- Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065202760
作品紹介・あらすじ
母子二人暮らしのアパートで発見された、女性の変死体。亡くなっていたのは母親、そして殺してしまったのは、日々虐待を受けていた小学生の娘だった。事件以降、“人”が変わったような言動をとりはじめる少女。何かが、おかしい。原因は過度の精神負荷による、解離性同一性障害……多重人格のせいなのか。では――「私の中にいる」のは、誰? 『人間に向いてない』で注目の著者が、読者に突きつける社会の底。
感想・レビュー・書評
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我が子である萌果に虐待を繰り返す佳奈…ある日突発的気がつくと佳奈が頭を打って死んでいた…。元々大人しく内向的であった萌果だったが、事件後は人が変わったかのように反省の色も見えず反抗的な態度になったこともあり、児童自立支援施設で過ごすことになった…。いったい何があったのか、萌果は萌果ではないのか?…。
内容が内容なだけに終始重い気持ちで読みすすめました。この物語の救いは、施設を変わることでかけがえのない出逢いがあったこと…自身を見つめ直せたことで、その後の人生を誠実に生きていくことこそ贖罪にあたるという思いにたどりつけたことですね!これからの彼女の人生が、明るいものでありますように…そう願わずにはいられません。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
-ねぇ聞いた?羽山さんの話。
-お母さんを、殺したんだって。
-信じられないよね。
-なんにも喋らなかったもんね。
-そういう子ほど、裏では何考えてるか分からないって。
-それってアレじゃん。ニジュージンカクってやつ。
シングルマザーの家庭で育った羽山萌果。
日常的に母親から虐待をうけていた。
母親からの暴力から逃れるため抵抗した際に、母親に体当たりした萌果。母親は家具の角に頭を打ちつけそのまま亡くなった。
前作の『人間に向いていない』が面白かったので、今作もどんな奇抜なアイデアで「少年犯罪」を描いているのかと期待して読み始めたけれど…。
うーむ。って感じでした。
第2章までは 萌果が入所した児童自立支援施設のひどい仕打ちと 萌果の大人に対する態度に嫌悪感しかなく。
しかし、第3章で別の施設へと移ってから やっと
『私の中にいる』の意味が明かされ 最後まで読み切ることができた。無口で大人しいと思われていた萌果が犯罪後 人格が変わったかのような言動を取るようになったのは多重人格のせいなのか?
「え!それじゃ、話が変わってくるわ」と戸惑いもあったけど。
親に愛された記憶。大事。
虐待を受けている子も
虐待をしている親も
負の連鎖をどこで断ち切れるか。
「あたしほんとは萌果じゃないんだ」
『私の中にいる』のは誰?
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チーニャちゃんこんばんは♬.*゚
そう、まさにコメントのように萌果の中には別の人格がいるってお話です。ただ、その別人格が誰なのかってところ...チーニャちゃんこんばんは♬.*゚
そう、まさにコメントのように萌果の中には別の人格がいるってお話です。ただ、その別人格が誰なのかってところが …。話をグルンとひっくり返されます。
デビュー作の『人間には向いていない』が、
引きこもりの子どもが ある日突然 人間ではなくなってしまうっていう話しだったので、今回もちと期待して読んだんですが…。星2にしちゃいました
(っ -᷄ ᴗ -᷅ c)
2023/07/29 -
ゆーきちゃんこんばんは♬⚝.˖٭
なるほどです…
期待しちゃいますよね…
うんうん!
…
ゆーきちゃんこんばんは♬⚝.˖٭
なるほどです…
期待しちゃいますよね…
うんうん!
…
2023/07/29 -
チーニャちゃん.*・゚
期待しすぎで読み始めるのも危険だね笑
毎日危険な暑さだねぇ。
全然読書はかどらない(ノд-。)クスン
チーニャち...チーニャちゃん.*・゚
期待しすぎで読み始めるのも危険だね笑
毎日危険な暑さだねぇ。
全然読書はかどらない(ノд-。)クスン
チーニャちゃんも体調気をつけて〜♬.*゚
2023/07/30
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’21年11月28日、読了。黒澤いづみさん、二作目。
かなりヘヴィな話、でした。思っていたストーリーではなかったけど…これはこれで、良かったです。
なんとも悲惨な話で、何度も胸が圧し潰されてしまいました。苦しかった…。忘れられない読書体験になりました。
黒澤いづみさんの、次の作品が「楽しみ」とは、正直なりませんが…多分、また読むんだろうなぁ。そういう「力」のある作品、作家さんだと思います。 -
人間に向いてないは積読してて、先にこれを図書館で見つけたので読んだ
なので初読作家
星3にしてるが2.5
罪の贖罪とはなんたるか…いかにして償えるか赦しとは…を問う話なのかな
なんだろ…イマイチどこも盛り上がらなく暗いしダラダラ〜としてる割には最後まで読めちゃうって不思議な本だった
イヤミスでもホラーでもサスペンスでも無く…何にも属さない本はこの本の主人公も何にも属さないので同じなのかな -
デビュー作『人間に向いてない』が良かったので、二作目に当たる本作も期待していたが、結論から言うとやや消化不良。
虐待を受けていた小学5年生の少女が誤って母親を殺してしまう序章で心を鷲掴みにされ、その後に続く児童自立支援施設での職員とのシーンもスリリングで先が気になる展開。
少女の中に存在しているのは羽山萌果本人なのか、それとも別人格なのか。
「私の中にいる」正体が誰なのか気になり読み進める。
頻繁に取り上げられる虐待の連鎖に解離性同一性障害を絡めたストーリーは新鮮ではあるけれど結末に更なるインパクトが欲しかった。 -
なかなか重く辛い話だった。
嫌いじゃないんだけど、読み進めるのにかなり時間がかかってしまった。
彼女が新しい場所で新しい人生を歩めるといいなと思う。 -
全体的に暗いトーンでテーマも重く好みではないはずだが、何故か一気に読んでしまった。
主人公の内面の本当に少しずつの変化が、嬉しくはある。また後半は周りの人達に恵まれ、向き合いたくない過去の自分と向き合うところは応援したくなった。
ただ虐待する気持ちに共感はできない。読んでいて辛かった。こう感じられる自分が恵まれた環境だというだけなのかもしれない。
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話というか、
ずーっと誰かの悩みを聞いてる気分だった。
こういう人もいるよな。 -
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虐待を受けて育った萌果は、正当防衛で母親の
佳奈を殺してしまう。
事件後の萌果は、これまでの内向的で大人しく
暗い様子から攻撃的で粗野に変わっていた。
児童保護、更生の為の学園で萌果は出会う人との
関わりのかな自分を内省していく。
萌果の中はいったい誰なのか。
自分を見つめ直す萌果の口から思いがけない
打ち明けがある。
現実世界で起こしてしまった事件、
その罪を背負い、引き受けた生を背負い
誠実に生きていく事が贖罪ではないか。