忌み地 怪談社奇聞録 (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065166789

感想・レビュー・書評

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  • 読み始めは何も感じなかったが、読み進めていくうちに背後がどうも気になるようになった。後半は背筋のざわつきを気にしながら読んだ。

  • 怪談を蒐集する際、怪談社を任されている糸柳と上間は現地に行って取材をするのだ。徒労に終わる事もあるが、現地に行って取材をした分関連した話を収穫できる事が多いらしい。本書は、それぞれが同じ色を帯びた話を集めた怪談実話集である。
    ***
    実話怪談集。今までずっとホラー小説ばかりを読んでいたのでとっても久しぶり。こちらの本は、ただ怪談を集めただけではなくその怪談を聞くに至ったプロセスも一緒に書いてあり、新鮮だった。どうした理由でという前後があるおかけでより一層、リアリティがあった。(実話怪談なのでリアリティという言葉はやや不適切か?)オチがきっちりつくホラー小説と違って、結論が曖昧模糊としているがそれがこちらの想像を掻き立てて、余計に怖い。ああじゃったんじゃないか、こうじゃったんじゃないかといろいろ考えてしまう。どれもこれも家や建物、土地に関する話ばかりで、そのいずれかがいずれかに関係していたり、多くの話の根底に同じだと推測される原因が横たわっていたりと、話それぞれに連鎖があるのは非常に良かった。関連しているとわかった瞬間のあのぞーっとする感じがいい。一番怖かったのは「うなる男」。語り手のマンションに出た、体に火傷を負った男。それが週に何回か現れ何かを訴えるように、「うーッ、うーッ」とうなる様も不気味。しかも、その話の最後にはその語り手がこんな感じだったと描いてくれた絵が不気味だった。その場でササっと書いたので大雑把な絵であったが余計怖さを倍増させた。昨日の夜その話を読んだが、よもや暗闇の向こうから現れまいな?とちょっとビクビクしてしまった。もう一つ真相が気になった話が、「封印されたアパート」こちらは、幽霊らしい幽霊は出てこないのだが、必要以上に人を入れまいとまさに封印されているアパートの様子、そしてそのアパートの事を聞こうとすると示し合わせたかの様にこちらを無視する近隣住民。そして、やっと話を聞けそうな人を見つけたと思ったら「関わらないほうがいい」「絶対中に入るな」と釘を刺される始末。物件に対する曰くなので、有名な事故物件サイトで検索しても杳として知れず……。ここで何があったのか、本書では判明していない。おそらくこれから先もよほどのことがない限り明るみにはならないだろう。しかし、それだけ近隣住民が触らぬ神に祟りなしといわんばかりに敬遠しているところを見ると、興味が募るが、恐怖もより募る話だった。

  • 奇聞録だけに人から聞いた怪談実話をまとめた本で、その怪異の起こる場所らしき写真などが掲載されているのは面白かったです。内容はわかっても原因がはっきりしないのでやや物足りないんですが、ノンフィクションという体なので仕方ない。怪異が起こるらしき場所の写真もとくになんてことないその辺の景色にしか見えず、逆にめちゃくちゃ本当っぽく感じました。

  • 怖いなぁ。
    忘れよう!

  • K市と書いてあるけど、方言でバレバレ(°▽°)
    坊主頭のネタが怖かった

  • 怪談社の糸柳寿昭、上間月貴が全国各地の曰く付き物件、忌み地を取材、そこで聞き集めた情報(怪談含め)や取材プロセス、現場の状況を作家の福澤徹三が取りまとめた書き下ろしの実話怪談集。

    タイトルにあるように、土地や家屋(物件)に関する怪談がある程度のテーマとなっている(あまり関連のない話もあり)が、同時に“水”が怪異のキーとして通底している。
    「忌まれた土地」テーマでは近年、小野不由美の「残穢」が話題となったが、福澤徹三はその作品内にも登場するし、さらには実話怪談集「怖の日常」でも、「残穢」、さらには今回の内容にも連なる話が載っていたのを思い出した。印象に残ったのは、深夜に聞こえる大勢の猫の鳴き声の真相「猫が鳴く道」、後味の悪い「怪談稽古場」「三文字の遺書」、ラストのダメ押しでゾッとする「旧Iトンネル」、そしてK市の忌み地を取材した「事故物件のマンション」からのラスト5連作。「旧Iトンネル」は読了後にここかなと検索、表示された現場の写真を見て何か背筋がざわりとした。見るんじゃなかった……。

  • 怪談社の糸柳寿昭と上間月貴が全国各地の忌み地、いわくつき物件を中心に取材して、筆者がそのプロセスや現場の状況を書き起こすというスタイルの怪談実話集。

    実話集というだけあって、淡々としていたり、オチらしいオチがつかなかったりするし、すべてがすべて怖いわけではなかった。

    怪談の取材プロセスを読めるのは面白いと思ったけど、紹介文を読んだときにもっといわくつき物件に寄った話を期待していたので、そのへんは個人的にちょっと期待外れだったかな。

  • 実話怪談を発表する団体「怪談社」を主宰するふたりが足で集めた、全国各地の「忌み地」「いわくつき物件」にまつわる情報を怪談?小説家の福澤徹三が書き下ろしたオムニバス。 
    後味の悪さ一番は「怪談稽古場」かな? 
    忌み地の共通点(水、炭鉱) 
    平均点の出る薄気味悪さなので 読んで損は無いと思います。 

  • 事故物件や事件の周辺で起こる出来事、これ実話なのか、と疑いたくなるような、説明のつかないこと、不可思議な話。 実話だから怖い

  • 一つ一つはそれほど怖い感じはしないのだけれど点と点を結び戦になるとふわっと怖い。

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著者プロフィール

福澤 徹三(ふくざわ・てつぞう):1962年、 福岡県生まれ。ホラー、怪談実話、クライムノベル、警察小説など幅広いジャンルの作品を手がける。2008年、『すじぼり』で第10回大藪春彦賞受賞。著書に『黒い百物語』『忌談』『怖の日常』『怪談熱』『S霊園』『廃屋の幽霊』『しにんあそび』『灰色の犬』『群青の魚』『羊の国の「イリヤ」』『そのひと皿にめぐりあうとき』ほか多数。『東京難民』は映画化、『白日の鴉』はテレビドラマ化、『Iターン』『俠(★正字)飯』はテレビドラマ化・コミック化された。

「2023年 『怪を訊く日々 怪談随筆集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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