、読みました。
    私がいくつか読んだ著作中では、物足りなさを感じた。手紙だけのやりとりの図書は少ないし、後半ぐっと惹きつけられたのので、購入しようと思う。

  • お母さんの秘密を探す為に、全く知らない土地の子と文通をし、お互いに相談をしたり、秘密を解き明かしながら成長していく物語。
    死とかいじめとか友達とか考えさせられるのにすごく読みやすくて話も面白い!この作者さんの本はどれも好きです。

  • 11月、コウがホノへと送った言葉。
    「そんなに無理してお母さんのことを忘れなくてもいいんじゃないかなあ」
    私も忘れなくていいのかな。
    私も母の生き方を肯定していけるかな。

    手書きの文字ってあたたかいですね。

  • 文通形式で表現された物語が、とても新鮮でした。生きることを肯定的にとらえる結末は、主人公達の成長をも感じさせます。小学校高学年の子ども達に、紹介したいと思いました。

  • 手紙という手段を使ってある謎に挑み、一つの結論にたどり着いた小学生2人のお話し。『ふたり』を知って福田さんのファンになった私、以来楽しませていただいてます。本作も謎解き要素あり、わくわくしながら読みました。

  • 離婚して離れて住んでいて亡くなったお母さんの秘密を知ろうと、作文コンクールで優秀賞をとった耕治に手紙を出した穂乃香。二人がやりとりする手紙だけで話がどんどん進んでいく。
    秘密は意外なものだったけれど、家族や友達関係についても考えさせられる話。

  •  長崎⇔秋田、文通。亡くなったお母さんの秘密とそのヒント。「一生の思い出に残る奇跡みたいな出来事」とは!?

  • すごくよかった!
    読んでて涙が・・。

  • あっというまにひきつけられて読了。購入予定。

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著者プロフィール

長崎県の特別支援学校勤務。『この素晴らしき世界に生まれて』(小峰書店)で、日本児童文学者協会長編児童文学新人賞受賞。
『熱風』で、第48回講談社児童文学新人賞佳作受賞。
『ひみつ』(講談社)が第50回野間児童文芸賞最終候補作に、
『ふたり』(講談社)が2014年青少年読書感想文全国コンクール課題図書に、
『幽霊魚』(講談社)が2016年読書感想画中央コンクール指定図書に、
『香菜とななつの秘密』が厚生労働省社会保障審議会推薦児童福祉文化財に選ばれる。
『たぶんみんなは知らないこと』で第60回野間児童文芸賞を受賞。
その他、『おなべの妖精一家シリーズ1.2』『おはなしSDGs 人や不平等をなくそう 明日香さんは負けない』(講談社)など





「2022年 『たぶんみんなは知らないこと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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